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【助産師監修】卒乳のタイミングはいつ?授乳をやめる方法も解説

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いつかは必ず訪れる卒乳のタイミング。親子にとって授乳は日常だからこそ、なるべく負担の少ないタイミングで卒乳したいですよね。
この記事では、赤ちゃんが自然に授乳をやめるのを待つだけでなく、母親からの働きかけで授乳をやめることや、母乳やミルクをいつやめるかといったタイミングなど「卒乳」について解説します。

この記事のもくじ

卒乳とは?

卒乳とは、赤ちゃんが主体となり、欲しがる間は授乳を続けて、自然に母乳を欲しがらなくなったら授乳を終了することであり、親子で習慣的な授乳から卒業していく過程も含まれます。

授乳だけでは不足する栄養素やエネルギー(カロリー)を補うために、離乳食を食べて成長していく過程で、いずれ授乳をやめる時期がやって来ます。

母乳をやめるために授乳間隔をあけると、乳房内に残る母乳に含まれるたんぱく質が母乳の分泌を調節して、新たに作られる量が徐々に減っていきます。
この仕組みによって、乳房の張りは1〜2週間ほどで消失して、約1か月経過するといずれ母乳の分泌は止まります。
赤ちゃんの月齢や年齢、親子の状況にもよりますが、完全に卒乳するまで1〜2か月かかることもあります。

卒乳のタイミングはいつ?


卒乳のタイミングを見極めるには、今後いつまで母乳育児を続けたいと思っているのか、どうすれば親子で穏やかに過ごせるかを明確にすることが大切です。


母親側の理由が卒乳のきっかけとなるケース

  • 医学的な理由で母親や赤ちゃんにとって母乳育児を続けることが最善策ではない場合
  • 仕事復帰などを理由に特定の時期までの卒乳を希望する場合
  • 次回の妊娠を考え始めた場合
  • 乳房トラブルを繰り返す場合
  • 母乳育児を続けることがストレスになる場合

赤ちゃんの成長が卒乳のきっかけとなるケース

  • 離乳食がなかなか進まない場合
  • 生え始めた歯でおっぱいを噛み母親を困らせる場合
  • 授乳に集中せず何度も中断する場合
  • 1歳を過ぎて母乳以外で栄養と水分がとれるようになった場合

1歳を過ぎると、親の姿が見えないと不安を抱く分離不安の時期とちょうど重なるため、すんなりと卒乳できるか悩むこともありますが、親から授乳を促さずに、欲しがる時は拒まずに過ごしているうちに、うまく卒乳できることもあります。

母乳育児を続けることが、むし歯の原因になる、自立の妨げになる、栄養が不足する、流産や早産の原因になるといった医学的根拠のない情報が出回っています。

もし、卒乳を考え始めたきっかけが、不安をあおるような情報であれば、一旦立ち止まり、信頼できる身近な人や助産師などの専門家へ相談しましょう。

卒乳の方法は?

卒乳の方法には、赤ちゃんが自然に授乳をやめるのを待つ方法と、母親から働きかけて授乳を止める方法があります。親子にとって負担の少ない方法を選びましょう。
 


自然に授乳をやめるのを待つ方法

赤ちゃんが、食事から十分に栄養やエネルギー(カロリー)を摂取できるようになると授乳回数が減り、母乳を飲まずに過ごせる日がでてきます。
赤ちゃん側から自然に母乳を飲まなくなるまで、授乳を続ける方法を自然卒乳と呼びます。
ちなみに、赤ちゃんが1歳未満の場合、急におっぱいを欲しがらなくなったり、哺乳瓶を嫌がったりする哺乳ストライキ(哺乳拒否 or ナーシングストライキ)という現象が起こることがあります。
数日間〜1週間程度で元の状態に戻ることが多いですが、卒乳を考え始めているならば、この現象を卒乳のきっかけとしてもかまいません。
 

▼哺乳ストライキ(哺乳拒否 or ナーシングストライキ)対処法はこちら



授乳の回数や時間帯を制限していく方法


赤ちゃん側から自然に母乳を飲まなくなる時期が来るよりも前に、母親から授乳をやめていく方法には、1日の授乳回数を徐々に減らす方法(計画的卒乳)と、全く授乳しない時間帯を設定する方法(部分的卒乳)があります。

計画的卒乳

1日の授乳回数を2〜3日ごとに1回ずつ減らし、授乳間隔を徐々にあけていく方法です。
赤ちゃんが積極的に欲しがらない日中から減らしていくと効果的なことも。
母乳がよく出る場合でも、徐々にやめるため、親子双方にとって負担が少ない方法です。

部分的卒乳

睡眠を優先するために夜間の授乳をやめたり、仕事復帰した場合に朝晩や休日のみ母乳を与える方法です。
心のよりどころとなる授乳を続けながら、ゆっくり卒乳をすすめることができます。
卒乳が思い通りにすすまない時や体調不良の時は、一旦保留にして、元の授乳方法へ戻してもOKです。

直ちに母乳をやめる方法(いわゆる断乳)

母親から母乳を断つという意味の「断乳」という言葉も未だ根強く残っていますが、いわゆる「断乳」も卒乳する方法のひとつです。
やむを得ない理由がある場合、直ちに母乳による授乳をやめる方法です。

母乳を飲むことをやめさせても、乳房を触ったり見たりする行動はOKにして、授乳以外でのスキンシップを心がけることが大切です。
授乳をやめて、母乳が乳房内に残る状態を維持することで、徐々に母乳は作られなくなっていきます。
母乳を止める薬の処方を受けたい場合は、産婦人科や母乳外来へ相談しましょう。

乳房の張りや痛みが伴う場合は、保冷剤を当てて冷やしたり、圧抜き程度の搾乳(目安:20〜30mL程度)をしましょう。
圧抜きする間隔が24時間~数日間あくようになれば、いずれ母乳分泌は止まり、母乳を作る組織も妊娠前の状態へ戻っていきます。

卒乳後の乳房のセルフケア

卒乳後は、乳房内の細胞が変化して、乳房内に残る母乳は徐々に体内へ自然と吸収されるため、乳房マッサージなど特別なケアは必要ありません。
卒乳後のセルフケアの基本は、胸元を下着や抱っこ紐で締め付けすぎないこと、必要に応じて圧抜き程度の搾乳をすることです。
乳腺炎の症状(乳房の赤み・痛み・熱感および38.5度以上の発熱)が起きた時の相談先を確認しておきましょう。

また、子育て中の健康管理として、授乳中に食べる量が増えていた場合は食生活を見直して卒乳後の思わぬ体重増加を予防すること、定期的に乳がん検診を受けることも大切です。

卒乳した後の授乳方法は?


1歳の誕生日を迎えるまでは、母乳をやめても、主な飲み物としてミルクは必要です。
母乳をやめた分をミルクに置き換えましょう。

離乳食を開始する時期(目安:生後5〜6か月)よりも前に卒乳した場合でも、ミルク以外の水分を与える必要はありません。
麦茶や湯冷まし、水などの水分は、手づかみ食べの始まる頃(目安:生後9〜11か月)から、コップ飲みの練習をしながら与えましょう。


ミルクを卒業するのはいつ?


1歳の誕生日を迎え、多少食べムラがあっても、1日3回の離乳食が習慣となり、麦茶や湯冷まし、水で水分補給できるようになったら、ミルクを卒業してよいタイミングです。
ちなみに、フォローアップミルクは牛乳の代用品のため、母乳やミルクの代わりにフォローアップミルクを与える必要はありません。

卒乳は家族の協力も大切


赤ちゃんが授乳以外の方法で落ち着くことができるように、家族など周囲の人のサポートも必要です。
卒乳すると決めたら「おっぱい」「母乳」を想起させる言葉や行動は控える、授乳クッションや授乳ケープなどは子どもの目の触れない場所へ保管する、授乳以外の方法(絵本やおもちゃ、散歩など)で気分を落ち着かせるなど、習慣的な授乳をやめるための工夫を一緒に考えてもらいましょう。


いつ卒乳するか決めるのは、ママと赤ちゃんです


卒乳のタイミングに、いつがいいとか悪いとかいうものはありません。
産後間もない時期に卒乳する親子もいれば、3歳を過ぎてから卒乳する親子もいます。
これまで授乳をがんばってきたことをねぎらいながら、ママと赤ちゃんで納得できるタイミングで卒乳してくださいね。
 

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監修・執筆【助産師:古谷 真紀(ふるや まき)】

自治体や企業等と連携した産前産後ケア事業担当を歴任後、妊娠中から産後のママパパ&赤ちゃんのための講座運営や相談事業に従事している。


【参考文献】
・授乳・離乳の支援ガイド 実践の手引き(2019年改訂版)第2版 公益社団法人母子衛生研究会 2021
・母乳育児支援スタンダード第2版 NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会  医学書院 2015
・母乳育児ハンドブック 日本小児医療保健協議会(四者協)栄養委員会編 東京医学社 2022


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