赤ちゃんは体温調節の機能が未熟なため、大人が季節や気温に合わせて服装を調整してあげることが大切です。
この記事では、けいこ豊洲こどもクリニック院長の塚田佳子さん監修のもと、赤ちゃんの衣服の選び方を、気温や季節ごとに説明します。ポイントをおさえて赤ちゃんが快適に過ごせるようにしましょう。
この記事のもくじ
この記事を監修いただいたのは…
けいこ豊洲こどもクリニック院長:塚田佳子さん
小児科専門医、子どもの心相談医。けいこ豊洲こどもクリニック院長。
獨協医科大学医学部卒業。同大附属病院勤務等を経て2020年から現職。
2023年にはパークタワー勝どき小児科を開院。
2人の小学生男児の母として、日々、ママ目線で診察中。
気温に合わせた服装の選び方
赤ちゃんは体温調節の機能が未熟なうえに、暑さや寒さを言葉で伝えられません。
ママやパパが季節や気温に合わせた服装を選んであげましょう。
【最高気温10℃以下】あたたかいウール素材やアクリル素材を
最高気温10℃以下の時期は、寒くないように重ね着が基本です。
短肌着に長肌着を重ね、ツーウェイオールやカバーオールを組み合わせてください。
肌触りがよいウールやアクリルの素材を選ぶと、あたたかく過ごせます。
汗をかくとかえって体が冷えてしまうため、着せすぎには注意しましょう。
外出する際は、ダウンや中綿など風を通しにくいアウターがおすすめです。
着せるものによっては、ニット帽子やレギンス、靴下やレッグウォーマーなどの小物で防寒すると、頭や足元が冷えるのを防いでくれます。
【最高気温11~15℃】様子を見ながらブランケットや毛布で調整
最高気温が11~15℃になるのは春先や初冬です。この時期はあたたかい日や風が冷たい日など気温の変化が激しいため、重ね着で体温調節をしましょう。
短肌着とコンビ肌着の組み合わせに、冷えそうな日はツーウェイオールやカバーオールをその上に着せます。
肌寒いと感じる場合は、必要に応じてブランケットや毛布を足してください。
外出するときはアウター分を考慮して、中に着せる衣服を短肌着に長袖のロンパースを組み合わせるなどして体温調節しましょう。
【最高気温16~20℃】基本は薄着でOK!
最高気温が16~20℃になると日中は過ごしやすくなりますが、活発な赤ちゃんだと少し汗ばむことがあります。
薄着の格好で大丈夫ですが、赤ちゃんの様子を見ながら寒いと感じたら衣服を1枚追加してください。
室内では半袖や長袖の肌着にロンパースを組み合わせるとよいでしょう。
外出する際は室内より1枚多く着せ、短肌着と長肌着を重ねてロンパースを、もしくは短肌着にロンパースを着せて羽織りものをプラスします。
カーディガンやポンチョなどを準備しておくと、寒くなったときに使えて便利です。
【最高気温21~25℃】日差しがあるなら半袖ベビー服を
最高気温21~25℃の初夏の季節は、朝晩と日中では気温差があります。
21〜22℃くらいで過ごす場合は長袖のベビー服が、23~25℃くらいに気温が上昇し蒸し暑くなってきたら半袖がよいでしょう。
外出する際は、その日の気温や外出先で過ごす時間などを考えて衣服を選び、着替えを準備しておくと安心です。
さらに、薄手のおくるみや夏用のカーディガンがあると、紫外線対策や寒くなってきたときの羽織りものとして使えるため、便利でしょう。
【最高気温26℃以上】汗をかきやすいので、着替えも準備しよう!
赤ちゃんは汗をかきやすいため、最高気温が26℃以上になるときは涼しい衣服を選んで快適に過ごせるようにしましょう。
室内では長肌着やコンビ肌着、ロンパースなどを着せます。
素材は綿やガーゼ、パイルなど汗を吸い取ってくれる吸水性に優れたものを選んでください。
また、着替え用の衣服を準備しておき、汗をかいたら拭き取り着替えさせます。
外出する際は、短肌着に半袖のロンパースやショートオールを組み合わせたり、短肌着を着せずにロンパースを1枚だけで着せてもよいでしょう。
抱っこ紐でお出かけする際は、日除けフードやつばのついた帽子を被らせて直接日差しを受けないようにしてあげてください。
服装選びのポイント【冬】
赤ちゃんの冬場の服装は、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。
重ね着をして調節しよう!
寒い冬場は重ね着をして、防寒対策をしましょう。
薄手の服を何枚か重ねて着ることで、衣服との間に空気の層ができてあたたかく過ごせます。
また、重ね着は脱ぎ着をするだけで体温調節できるのも、うれしいポイント。
前開きや被せるタイプの中から、月齢に応じて着せやすいものを選びましょう。
靴下を履かせて外出しよう!
寒い季節に外出する際は、足元もあたたかくしてあげてください。
上半身はアウターを着用し防寒していても、足元が裸足のままでは体が冷えてしまうことがあります。
足元の寒さ対策は意外と忘れがちなため、靴下や靴を履かせて外出しましょう。
アウターや帽子などの小物で体温を調節しよう!
寒い季節は、ダウンや中綿の入ったアウター、ニット帽子などで、体温調節をしましょう。
外出する際は、抱っこ紐に取り付けられるポンチョや、ベビーカーに装着できるフットマフ、膝掛けなどを、必要に応じて準備してください。
着せすぎには注意しよう!
赤ちゃんが手足を活発に動かすようになる生後3〜4か月以降は、厚着をしなくて大丈夫です。
大人に合わせて服装を考えると、つい着せすぎてしまうことがありますが、大人よりも1枚少ない程度がよいでしょう。
赤ちゃんの頭の後ろがじっとりしていたり、背中に手を入れたときに汗をかいたりしている場合は、衣服を脱がして体温調節してください。
服装選びのポイント【夏】
赤ちゃんは汗っかきなため、夏に着せる服は綿素材で着脱しやすいものを選んであげましょう。
汗をよく吸う素材を選ぼう!
赤ちゃんは汗腺の機能が未熟で、とても汗っかきです。
着せる衣服の素材は、吸水性と通気性に優れたものがおすすめです。
汗をかいたままにしておくと冷えて体調を崩したり肌トラブルの原因になったりします。
特に直接肌に触れる肌着は、なるべく綿100%のものを選ぶようにしましょう。
脱ぎ着しやすい形を選ぼう!
衣服は月齢に応じて脱ぎ着しやすいものを選ぶことが大切です。
新生児〜生後3か月までの赤ちゃんは寝て過ごすことが多いため、ワンタッチタイプや前開きタイプのものがよいでしょう。
おすわりができるようになったら、頭から被るタイプがおすすめです。
肩ボタンがついたものは首周りが広くなるため、頭で引っかかることがなくさっと着せられます。
就寝時の服装選びと快適な温度は?
就寝時の服装選びと快適な温度は?
肌に優しい天然素材のものを選ぼう!
赤ちゃんが就寝時に着る衣服の素材は、綿やウールといった肌に優しい天然素材のものがおすすめです。
生後3か月くらいまでの赤ちゃんは、1日のほとんどを寝て過ごすため、パジャマの代わりに短肌着や長肌着、コンビ肌着などを組み合わせてください。
首がすわり日中の活動時間が増えてくるタイミングで、パジャマを着用するとよいでしょう。
赤ちゃんが快適と感じる室温にしよう!
赤ちゃんと過ごす室内は、春・夏の時期は25~28℃、秋・冬の時期は20~25℃を目安にし、赤ちゃんの様子を見ながら衣服や寝具で体温調節をしましょう。
室内外の温度差は5℃以内になるように心がけ、湿度は50〜60%くらいが理想的です。
夏場はエアコンや扇風機、冬場はオイルヒーターやファンヒーター、エアコンなどを使って室内の温度を調整しましょう。
そのほか汗をかいたらこまめに着替えさせ、肌寒いときは衣服を1枚重ねるなど、室内の状況に応じて衣服を調節することが大切です。
赤ちゃんの様子を見ながら、服装を調整しよう!
赤ちゃんには、季節や気温、月齢などに合わせて服装を選んであげましょう。夏場は吸水性に優れた衣服を選び、汗をかいたらこまめに着替えさせます。
冬場に外出する際は風を通しにくいアウターやポンチョなどを羽織らせ、ニット帽や靴下などの小物を使って防寒するとよいでしょう。また、就寝時に着る衣服や室内の温度設定にも気を配り、赤ちゃんが快適に過ごせるようにしてください。
文:misono