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【助産師監修】モロー反射はいつまで続く?原因と対処方法を解説

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赤ちゃんは成長する過程で、さまざまな刺激に反応して、無意識に手足を動かすことがあります。
特に、生まれて間もない赤ちゃんは、突然ビクッと両手と両腕を広げる動きをみせることがあり、「これはいつまで続くの?」と不安に思うママやパパもいるかもしれません。
今回は、その動きの正体である「モロー反射」について解説します。

この記事のもくじ

モロー反射とは?


赤ちゃんがびっくりしたように両腕を伸ばし、両手を大きく開いた後、続いて抱きつくように手足を縮める動きをモロー反射(Moro reflex)と呼びます。
抱っこの前後で姿勢が変化したときや、音・光・風・温度など周囲の環境から刺激を受けたときにみられます。


モロー反射がみられる時期


生まれてすぐの新生児期からみられ、首が座り頭を支えられるようになる生後4〜6か月頃には消失します。
早く生まれた赤ちゃんや小さく生まれた赤ちゃんの場合、正期産(妊娠37週以降の出産)で生まれた赤ちゃんと比べると、筋肉の緊張が弱いために、反射が消失するまで時間がかかることがあります。

モロー反射は正常な反射

モロー反射は、最初に提唱した小児科医の名前に由来してモロー反射と呼ばれ、赤ちゃんに生まれつき備わっている正常な反射の1つです。
医師や助産師などが、出生直後や乳児健診などの診察の際にチェックする項目の1つでもあります。


なぜ、モロー反射はある?


生まれたばかりの赤ちゃんは、脳や神経系が発達していく途中の段階にあり、さまざまな刺激へ無意識に反応したり、自発的に手足を動かすことがあります。

ママのお腹の中では、重力の影響は少なく、羊水にプカプカ浮かび、頭や手足を自由に動かしていました。
そのため、生まれて間もない時期は、重力に打ち勝って頭や身体を自由に動かせるほどの力はまだ備わっておらず、姿勢が不安定になると、危険を察知したことをきっかけに瞬時に反応します。
ベビーバスを使って沐浴をする際に、お湯の中で身体が浮いて不安定になると、モロー反射がみられることもよくあります。

生まれて間もない赤ちゃんは、視力よりも聴覚のほうが発達しているため、音に敏感です。
特に生後3〜4か月頃までは、視界はぼんやりとしているため、ママやパパの存在を声や音を頼りに認識することもあります。
そのため、ちょっとした生活音にも瞬時に反応して、モロー反射がみられることがあります。

モロー反射は原始反射の1つです


モロー反射のように、赤ちゃんがママのお腹の外の世界に適応していくため、無意識かつ本能的に特定の筋肉などを動かす現象を、原始反射と呼びます。
赤ちゃんの脳や神経系が発達して、自分の動きをうまくコントロールできるようになると、原始反射は消失していきます。


なぜ原始反射が起こるのか


なぜ原始反射が起こるのか、本当の理由については、未だに医学的に解明されていない部分はありますが、寝返り、お座り、立つ、歩くという発達が進む過程で、赤ちゃんの動きのパターンとして欠かせないものです。

赤ちゃんに重大な病気など医学的な理由がある場合は、モロー反射が出現すべき時期にまったくみられないことや、生後6か月を過ぎても消失せずにみられることがあります。
出生直後や乳児健診などの診察で順調と判断されていれば、特に心配はありません。

原始反射がはっきりと現れないことも

赤ちゃんが眠いときや満腹のときは、原始反射がはっきりと現れないこともあります。
原始反射は、医師や助産師などの専門家がチェックするものです。
ママやパパがインターネットやSNSの情報を頼って、正常か否か判断をする必要はありません。
誤った情報と判断に振り回されないためにも、赤ちゃんの発達が気になるときは、小児科へ受診して相談しましょう。


モロー反射が激しいと感じたときは?


ママやパパとしては、赤ちゃんのモロー反射に慣れるまでは心配になるかもしれません。
モロー反射は、本能的な自然な反射なので、意識的に抑える必要はありません。
ただし、どうしても気になる場合は、以下のような対応を試してみてくださいね。


モロー反射の誘因(音・光・風)を最小限に環境を整える


授乳や着替え、おむつ交換の際は、モロー反射の誘因となる音・光・風・温度などの刺激を最小限に、静かな環境で行いましょう。

寝かしつけの際にモロー反射が起こりやすい場合は、赤ちゃんが自分で入眠できるように環境を整えることも大切です。
完全に眠るまで抱っこしたり、揺らし続けたりするのではなく、ウトウトし始めたタイミングで寝具に寝かせたまま、身体にふれる、トントンするなど抱っこ以外の方法であやすことを繰り返しましょう。

また、抱っこで寝かしつけて、寝具へ抱き下ろすときは、なるべく赤ちゃんを抱き寄せたまま下ろし、赤ちゃんの身体全体が寝具にふれたタイミングで離しましょう。
赤ちゃんの頭が後方へ傾いたときに、モロー反射は起こりやすいため、赤ちゃんの身体の傾きを、なるべく水平にキープしたまま抱き下ろすのがコツです。

赤ちゃんの眠りが浅いことは自然なことで、眠りが深くなったときに身体を無意識に動かして、自ら覚醒を促す反射は生きていくのにとても重要です。
泣き始めても最低数分間、できれば15分間ほどは再び抱っこはせず、見守りましょう。


おくるみやスリーパーを使う


おくるみで温度や風など外界からの刺激から守られると、包まれる圧迫感で落ち着く赤ちゃんもいます。
ただし、モロー反射を抑えることを目的に、全身を包んできつく巻く方法は、股関節が脱臼する原因となります。
また、赤ちゃんの身体を無理に丸める姿勢は、必要以上に首を曲げ、気道をふさぎ、呼吸が苦しくなり、窒息する危険性があります。
授乳クッションのくぼみの部分に寝かせて、姿勢を固定するのも窒息の原因となるのでやめましょう。

おくるみをする場合は上半身にだけ巻いて、赤ちゃんの自然な姿勢(両腕はW字型、両脚はM字型)を妨げないように気を付けましょう。
おくるみをした状態で、寝返りをすると元の姿勢に戻りにくいため、寝返りするような動きがみられるようになったら、おくるみの使用はやめましょう。
おくるみの代わりに、手足を自由に動かせるスリーパーを使うとよいでしょう。



モロー反射が気になるときはその理由を考えよう


赤ちゃんがモロー反射をきっかけに目を覚ましたり、泣き始めたように感じるママやパパは少なくありません。
しかし、モロー反射は、姿勢の変化や周囲からの刺激に対する自然な反応にすぎません。

モロー反射が起きても、見守ることが大切です。
赤ちゃんが眠らなかったり、泣いたりする場合は、まずは、解決できそうな原因(空腹やおむつ交換など)があるか確認して対応しましょう。

もし、赤ちゃんの眠りが浅い or 機嫌が悪い理由を、モロー反射のせいだと感じることがあれば、それはお世話をする大人の不安や疲れがピークに達していることが原因かもしれません。
「睡眠不足で余裕がない」「寝かしつけて家事や仕事を片付けたい」「発達に不利な影響があるのでは?と不安を感じる」など、期待通りに赤ちゃんが反応してくれないことに悩む理由はほかにあるはずです。
そのときは、モロー反射を抑える方法を探るのではなく、悩む理由とその解決方法を考えましょう。


心配な場合は健診などで専門家に相談しましょう


モロー反射は、生まれて間もない赤ちゃんに起こる原始反射の1つで、成長するにつれて消失します。
自然に起こる本能的な反射なので、起こらないように意識的に抑えるものではありません。
モロー反射について、どうしても気になる場合は、小児科を受診して相談してくださいね。

監修【助産師:古谷 真紀(ふるや まき)】

自治体や企業等と連携した産前産後ケア事業担当を歴任後、妊娠中から産後のママパパ&赤ちゃんのための講座運営や相談事業に従事している。

【参考文献】
・儀間 裕貴;大城 昌平(編). 子どもの感覚運動機能の発達と支援 改訂第2版.メジカルビュー社 2023
・久佐賀 晃;松石 豊次郎. Q29原始反射はなぜおこるの?. 周産期医学31(7) 2001. 949‐951
・赤ちゃんの股関節脱臼ー正しい知識と早期発見のためにー 日本小児整形外科学会(2024年5月閲覧)


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