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【助産師監修】新生児の期間はいつまで?新生児期の赤ちゃんの特徴と合わせて解説

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ママのお腹の中から外の世界へ出てきたばかりの新生児は、身体に大きな変化が起こります。胎内とはまったく違う新しい環境へ慣れていけるようにママとパパからのサポートはとても大切です。

今回は、あっという間に過ぎてしまいがちな新生児期がいつまでなのか、育児が始まったばかりのママとパパが気にしがちな新生児の特徴と合わせて解説します。

この記事のもくじ

この記事を監修いただいたのは…
助産師:古谷 真紀(ふるや まき)さん

自治体や企業等と連携した産前産後ケア事業担当を歴任後、妊娠中から産後のママパパ&赤ちゃんのための講座運営や相談事業に従事している。

新生児期の生後日数の数え方

生まれた週数に関係なく、生まれた日を生後0日として、生後28日未満の赤ちゃんを「新生児」と呼びます。つまり、生後0〜27日にあたる4週間が「新生児期」です。
ちなみに、新生児を含む1歳未満の赤ちゃんを「乳児」と呼び、1歳の誕生日を迎える前日までが「乳児期」です。

一方で、出生届の提出や日本古来の伝統行事(お七夜、お宮参りなど)は、生まれた日を生後1日目と数える方法が用いられます。
出生届は生まれた日を含めて14日以内(国外で生まれた場合は3か月以内)の提出が必要なので注意しましょう(戸籍法第49条)。



新生児期は生後0か月です


新生児期を過ぎると、生まれてからの期間を月単位で数える暦月齢で表すのが一般的です。生まれた翌月の同じ日に1か月が経過したとみなします。そのため、生後1か月に満たない新生児期は生後0か月と表します。

たとえば、8月1日に生まれた赤ちゃんは、翌月の同じ日となる9月1日に生後1か月を迎えたと考えます。
翌月に生まれた日と同じ日が存在しない場合は、翌月の最終日に生後1か月が経過したとみなします。たとえば、1月31日に生まれた赤ちゃんは、2月28日 or 29日に生後1か月を迎えたと考えます。

早産で生まれた赤ちゃんの成長や発達については、暦月齢ではなく、出産予定日から数えた修正月齢でみていきます。

法律上での月齢や年齢の数え方

ここまで説明した通り、赤ちゃんが生まれた日を生後0日目、生まれた月を生後0か月、生まれた年を0歳と数えるのが基本であり、一般的な数え方です。

もう少し詳しく説明すると、日本の法律(民法第143条)では、月末に生まれたケースへの配慮で、生まれた日と同じ日の前日24時に月齢や年齢が繰り上がるというルールがあります。

先の例でいうと、8月1日に生まれた赤ちゃんは、8月31日24時に生後1か月に達したとみなされるため、9月1日は生後1か月となります。また、1月31日に生まれた赤ちゃんは、2月の最終日の前日24時に生後1か月に達したとみなされるため、2月末日に生後1か月となります。

健診や予防接種、産休と育休の申請などは、法律上のルールに従った数え方を使います。「生まれた日と同じ日の前日24時」と「生まれた日と同じ日の0時」は同じタイミングなので、生まれた日と同じ日に達したら月齢や年齢が繰り上がるという認識で間違いではありませんが、月末や2月29日に生まれた場合は、法律上での月齢や年齢の数え方を参考にしてください。



生まれてすぐの新生児の特徴は?


生まれて間もない新生児の身体には、劇的な変化が起こります。ここでは、新生児期の最初の1週間ほどで起こる変化についてまとめました。

新生児の頭

経腟分娩で産まれた場合、産道を通るため頭の形がたて長になりますが、生後間もなくすると自然に元へ戻ります。

頭のてっぺんにあるひし形のすき間で、やわらかくペコペコした部位を大泉門と呼びます。これは骨や脳の成長に備えたもので、1歳6か月頃までに閉じていきます。

新生児の肌

生後数日経つと皮膚が乾燥して、ポロポロと剥がれ落ちることがありますが、沐浴の後に保湿をするうちに自然ときれいになります。

肝機能が未熟なため、生後2〜3日頃から皮膚や粘膜が黄色っぽく見える生理的黄疸が起こりますが、生後1〜2週間程度で消えます。

背中やおしり部分にある青いあざを蒙古斑といいます。黄色人種にふつうにみられるもので、手足にみられることもあります。成長に伴い自然に消えていきます。

へその緒

子宮内で赤ちゃんがママから酸素や栄養を運んでもらっていたへその緒は、乾燥して生後5〜10日頃までに自然にとれます。出べそになっても、ほとんどの場合は成長に伴い自然に治ります。

新生児月経・おりもの

女の子の場合、生後間もない時期に、膣から赤い分泌物やおりものがみられることがあります。母親からのホルモンの影響によるもので心配はありません。

新生児期の赤ちゃんに起こりやすい症状や現象は?

新生児期は、ママとパパにとって、赤ちゃんのちょっとした反応やしぐさについても心配なことが多い時期かもしれません。
ここでは、生後1か月頃までにママとパパが気にしがちな赤ちゃんの症状や現象について解説します。

泣く

赤ちゃんは、空腹やおむつが濡れたなどの不快感を言葉や動きで伝える代わりに泣いて伝えようとします。その一方で、生後2週間頃から明確な理由がなく、すぐに泣き止まないことがありますが、これはどの赤ちゃんの成長過程にも起こる自然な現象です。

しゃっくり

授乳の後にしゃっくりが出ることがありますが、生理的に起こりやすい現象です。

吐き戻し

授乳の後に、胃から逆流したり、飲みすぎによって起こる現象です。飲んだ量の一部を吐くことが多く、吐いたものは透明の色か白っぽい色で、吐く量は飲んだ量よりも少なく、回数も飲んだ回数よりも少ないのが一般的です。

手足が冷たい

体温を調節する機能が未熟なため、周りの温度に左右されやすいです。手足の先が冷たくなるのはふつうのことで、お腹や背中など身体の中心部分が温かければ心配ありません。

笑う

新生児期は、反射的に表情筋がゆるみ微笑むことがあります。視覚や聴覚、触覚が発達の途中にあるため、あやしたり、くすぐっても笑いません。しかし、痛みを感じたときにしかめっ面をしたり、リラックスしているときに微笑んだりするため、感情によって表情が変化することもあるかもしれません。



視線が合いにくい


新生児は、明暗がわかり明るいほうへ視線を向けることがあります。視力は0.02〜0.05でぼんやりと見えている状態で、神経発達は未完成なため、新生児期は視線が定まらない、動くものを視線で追わない、瞬時にまばたきをしないのがふつうです。

目やに

涙の通り道となる鼻涙管が塞がったり、まつ毛による刺激を受けて目やにが出ることがあります。ぬるま湯に浸したガーゼで優しく拭き取りましょう。

くしゃみ

温度や湿度の変化、鼻水などが刺激となって出ることがあります。寒いかもと気になるかもしれませんが心配いりません。

鼻づまり

鼻腔が狭いため、フガフガと音が聞こえることがあります。鼻くそが自然に出てくるのを待ちましょう。鼻の穴付近にある鼻くそは除去してあげてよいですが、鼻の奥までほじる必要はありません。

腕を上げたまま寝る

仰向けの姿勢で顔を向けた側の手足は伸び、反対側の手足を曲げ、まるで弓矢を引いているような姿勢やバンザイの姿勢で寝ることがあります。これは、神経が発達する過程にみられる反射によるもので、新生児期にみられる特徴的な姿勢です。



気になることは専門家へ相談しましょう


新生児期は、ママとパパが子育てに慣れるまで負担を感じやすい時期です。2週間健診や1か月健診のタイミングで、赤ちゃんについて気になることを相談しましょう。

また、多くの自治体で、保健師や助産師が自宅へ訪問する新生児訪問を実施しています。これは、ママと赤ちゃんに関する相談や情報提供などをするためのものです。
赤ちゃんが生まれたら、専用はがきやWEB申請など自治体に指定された方法で、お住まいの自治体へ訪問の申込みをしましょう。

【参考文献】
仁志田 博司編 新生児学入門 第5版 医学書院 2018


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