ビッグサイズに憧れる

食いしん坊の私は、
ビッグサイズの食べ物に目がない。
美味しいものは飽きるほど食べたい。
ビッグサイズは無理だけど、
我が家ではコロッケを一度に
二十個ほど作る。
作りすぎたと思っても、
残ったためしがない。

『ポテトむらのコロッケまつり』は
読むたびにワクワクする。　
超ビッグサイズのコロッケを
作ってしまうのだ。

ポテトおばさんのアイデアも
素晴らしいが、
村人たちが一生懸命に準備する様子は、
おかしいやら、感心するやら。
パン粉か生パン粉か、
話し合いも真剣だ。
どうやってビッグサイズのコロッケを
揚げるかって？
ヒントは驚きのワイヤーアクション⁉
みんなで力を合わせて作った
特大コロッケと、笑顔の数々。
お腹も心も、間違いなく満たされる。

キャベツとソースと
ユーモアたっぷりのコロッケ、
大好きな人たちと食べたいな。
ちなみに、息子はコロッケに
ソースをかけない。
じゃがいもとパン粉の、そのままの味が好きなんだそう。
ツウな人みたいだなあ。

文　藤巻 吏絵（ふじまき りえ）
『唐棣（はねず）色の明日』で第十一回銀の雫文芸賞最優秀賞受賞。
同作品はNHKFMにてラジオドラマ化。

著書に、『美乃里の夏』、こどものとも『アルマジロくんとカメくん』ともに福音館書店、『ふみきりのかんたくん』教育画劇。
他に、紙芝居のお話や合唱曲の歌詞なども手掛ける。

おしまい。

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