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【助産師監修】母乳の正しいあげ方は? 新生児への授乳方法を解説

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授乳は赤ちゃんとの大切なコミュニケーションの一つ。とはいえ、無理な姿勢であげているとママは身体が痛くなり疲れてしまいます。
正しい姿勢とふくませ方を意識すると楽に授乳でき、赤ちゃんも飲みやすくなりますよ。

母乳のあげ方をはじめ、気になる授乳の頻度や赤ちゃんがおっぱいを欲しがるサインもお伝えします。

この記事のもくじ

この記事を監修いただいたのは…
助産師:古谷 真紀(ふるや まき)さん

妊娠中から産後のママパパ&赤ちゃんのための相談事業を中心に活動中。
一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダーとして、自治体や企業、団体と連携した産前産後ケア事業等を担当。
同協会が開設した訪問看護ステーションco-co-ro(東京都渋谷区)で、産前産後や子育て中のママのこころのケアを中心とした訪問看護にも従事。


いつから出るの? 母乳の仕組みを解説


母乳が作られる段階は3つに分かれます。
 

母乳が作られる3段階

  • ①妊娠中

たくさんのホルモンが乳腺に働きかけ、血液を原料に母乳を作る準備をします。
 

  • ②出産直後

ホルモンの複雑な働きかけによって乳腺は母乳を作り始めます。
 

  • ③産後

一般的に産後2~3日目になると母乳の量が増え、おっぱいの張りを感じやすくなるでしょう。
産後5日頃までは、黄色く少しとろみのある「初乳」が出ます。
初乳には生まれたての赤ちゃんに必要な栄養素や免疫物質が最も多く含まれています。
これ以降、母乳は少しずつ淡い黄色から白色へ変化します。
産後9日を過ぎる頃、乳房で作られる母乳の量は赤ちゃんが飲みとる量により決まります。
母乳を空っぽに近づくまで飲みとってもらうことで、徐々に量が増えるでしょう。
母乳分泌が安定し、赤ちゃんの飲みたい量とバランスが取れると、次第におっぱいは張らなくなります。
なるべく母乳で育てたい、母乳量を増やしたいという場合は、産後間もない時期からできるだけ赤ちゃんに吸ってもらうこと、搾乳することが重要です。
 



安定するまでは産後2週間ほどかかる


産後すぐから1日8回程度の授乳を続けていれば、母乳分泌は生後2週間を過ぎた頃から安定し始めます。
出産直後の数日間は、あまり出ていないように感じたり、授乳が思い通りいかないこともあるかもしれませんが、ママもほどほどに休息をとり、赤ちゃんの欲しがるときに欲しがるだけ授乳することが大切です。


新生児への授乳の頻度とタイミングは?



生まれたばかりの赤ちゃんの胃はとても小さく、少しずつしか飲めません。
1~2時間おきの頻回授乳になることもありますが、成長とともに飲む量は少しずつ増え、授乳間隔もあいていきます。
下記は、赤ちゃんの胃の大きさの目安です。

  • 生後24時間以内:約5ml さくらんぼ
  • 生後48~72時間:約25ml くるみ
  • 生後10日目:約60-80ml アプリコット
  • 生後1か月:約80-150ml Lサイズの卵

 
母乳分泌が安定し授乳間隔が落ち着くと、赤ちゃんの食欲と成長にスパートがかかる急成長期(生後2~3週間頃、6週間頃、3ヶ月頃)を迎え、母乳を飲む回数が急激に増えることがあります。
赤ちゃんがおっぱいを欲しがっているサインと、母乳量が心配なときは母乳が足りているサインを覚えて、授乳の頻度とタイミングの参考にしてみましょう。
 

おっぱいを欲しがっているサイン

おっぱいが欲しくて泣くのは「遅いよ!」の表現。
なるべくサインを見逃さないでくださいね。
空腹のサインを出さなかったり、眠りがちな赤ちゃんは、上半身を起こして声をかけたり、薄着にしたりおむつを換えたりして起こすと効果的。
 

  • おっぱいを吸うように口を動かす
  • おっぱいを吸うときのような音を立てる
  • 素早く目を動かす
  • 「ウー」「クー」「ハー」などささやくような声を出す
  • 手など口にとどくものを吸う

母乳が足りているサイン

母乳量が心配なときは、母乳が足りているサインを参考にしてください。
 

  • 1日8回かそれ以上飲んでいる
  • 薄黄色の尿が1日6回以上出ている
  • 1日3~8回の便をする(月齢が進んで便の回数が減るのは正常です)
  • 元気があり、肌の色や張りが健康的に見える
  • 授乳と授乳の間はほどほどに満足している様子
  • 体重が順調に増えている

 


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新生児の授乳回数・間隔は?


赤ちゃんとの生活が始まったママやパパにとって、母乳やミルクの量が十分に足りているかを判断するのは、なかなか難しいことがあります。
新生児期の赤ちゃんの特徴と、1日に必要な母乳やミルクの量に応じた授乳回数や授乳間隔について解説します。
 



母乳育児は授乳姿勢が大切


ママが楽であればどのような姿勢でもかまいませんが、赤ちゃんが飲みやすく、ママの身体にも負担の少ない授乳姿勢を心がけましょう。

横抱き


最も一般的な授乳スタイル。
赤ちゃんを乳房の高さで抱き、飲ませる側の肘で頭を、手でおしりを支えましょう。
赤ちゃんを引き寄せ、お腹同士が向き合うように密着させます。

赤ちゃんの頭と体が一直線になっていてねじれていないこと、ママも体がねじれておらず、前屈みでないことが大切。
必要に応じてクッションやバスタオルなどを使用し、ママの腕や背中を支えたり、赤ちゃんの高さを調整しましょう。
どの抱き方でも重要なポイントなので、覚えておいてくださいね。
 


写真のように赤ちゃんの顔だけが乳房を向き、頭と体がねじれてはNG
赤ちゃんを支えずに授乳クッションを支えたり、前屈みになりすぎないよう注意しましょう。
授乳クッションはママと赤ちゃんを密着させるサポートグッズで、赤ちゃんの姿勢をキープするものではありません。
上手に利用して楽に授乳できるように工夫しましょう。


交差横抱き


飲ませる側と反対の手で赤ちゃんの頭と体を支えるスタイルです。
授乳に慣れない時期は、力が入りすぎることも。
頭全体を強く押さえられると赤ちゃんは飲みづらいため、首のうしろを軽く支えましょう。


たて抱き


ママの太ももにまたがるように赤ちゃんを座らせ、頭と肩を支えて飲ませるスタイルです。
最初はママが少し前屈みになって乳首をふくませ、吸いついたらうしろに寄りかかってOK。

横抱きでは寝がちな赤ちゃん、小さく生まれた赤ちゃん、早く生まれた赤ちゃんも飲みやすい姿勢です。


フットボール抱き(脇抱き)


飲ませる側の手と腕で赤ちゃんの頭と体を支え、脇に抱えるような姿勢で飲ませるスタイル。
赤ちゃんの足はママの背中側に添わせます。
丸めたタオルやクッションを使い、楽な姿勢を整えましょう。

横抱きでは寝がちな赤ちゃん、小さく生まれたり早く生まれた赤ちゃん、おっぱいを深くくわえるのが苦手な赤ちゃんも飲みやすい姿勢です。
帝王切開術後の傷の痛みが気になる場合にも適しています。

たて抱きとフットボール抱きは、乳頭の傷や痛み、乳腺炎があり色々な角度から授乳したいときに役立ちます。


レイドバック式(リクライニング授乳)


クッションや丸めたタオル、枕などをママの頭や肩、腰のうしろに置いてゆったり寄りかかり、赤ちゃんをお腹の上にのせて飲ませる方法です。
ママはリラックスして授乳できます。

身体を休めつつ授乳できるため帝王切開術後にも適しています。
うしろへもたれることで母乳の流れ出るスピードが緩まり、赤ちゃんがむせやすい場合や母乳分泌が多い場合におすすめです。


添い乳


ママと赤ちゃんが向い合い、横になって授乳する方法です。
ママと赤ちゃんの背中にクッションや枕、丸めたタオルをおいて支えたり、ママの膝の下にクッションを入れたりすると姿勢が安定します。

夜間授乳や頻回授乳に適した姿勢ですが、乳幼児突然死症候群(SIDS)や窒息を防ぐため、授乳後は赤ちゃんを仰向けにしてクッションなどを外してください。
そのまま一緒に寝続けないよう気をつけましょう。


工夫した授乳


授乳の際に、ママの腕、背中、腰などをクッションや枕、タオルで支えたり、足台を使って足の高さを調整したりすると、肩こりや腰痛の予防になります。
ママの服がずり落ちて赤ちゃんが飲みづらい場合は、ヘアゴムやヘアクリップで服を持ち上げましょう。
 

▼服を持ち上げてヘアゴムで固定する方法を紹介します。
 




おっぱいの正しいふくませ方


おっぱいのふくませ方も重要です。
赤ちゃんが正しく吸着できないと、十分に飲めないだけでなく、ママが痛みを感じることがあります。
 

乳首を「深く」くわえさせる


赤ちゃんの口が大きく開き、顎が乳房にふれている、そして下唇が外向きに開いていれば、おっぱいを深くくわえられているといえます。
 

乳頭の先だけ浅くくわえた状態はNG


赤ちゃんの口が大きく開いていない、乳首の先だけをくわえている、口唇が巻き込まれている、頬にえくぼができる、チェッチェッと舌打ちのような音がするときは、上手に飲めていない可能性があります。
口を大きく開け、顎が乳房にふれるようにふくませましょう。
 


 
授乳の基本は、赤ちゃん自らおっぱいを離すまで飲ませ、反対側も飲ませること。
片側だけで満腹になったら、次の授乳を反対の乳房で行えば大丈夫です。
ママから授乳を終わらせるときは、赤ちゃんの口の端から優しく指を入れ、おっぱいを吸わなくなってから離しましょう。


正しい授乳の仕方を覚えることが、乳腺炎の予防にもなる


正しい姿勢で上手におっぱいをふくませることで、乳頭の痛みや傷乳房の強い張りなどのトラブルを避けられ、乳腺炎の予防にもなります。

もし、乳頭痛がある、おっぱいが強く張っている、乳腺炎が起きたという場合には、授乳の姿勢とふくませ方を見直すことが大切です。
 



母乳育児のメリット


母乳は赤ちゃんにとって消化吸収しやすく、必要な栄養素はもちろん、免疫機構を強くするための多くの成分が含まれています。
また、生まれたての赤ちゃんを感染症から守る役割もあります。
ママにもメリットがあり、授乳の刺激で分泌されるオキシトシンというホルモンによって子宮の回復が促されます。


母乳のあげ方を知って授乳生活を楽しもう



赤ちゃんを母乳で育てようと思ったら、正しい姿勢とふくませ方を意識してくださいね。
もし授乳のあげ方で不安なことがあれば、一人で悩まず、出産した病院や保健センターの保健師・助産師へ相談しましょう。
 


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【参考文献】
・NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会編『母乳育児支援スタンダード 第2版』医学書院 2015
・水野克己『母乳育児支援講座 改訂2版』南山堂 2017

 
文:あまね
写真:松村宇洋(授乳姿勢の実演)
イラスト:Ryoko Ishiyama


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