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【助産師監修】夜間授乳はいつまで必要?夜間の授乳回数を減らしていく方法を解説

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赤ちゃんが、夜間に母乳やミルクを欲しがることは自然なこととわかっていても、毎晩繰り返していると、いつまで夜間授乳が続くのか気になってきますよね。
今回は、夜間の授乳が必要なくなるタイミングと、夜間の授乳を減らしたいと思ったときに役立つヒントをまとめました。

この記事のもくじ

この記事を監修いただいたのは…
助産師:古谷 真紀(ふるや まき)さん

自治体や企業等と連携した産前産後ケア事業担当を歴任後、妊娠中から産後のママパパ&赤ちゃんのための講座運営や相談事業に従事している。

夜間の授乳が必要なくなるのはいつ?

夜間の授乳を必要としなくなる時期には、個人差があります。
生後2〜3か月頃から夜間にまとめて眠るようになる赤ちゃんもいれば、満1歳を迎えてからも夜間に目を覚ましておっぱいやミルクを欲しがる子もいます。

日中に必要な栄養や水分をとれるようになっていくと、夜に昼間と同じ間隔での授乳を必要としなくなっていきます。この変化には、空腹の感覚だけでなく、体内時計が関係しています。人間の体内時計の周期は地球の24時間周期よりも少し長いですが、生後数か月経つと、自然のリズムや周囲の環境に影響を受けて、地球の周期とのずれをリセットできるようになります。

多くの場合、赤ちゃんは成長する過程で、授乳・離乳食・睡眠・遊びなどをできるだけ規則的に繰り返し、生活リズムを整えていくことで体内時計がしっかりと働くようになります。昼夜の区別がつき、夜間の睡眠時間が長くなると、だんだんと夜中の授乳の回数は減っていきます。

夜間の授乳が必要なとき

赤ちゃんの生活リズムを整えていくまでの生後数か月間と、医師などの専門家から赤ちゃんの成長のために授乳の回数や量を増やしたほうがよいと助言されたときは、昼間と同じように夜間の授乳は必要です。
栄養を母乳やミルクからとる時期の授乳間隔は、日中は4時間以内、夜間は6時間以内を目安にしましょう。

夜間の授乳が必要なくなるとき

赤ちゃんの月齢がすすんで、成長のために必要な量を飲めるようになり、夜間に昼間の授乳間隔よりも長く眠るようになってきたら、夜も昼間と同じ間隔で授乳する必要はなくなります。1日に必要な母乳やミルクの量のほとんどを日中に飲めて体重増加などの成長が順調であれば、夜中に赤ちゃんを起こして授乳する必要はありません。

成長のために必要な授乳ができているか、体重増加が順調かについては、保健師や助産師による訪問、健診、育児相談などで専門家に確認してもらいましょう。



夜間の授乳回数はいつ頃から減っていく? 月齢別の対応のヒント


月齢によっては、しばらく夜間の授乳を続けたほうがよいこともあります。
個人差はありますが、授乳回数はいつ頃から減っていくのか、月齢別の対応のヒントを解説します。

生後0~1か月頃

胃のサイズが小さく1度に少量しか飲めない時期です。授乳に慣れるまでは授乳に時間がかかり、短い間隔で目を覚ますことは自然なことです。特に夕方から夜間に何度も飲みたがることもあり、夜中の授乳が必要な時期です。

生後2~4か月頃

体内時計を地球の24時間周期に合わせていくために生活リズムを整えていきましょう。ほとんどの場合、寝かしつけてから早朝までに数回の授乳が必要です。授乳間隔を〇時間おきと決めつけず、空腹のタイミングで飲ませましょう。

生後5~11か月頃

日中に栄養と水分を十分にとれるようになると、夜間の授乳回数が減っていく時期です。夜中に何度も目を覚ますのは、必ずしも空腹が理由とは限りません。眠いのに眠れないため寝言のように泣くことがあります。

泣くたびに空腹と思い先回りして授乳をして寝かしつけると、おっぱいや哺乳瓶をくわえないと眠れない習慣がついてしまいます。成長が順調であれば、しばらく夜間の授乳を続けながら、生活リズムや寝かしつけの方法も見直しましょう。

1歳以降

栄養のほとんどを離乳食でまかなえるようになり、体力もついて、日中の活動量(運動量)と睡眠の関係が強くなる時期です。
生活リズムが乱れたり、授乳による寝かしつけが習慣になっていると、夜中に何度も目を覚ますことがあります。夜間にまとめて眠る習慣をつけるために、生活リズムや寝かしつけの方法を見直しましょう。



夜間の授乳をやめたいと思ったら


赤ちゃんにとって必要な母乳やミルクの量は減らさないように気を付けながら、夜間の授乳の回数・間隔・方法を見直しましょう。

夜間の母乳の回数を減らす方法

乳房の張りが気にならなければ、夜間におっぱいを与えない時間帯を設定しましょう(部分的卒乳)。授乳間隔があき、乳房に張りやしこりを感じたときは、圧抜き程度に搾乳が必要なこともあります。赤ちゃんがよく眠るようになっていれば、起こさずに搾乳するだけでもよいです。

搾乳が難しい場合は、赤ちゃんを起こして圧抜き程度に授乳しましょう。また、乳腺炎の症状(乳房の赤み・痛み・熱感および38.5度以上の発熱)が起きたときの相談先を確認しておきましょう。

夜間の母乳の回数を減らすときの注意点

母乳を与えている場合、授乳間隔が6時間以上あくことが何度も続くと、母乳の作られる量が減ったり、排卵が起きて月経が再開したりなどママの身体に変化をもたらします。
夜間の授乳がなくなるとママの睡眠時間を確保できますが、母乳育児を少しでも長く続けたい場合は、夜中の授乳を続けたほうがよいこともあります。

夜間のミルクの回数を減らす方法

1日に飲むミルクの合計量が大幅に減らないように量や回数を調整しましょう。毎回必ず同じ量を飲み干さないといけないわけではありません。1日あたりに必要な量のほとんどを日中に飲めていれば、夜も昼間と同じ授乳間隔でミルクを与える必要はありません。

夜間のミルクの回数を減らすときの注意点

ミルクだけで育つ場合、月齢の早い時期から夜間に長く眠りがちな赤ちゃんもいます。1度に飲める量が少ない時期に回数を減らすと、1日あたりで必要な栄養やエネルギーが不足することがあります。

赤ちゃんが欲しがるタイミングに欲しがる量を基本として、たとえば、日付の変わる前後に授乳して、次は朝方に授乳するなど、夜間の授乳間隔があきすぎないように気を付けましょう。1日に必要な量を飲めていて、日中は元気に過ごし成長が順調であれば、夜中に起こしてまで授乳する必要はありません。



夜間の授乳の負担を減らす工夫


寝かしつけた後や授乳を終えた後は、なるべく親もすぐに眠りましょう。他のことを済ませてから寝ようとすると、そのタイミングに赤ちゃんが目覚めることがよくあります。1回でも「起こされた」と感じないようにするだけでも負担は軽くなるはずです。

夜間の授乳が必要な時期は、ママとパパのどちらかへお世話の負担が偏らないように協力し合いましょう。ママの睡眠時間を確保するために授乳回数を減らしたいのであれば、他の家族が代わりに搾乳やミルクで授乳するのも対応のひとつです。月齢がすすめば、おっぱいによる寝かしつけはいらなくなるので、授乳以外で寝かしつける方法を探っていきましょう。

昼も夜もママがひとりでお世話する場合は、赤ちゃんと同じタイミングで昼寝したり、産後ケアや一時預かりなど産後に使えるサービスを利用してリフレッシュする時間を作りましょう。睡眠不足が続くと、注意力や判断力が低下しやすく、気持ちが不安定になりやすいです。ひとりで抱え込まないで頼れるものには頼りましょう。

夜間の授乳回数はやがて減っていきます

赤ちゃんは成長すると、夜間の授乳を必要としなくなる時期がやってきます。なぜ必要としなくなるのか、どんなことに気を付けたらよいかを知っておくことは、ママとパパの睡眠時間を確保するためにも大切です。夜間の授乳について悩むときは、お住まいの地域の小児科や授乳について相談できる外来、保健センターの保健師・助産師へ相談してくださいね。

【参考文献】
母乳育児支援スタンダード第2版 NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会  医学書院 2015 厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023


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