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【助産師監修】里帰り出産はいつから?期間は? 事前準備と注意点

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産前に実家などへ帰省し、帰省先の病院や助産院で出産することを里帰り出産と呼びます。
「いつから帰省するの?」「どんなスケジュールで、どんな準備をしておけばよい?」など、里帰り出産には疑問がたくさん。
今回は里帰りのタイミングや、出産に向けた準備・注意点などをご紹介します。

この記事のもくじ

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この記事を監修いただいたのは…
助産師:古谷 真紀(ふるや まき)さん

妊娠中から産後のママパパ&赤ちゃんのための相談事業を中心に活動中。
一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダーとして、自治体や企業、団体と連携した産前産後ケア事業等を担当。
同協会が開設した訪問看護ステーションco-co-ro(東京都渋谷区)で、産前産後や子育て中のママのこころのケアを中心とした訪問看護にも従事。


里帰り出産の帰省するタイミングは?


里帰りの期間はそれぞれ異なりますが、帰省先の産院で出産する場合は、出産までに余裕をもって、妊娠32週〜35週の転院を目処に帰省するのが一般的です。
妊婦健診で通う産院、里帰り出産をする産院で、受け入れ可能な妊娠週数が決められているため、里帰りするタイミングについては、それぞれの産院へ事前に確認と相談をして決めましょう。
また、帰省先の親や家族とも、里帰りするタイミングについて共有しましょう。


里帰りの期間はどのくらい?


産後は、産院で2週間健診や1か月健診を受けて定期的な受診は終了となります。
1か月健診の終了を目処に、家族のスケジュールを調整してママと赤ちゃんが安心して過ごせる状況を整えてから自宅へ戻りましょう。
状況によっては、滞在期間が長くなったり短くなったりすることもあるので、帰省先の親や家族とも事前に十分に話し合い、同意を得ましょう。


里帰り出産のメリット・デメリット



里帰り出産には、どのようなメリットやデメリットがあるかご紹介します。


メリット

里帰り出産の最大のメリットは、実家などで家族のサポートを得ながら安心して過ごせることです。
家事や身の回りの世話を頼ることができ、産後も母体の回復と赤ちゃんのお世話に専念できる環境は、里帰り出産ならでは。
子育ての先輩である親から助言を受けられることは心強いでしょう。
ママが里帰りすることで、パパは産前産後の予定を調整する余裕をもつことができます。

デメリット

里帰りすることで、夫婦で主体的に出産や子育てに向き合えなかったり、お互いを思いやる気持ちが薄れてしまったりして、関係性に変化が生じやすいことはデメリットです。
里帰り先の親や家族と、生活リズムが合わなかったり、出産や子育てへの価値観がズレたりしてストレスを感じることも。
親しい間柄だからこそ、より丁寧なコミュニケーションが必要です。
妊娠経過に何らかの問題が生じると、大きな病院への転院が必要になることがあります。
対応できる大病院が帰省先から遠く離れた場所にしかないケースなど、常に思い通りの展開になるとは限りません。
また自治体が提供する産前産後の支援サービスは、里帰り出産の場合は対象外となり、利用できるものが限られているところもあります。


里帰り出産に向けてしておきたい事前準備



里帰り出産は思い立ったときに、いつでもできるものではありません。
妊娠初期から、里帰り出産に向け必要な準備を進めましょう。


産院選びと分娩予約


妊娠したら、里帰り出産をするのかパートナーと話し合いましょう。
里帰りすると決めたら、帰省先の親とも話し合い、同意を得ましょう。
地域によっては、産院の選択肢が少ないこともあります。
また、ほとんどの産院が受け入れるための条件を設けています。
里帰り出産を希望する産院へ問い合わせて、妊婦健診で通う産院から転院までに必要な段取りについて確認し、転院時に紹介状を受け取ったらすみやかに帰省しましょう。

帰省に向けた準備

里帰り先での滞在期間に応じて、産前産後に必要な着替えや生活用品だけでなく、入院時に必要なものや持参するものもまとめておきましょう。
また、出産後に必要な赤ちゃん物品(ベビーバスや寝具、ベビー服など)の準備も欠かせません。
購入する場合やレンタルをする場合は、必要なときに間に合うように里帰り先へ直接届く手配をするなど、帰省時に荷物が増えないように計画しましょう。
里帰り先の近くにベビー用品のお店があるのか、インターネットショッピングを活用できるか事前に確認しておきましょう。

里帰りを受け入れる側の環境の準備も進めておく必要があります。
ママと赤ちゃんが過ごす部屋の準備や役割分担、里帰り中のスケジュールなどを事前に話し合っておきましょう。
一旦離れて暮らしていた家族同士の久しぶりの同居は、ストレスを感じやすいものです。
細かいことでも話し合い、安定した関係づくりを心掛けましょう。

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妊婦健診や出産に必要な手続き

妊婦健診などの健診にかかる費用は、自治体の発行する受診票を医療機関へ提出することで助成を受けることができますが、里帰り出産などで居住地以外の医療機関で健診を受けた場合は、助成の対象外のため自己負担となります。
後日、居住する自治体へ申請すると払い戻し(償還払い)を受けることが可能なので、領収書や診療明細書を保管しておきましょう。
公費負担の制度や申請方法に関する詳細は、居住する自治体の公式ホームページあるいは担当窓口等で確認しましょう。

産院へ、出産育児一時金出産手当金(社会保険加入の場合のみ)の申請など書類の発行を依頼する場合は、事前に必要書類の確認と準備をしておきましょう。
出産育児一時金について、直接支払制度を利用する場合は、妊婦健診を受けている産院から転院した際に改めて手続きが必要なため、出産する産院へ確認しましょう。

赤ちゃんが産まれた後は、出生届の届出だけでなく、乳幼児医療費受給者証(子ども医療費受給者証)の発行や児童手当などの申請、健康保険加入の手続きを行う必要があります。
産後にスムーズな手続きをすすめるために、事前に段取りを確認しておきましょう。

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帰省の交通手段についての注意点



自宅から遠く離れたエリアへ帰省するときに利用する、主な交通手段ごとの注意点をご紹介します。


自家用車で移動する場合

移動中に適宜休憩がとれるルートを選びましょう。
母体や胎児を交通事故の被害から守るため、乗車中はシートベルトを装着しましょう。
里帰り先から自宅へ戻るときに赤ちゃん連れで自家用車を利用する予定があれば、チャイルドシートの準備も必要です。
自宅近くでの運転は慣れていても、里帰り先での運転などシチュエーションが変わると運転に対する注意の仕方も変わります。
より慎重に安全運転を心掛けましょう。

新幹線や特急列車などの鉄道で移動する場合

座ったまま移動できるように、事前に指定席を予約しましょう。
乗降時やトイレへの移動が便利な座席がおすすめ。
移動当日に身軽に移動できるように持ち運ぶ荷物はコンパクトにまとめましょう。

飛行機やフェリーで移動する場合

航空会社や船会社では妊婦の利用についてルールを設けていて、搭乗・乗船できる妊娠週数に制限があり、医師の診断書などが必要となる場合があります。
出産予定日から28日以内に利用する場合は、手続きが必要となることが多いため、事前に必ず条件を調べましょう。
自宅へ戻るときも飛行機やフェリーを利用する場合、赤ちゃん連れでの搭乗や乗船に制限が設けられていることがあるため、各会社へ事前に確認しましょう。
 

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よく話し合い、安心できる環境を整えて



里帰り出産のメリットとデメリットについて、家族でよく話し合い、産前産後に安心して過ごせる環境を整えていきましょう。


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【参考文献】
・前田津紀夫:里帰り分娩の最近の動向と問題点 周産期医学51巻13号1242-1245, 2021
・警察庁Webサイト 交通局 交通安全のための情報 シートベルト・チャイルドシート(2023年10月閲覧)


文:山村智子
 


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