出産後は赤ちゃんのお世話で忙しい中、必要な手続きもこなさなければなりません。
負担を少しでも減らすため、妊娠中から必要な手続きを確認し、できる準備を進めておきましょう。
今回は出産後に必要な11の手続きについて解説します。
この記事のもくじ
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出産後の手続きチェックリスト
出産後に必要な主な手続きは以下となります。
NO. | 手続き内容 | 対象者 | 届け出先 |
---|---|---|---|
1 | 出生届 | 全員 | 役所 |
2 | 健康保険加入 | 全員 | 社保:勤務先
国保:役所 |
3 | 乳幼児医療費制度 | 全員 | 役所 |
4 | 児童手当 | 全員 | 役所 |
5 | 出産育児一時金 | 全員 |
社保:加入の健康保険組合 国保:役所
直接支払制度:産院 |
6 | 未熟児養育医療給付金 | 未熟児など赤ちゃんの入院が必要だった人 | 役所、保健センター等 |
7 | 高額療養費 | 1カ月の医療費が基準を超えた人 |
社保:加入の健康保険組合 国保:役所 |
8 | 出産手当金 | 会社員(母) | 勤務先、加入の健康保険組合 |
9 | 育児休業給付金 | 会社員(育児休業をする父母) | 勤務先 |
10 | 産前産後休業保険料免除 育児休業保険料免除 | 会社員で該当する父母 | 勤務先 |
11 | 医療費控除 | 年間医療費が10万円(総所得が200万円以下ならその5%)を超えた人 | 税務署 |
出産関連の手続きと必要書類
ここで、チェックリストに挙げた手続きについて必要書類と併せて確認しましょう。
なお、1~5までは全員、6以降は該当者が必要な手続きとなります。
1.出生届の提出
赤ちゃんの出生から14日(日本国外出産なら3カ月)以内に届ける必要があります。
医師や助産師が記入する箇所があるので、入院中に記載してもらいましょう。
役所での手続きを減らすために乳幼児医療費助成と児童手当の手続きも同時に行えるとベストです。
必要書類 | 出生届、母子手帳、印鑑 |
---|---|
届け出先 | 役所 |
届出人 | 父母、同居人等 |
2.健康保険加入
赤ちゃんの1カ月健診では健康保険証が必要です。
保険証発行には時間がかかるため、速やかに健康保険加入手続きを行いましょう。
社会保険では加入する健康保険組合によって手続きに違いがあるので、勤務先の担当者に事前に確認すると間違いがありません。
共働きの場合、一般に収入の多いほうの扶養に入れます。
国民健康保険の場合は、住民票のある役所で手続きを行うため、出生届と併せて行いましょう。
赤ちゃんのマイナンバーは通知をもらうまでに時間がかかりますが、出生届後にマイナンバー記載のある住民票(有料)を取るとすぐに確認できます。
必要書類 | 【社保】 | 各種申請書、扶養者の身分証明証、扶養者と子のマイナンバー |
---|---|---|
【国保】 | 申請者の健康保険証、マイナンバー、母子手帳など(※自治体による) | |
届け出先 | 【社保】 | 勤務先 |
【国保】 | 役所 | |
届出人 | 父母 |
3.乳幼児医療費制度
各自治体で乳幼児の医療費の助成を行っています(助成内容は自治体による)。
発行された医療証を見せれば、医療費の自己負担額が無料もしくは少なくなります。
赤ちゃんの1カ月健診で利用できるように、出生届と共に手続きできるようにしましょう。
必要書類 | 子の健康保険証(子を扶養に入れる親の保険証でも可な場合も)、印鑑 ※自治体により違いあり |
---|---|
届け出先 | 役所 |
届出人 | 父母 |
4.児童手当
0歳~中学卒業までの子どもがいる世帯を対象に児童手当が支給されます。
月額は3歳未満1万5千円、3歳~小学生までは1万円(第3子以上は1万5千円)、中学生まで1万円です(※親の所得によっては子の年齢にかかわらず一律5千円)。
なお、所得上限限度額以上の所得がある場合は支給されません。
原則、申請の翌月から支給対象となりますが、出生から15日以内に申請すれば申請月から支給対象に。
申請が遅れると受け取れる期間が短くなるので注意が必要です。
必要書類 | 児童手当認定請求書、扶養者の健康保険証のコピー (請求書の記載に扶養者の振込先口座番号、印鑑が必要。) |
|
---|---|---|
届け出先 | 役所 | |
届出人 | 父母 |
5.出産育児一時金
出産すると加入している健康保険から一時金が支給されます。
支給額は条件により変わりますが、産科医療補償制度加入医療機関で妊娠22週以降に出産した場合は1児につき50万円です。
直接支払制度を導入している医療機関なら、退院時に一時金を差し引いた額で精算されますので、改めて申請する必要はありません。
<直接支払制度の利用がない場合>
必要書類 | 健康保険出産育児一時金支給申請書、直接支払制度に対応していないことの証明書、出産費用の領収書 | |
---|---|---|
届け出先 | 【社保】 | 加入の健康保険組合 |
【国保】 | 役所 | |
届出人 | 父母 |
6.未熟児養育医療給付金
2000g以下の未熟児や異常があって入院が必要な赤ちゃんなどを対象に、自己負担分の医療費が助成されます(扶養者の課税額に応じて自己負担金が出る場合あり)。
必要書類 | 養育医療給付申請書、養育医療意見書、母子手帳、世帯調書、所得税の証明書類、健康保険証、乳幼児医療費受給者証など | |
---|---|---|
届け出先 | 役所や保健センターなど(自治体による) | |
届出人 | 父母 |
7.高額療養費
1カ月で自己負担限度額を超える医療費がかかった場合、後から超えた分の払い戻しが受けられる制度です。
自然分娩は対象外ですが、帝王切開は対象になります。
また、妊娠中の合併症などでも適応されるケースがあります。
必要書類 | 高額療養費支給申請書、医療費の領収書など(※加入の健康保険組合による) | |
---|---|---|
届け出先 | 【社保】 | 加入の健康保険組合 |
【国保】 | 役所 | |
届出人 | 父母 |
8.出産手当金
出産日もしくは出産予定日(出産が予定日より遅い場合)からカウントして42日(多胎妊娠の場合は98日)前~出産日の56日後までの範囲内で、休業して給与の支払いがない期間の手当て(標準報酬日額の3分の2)が支給されます。
出産で退職した場合も、1年以上の社会保険に加入している場合は対象となるケースがありますので、勤務先に確認しても良いでしょう。
なお、申請書には病院側の記載欄がありますので、妊娠中に申請書を手元に準備して入院中に記載してもらうとスムーズです。
必要書類 | 健康保険出産手当金支給申請書、健康保険証のコピーなど(※加入の健康保険組合による) |
---|---|
届け出先 | 勤務先、加入の健康保険組合 |
届出人 | 母 |
9.育児休業給付金
出産手当金の支給後1年間の育休中に雇用保険から受けられる給付金です(保育園の入所ができなかった場合は子どもの2歳の誕生日まで最大で延長可能)。
休業開始日から180日までは月給の約67%、181日以降は約50%の支給額です。
必要書類 | 申請書、出産を証明する書類など(※その他、会社担当者に確認) |
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届け出先 | 勤務先 |
届出人 | 育休をとる人 |
10.産前産後休業保険料免除・育児休業保険料免除
産休・育休中は健康保険や厚生年金の保険料免除を受けることが可能です。
産休では開始日の属する月から終了月まで、育休では一定の要件を満たした場合に月の保険料が免除となります。
必要書類 | 申請書、振込先口座、出産を証明する書類、印鑑(※加入保険によって違いあり) |
---|---|
届け出先 | 勤務先 |
届出人 | 母(育児休業保険料免除は父も可能) |
11.医療費控除
出産一時金や保険金などを受けた分は差し引いて計算し、1年間の医療費が10万円(総所得が200万円以下ならその5%)を超えた場合に、確定申告をすることで税金の控除が受けられます。
世帯の医療費は合算可能なので、出産以外の医療費の領収書も保管しておきましょう。
共働きの場合、一般に所得が高い人が控除を受けたほうが戻る税金が多くなります。
必要書類 | 確定申告書、医療費の領収書(提出は不要だが保管が必要)、申請者のマイナンバー |
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届け出先 | 所轄の税務署 |
届出人 | 父母どちらかの申請者 |
里帰り出産で手続きに違いがある?
里帰り出産でも、必要な手続きに大きな違いはありません。
出生届に関しては、里帰り先の役所での提出もできますが、後日、居住地の役所での手続きも必要になるため、パパが居住地で手続きすると楽でしょう。
事前に出産後の手続きを確認して準備を進めよう!
産後の負担を減らすために、妊娠中から出産後に必要な手続きをパパと確認・共有しておくと安心です。
赤ちゃんのお世話をしながら産後の体調回復を行うママに代わって、任せられるものはパパにお願いしましょう。
ライター:ママにエール
14歳の男の子、10歳と3歳の女の子の3人の子のママ。いくつかの会社勤務を経て、出産を機にフリーランスに転向して、ライティング・校閲・編集などの業務に励んでいます。忙しいママ・パパに心からのエールを!