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【助産師監修】新生児期の赤ちゃんのげっぷ。うまく出ないときの対処方法などを解説 !

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赤ちゃんのげっぷを促してもなかなか出ず、出るまで抱っこしていると疲れを感じてしまうことは、多くのママやパパが一度は経験します。特に、新生児期の赤ちゃんは、げっぷが出にくかったり、出すのに時間がかかったりするのはよくあることです。今回は、赤ちゃんのげっぷを促す理由とうまく出ないときの対応についてご紹介します。

この記事のもくじ

この記事を監修いただいたのは…
助産師:古谷 真紀(ふるや まき)さん

自治体や企業等と連携した産前産後ケア事業担当を歴任後、妊娠中から産後のママパパ&赤ちゃんのための講座運営や相談事業に従事している。

赤ちゃんにげっぷをさせる理由は?

赤ちゃんのげっぷを促すことは、授乳中の子育てにおいて大切な習慣のひとつです。
赤ちゃんが授乳のときや泣いたときに飲み込んだ空気は、通常、口からげっぷとして出て、残りはおならとして排出されます。

自然に自分でげっぷができる赤ちゃんもいれば、少し手助けが必要な赤ちゃんもいます。
お腹の中に溜まった余分な空気は、身体の外へ排出されないと不快感や痛みを引き起こすことがあります。赤ちゃんのげっぷが出るように手助けをすることは、赤ちゃんの不快感や痛みを和らげるだけでなく、吐き戻しを防ぐのにも役立ちます。

赤ちゃんのげっぷと吐き戻し

生まれたばかりの赤ちゃんの胃は、大人と違い、食道と胃の境目にくびれがなく、とっくりに似た縦型です。胃の入口部分の筋肉が緩いため、飲み込んだ空気を、口からげっぷとして出しやすくなっていますが、母乳やミルクが逆流しやすいため、吐き戻すことがよくあります。吐き戻した母乳やミルクがのどに詰まって窒息するのを防ぐため、げっぷを出しやすくする手助けは必要です。

赤ちゃんが少し吐き戻すのは、必ずしもげっぷが出ていないからというわけではありません。
げっぷを出さないと、すぐに吐き戻しや窒息を引き起こすかのような誤った情報が広まっていることがあります。情報の解釈には十分に注意しましょう。

げっぷをさせるタイミングや回数は?

赤ちゃんにげっぷを促すタイミングや回数に特別なルールはありません。授乳中や授乳後にすぐげっぷをする子もいれば、授乳した後にしばらく時間が経ってからげっぷを出す子もいます。大きなげっぷを1回することでスッキリする子もいれば、少しずつ数回に分けて出す子もいます。

月齢が進み、飲む時間が長くなったり、飲む量が増えてきたら、授乳の途中で一度げっぷを促してあげると、赤ちゃんが余分な空気を溜めこむのを防ぐことができます。
赤ちゃんは、授乳のとき以外でもげっぷをしたくて、泣いたり不機嫌になることもあるので、げっぷを出す手助けをしたほうがよいときもあります。

赤ちゃんのげっぷを促す方法は?

赤ちゃんの胃腸に空気が溜まる不快感を和らげるため、以下のような方法で、5分ほどげっぷを出す手助けをしましょう。ひとつ試してすぐに出ることもあれば、いくつか試すことで出ることもあります。また、げっぷと同時に吐き戻すことがあるので、あらかじめガーゼやタオルを用意しておきましょう。

縦抱きをする

赤ちゃんのあごを肩にのせて、縦抱きをします。片方の手で背中を軽くトントンとたたいたり、下から上へ優しくさすったりしましょう。たたくときは、手のひらを平らのままではなく、軽くカップ状にしたほうが優しいタッチになります。新生児の場合、背中をさすると反射的に背中を反らせることがあるので、姿勢が不安定になる場合は軽くたたく程度でよいです。赤ちゃんを肩にかついで、背中をバンバンと音を立てるようにたたく必要はありません。

太ももの上に座らせる



赤ちゃんを太ももの上に座らせ、片方の手であごと胸を支え、背中が丸まらないように姿勢を保ちます。このとき、喉元に圧をかけないように注意しましょう。
もう一方の手で背中を軽くトントンとたたいたり、下から上へ優しくさすったりしましょう。


太ももや腕の上にうつ伏せにする

赤ちゃんを太ももの上にうつ伏せにして、背中を軽くトントンとたたいたり、優しくさすったりします。
または、腕にまたがるようにうつ伏せにして、お腹や背中を優しくさすってもよいです。赤ちゃんをうつ伏せにするときは、口や鼻を塞ぐのを防ぐため、赤ちゃんの顔を横に向けましょう。また、落下させないように十分に注意しましょう。



赤ちゃんのげっぷを促すのはいつからいつまで必要?


新生児の胃の位置を支える靭帯は、ママのお腹の中にいたときのホルモンの影響で緩い構造になっています。胃からげっぷとして出なかった空気が腸へ移動して、胃を押し上げて、胃の位置にねじれが起き、さらにげっぷがスムーズに出づらくなることがあります。溜まった空気によってお腹全体が張ったり、不機嫌が続いたり、吐く量や回数が増えたり、おならの回数が多くなることがあります。

成長と共に自然と治っていくことが多いですが、少なくとも胃の位置が定まってくる生後3か月頃までは、げっぷが出るように促すことを習慣にしましょう。


飲み込む空気を減らす授乳のコツ

母乳をおっぱいから直接飲むときは、乳房と赤ちゃんの口が密着していれば、隙間がなく飲み込む空気の量は少ないため、授乳した後にわかりやすくゲップが出ないことがあります。

搾乳した母乳やミルクを哺乳瓶で飲むときは、余分な空気を飲み込むことを少しでも防ぐため、赤ちゃんを抱っこする姿勢と哺乳瓶の角度に気を付けましょう。

▼授乳のときの正しい姿勢とおっぱいや哺乳瓶のふくませ方はこちら




どうしてもげっぷが出ないときは?


通常、時間が経てば、お腹に溜まった空気は、赤ちゃんが自力でげっぷとして出したり、おならとして排出します。げっぷが出なくても焦る必要はありません。
どうしても気になる場合は、下記の方法を試してみましょう。

抱き下ろした後の姿勢を工夫する

げっぷが出たことが確認できないまま抱き下ろすときは、その後に吐き戻した場合に備えて、赤ちゃんが寝る姿勢を工夫しましょう。平らな寝具に仰向けにせず、丸めたバスタオルやクッションを挟んで角度をつけたり、赤ちゃん用の椅子(バウンサーなど)を使い、上半身を少し起こした姿勢で寝かせましょう。平らな寝具に寝かせる場合は、右側を下にして横向きに寝かせると、吐き戻す回数を減らすことができます。



おならを出せるように促す


赤ちゃんが泣き続ける、背中を反らせる、お腹側に足を引き込む、こぶしを握っているなどの様子がある場合は、お腹の中に空気が溜まり不快感が強くなっている可能性があります。赤ちゃんを仰向けに寝かせて、お腹を優しくマッサージしたり、自転車をこぐようなイメージで赤ちゃんの両足を交互に動かして、腸の動きを促してあげましょう。



授乳の後に毎回げっぷが出なくても大丈夫


赤ちゃんの機嫌がよく、お腹が張っていなければ、げっぷが出なくてもほとんどの場合は心配する必要はありません。成長と共に上手に自然とげっぷをするようになっていきます。
げっぷが出ずに、お腹が張ってきたり、吐く量や回数が増えてきたら小児科へ相談してくださいね。


【参考文献】
仁志田 博司新生児学入門第4版医学書院2012
Parenting Baby basics:How to burp your baby UNICEF(2025年1月閲覧)


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