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【小児科医監修】赤ちゃんが寝るときのベストな服装は?温度調節のコツも解説

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赤ちゃんが寝るときの室温や服装は、大人と同じでよいのか迷うママやパパもいるのでは。赤ちゃんは布団をかけても寝返りで動いたり足で蹴飛ばしたりするため、寒くて風邪をひかないか心配になることも。この記事では、けいこ豊洲こどもクリニック院長の塚田佳子さん監修のもと、赤ちゃんが寝るときのおすすめの服装や温度調節のコツなどを紹介します。

この記事のもくじ

この記事を監修いただいたのは…
けいこ豊洲こどもクリニック院長:塚田佳子さん

小児科専門医、子どもの心相談医。けいこ豊洲こどもクリニック院長。
獨協医科大学医学部卒業。同大附属病院勤務等を経て2020年から現職。
2023年にはパークタワー勝どき小児科を開院。
2人の小学生男児の母として、日々、ママ目線で診察中。

【室温別】赤ちゃんが寝るときのベストな服装


赤ちゃんが寝るときの服装は、季節や室温などを考慮して選びましょう。

生後3か月くらいまでは寝て過ごすことが多いため、パジャマの代わりに短肌着や長肌着、コンビ肌着などを組み合わせてください。
首がすわり、日中の活動時間が増えてきたら、夜も上下が分かれたパジャマを着用するとよいでしょう。
寝る部屋の室温や赤ちゃんの状態を見ながら、状況に応じてスリーパーを羽織らせ調節してください。


冬|室温15℃~22℃の場合


赤ちゃんは体温調節機能が未熟で、大人よりも体温が高く汗っかきです。
厚着をさせると熱がこもって汗をかいてしまい、寝冷えや脱水症状をおこす場合があります。

基本、冬でも薄着で過ごし、寒い場合は重ね着をして調節しましょう。
冬の時期は短肌着に長肌着を重ね、ツーウェイオールやカバーオールなどの組み合わせがおすすめです。
パジャマの場合は、肌着に長袖長ズボンを組み合わせてください。
赤ちゃんは寝相が悪く布団を蹴っておなかを冷やしてしまうことがあるため、パジャマの上からスリーパーを羽織るとよいでしょう。

春・秋|室温23℃~28℃の場合

日中は暖かく過ごしやすいですが、夜は気温が下がって肌寒く感じることがあります。
短肌着にコンビ肌着やロンパース、もしくは肌着に薄手の長袖パジャマの組み合わせがよいでしょう。

室温によっては半袖のパジャマにスリーパーを組み合わせたり、半袖のパジャマを着せてエアコンで室内温度を調節したりします。
薄着で寝る場合はおなかを冷やさないように、ロンパース型のパジャマもおすすめです。
乳幼児〜幼児期までは体温が高めなため、室温が26℃以上で暖かい日は、短肌着や長肌着だけでよいこともあります。

夏|室温29℃以上の場合

室温が29℃以上の場合は、エアコンや扇風機などを使って室内の温度を下げましょう。
寝るときは長肌着やコンビ肌着、半袖のロンパースだけといった服装がおすすめです。

パジャマの場合は肌着に半袖と長ズボンを組み合わせ、状況に応じて腹巻きをするとよいでしょう。
寝ているあいだに汗をかいたら拭きとり、肌着が湿っていたら着替えさせてください。
素材は綿やガーゼ、パイル素材といった、通気性や吸水性に優れたものがおすすめです。

温度計・湿度計は赤ちゃんの近くに置くようにしましょう

同じ室内でも大人が過ごしている場所と赤ちゃんを寝かせている場所とでは、室温が異なることがあります。

温度計・湿度計を赤ちゃんのそばに置いて、その都度確認するようにしましょう。
冷暖房器具を使用する場合は、設定温度と温度計・湿度計の両方を見ながら、室温や赤ちゃんの状況に応じて着せる服装を選んでください。

【季節別】赤ちゃんが寝るときのベストな環境


赤ちゃんは寝ている時間が長いため、季節や温度、湿度などから総合的に判断し、睡眠環境を整えることが大切です。


夏|室温は25~28℃が目安


夏の時期、室内は25℃~28℃くらいが目安です。
エアコンや扇風機などを使用する場合は、外気温との差が5度以内になるようにします。

猛暑日が続くようなら、28℃以内を目安に室温を保ってください。
冷たい空気は下にたまりやすいため、サーキュレーターや扇風機などで空気を循環させると室内の温度が下がるでしょう。

冬|室温は20~23℃が目安

冬の時期、室内は20〜23℃くらいが目安です。
暖房器具を使用する場合は設定温度に注意し、室内が暑くなりすぎないようにしましょう。
個人差はあるものの、先述したように赤ちゃんは大人よりも体温が高めです。

大人がちょうどよく感じる、あるいは少し肌寒いと感じるくらいの室温にしてください。
あたためすぎると、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク要因になることがわかっています。
危険因子を取り除くためにも、あたためすぎに注意しましょう。

部屋の湿度は50〜60%くらいが目安

室温だけでなく湿度管理にも気を配りましょう。部屋の湿度は50~60%くらいが目安です。
梅雨の時期になるとカビやダニが発生しやすくなります。

冬の時期では鼻や喉の粘膜が乾燥してバリア機能が低下し、感染症にかかりやすくなる要因に。
快適に過ごすためにも湿度が高い場合はエアコンの除湿機能や除湿機を、低い場合は加湿器を使って寝室の湿度調節をしましょう。

寝ているときは部屋を暗くする

赤ちゃんが寝ているときは部屋を暗くしてください。
メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、体内時計に働きかけて眠りを誘う作用があるホルモンです。

おもに光によって調節されており、暗くなるとメラトニンの分泌が増加します。
夜に光の影響を強く受けると、体内時計が乱れてメラトニンの分泌が抑えられ、睡眠覚醒のリズムが乱れる原因になります。
寝室では明かりを消し授乳やミルク、おむつ替えのときだけ豆電球や手もとのライトをつけるとよいでしょう。

赤ちゃんの睡眠時に注意すること


赤ちゃんの就寝時に着せる服装や室内の温度、湿度のほかにも、注意することを紹介します。


枕やぬいぐるみ、やわらかい寝具は使用しない


赤ちゃんに使用する敷布団は、硬めのものを使用してください。
やわらかいと体が沈み込んで、横向きや寝返りをした際に窒息するおそれがあります。

枕も必要ありません。
布団の周りにはぬいぐるみやクッション、タオルなどを置かないようにしましょう。

コードやヒモ状のものを近くに置かない

赤ちゃんは寝ていてもよく動くため、目を離したすきに思いもよらない場所まで移動していることもあります。
床に布団を敷いて寝かせる場合は、コードは外してコンセントカバーをつける、もしくはベビーゲートで布団を囲むなどしてください。

ベビーベッドの場合はブラインドの近くにベッドを設置しないようにしましょう。
実際にブラインドのヒモが赤ちゃんの首に巻きついた、という事故が報告されています。
ベッドの周りにはコードやヒモなどを置かないことが大切です。

1歳までは仰向けで寝かしつける

こども家庭庁によると、赤ちゃんが1歳になるまでは仰向けに寝かせることが推奨されています(医学上の理由でうつぶせ寝をすすめられている場合を除く)。

窒息事故や乳幼児突然死症候群のリスクをさけるために、赤ちゃんが自分で寝返りができるようになるまでは、顔が見える仰向けに体勢を戻してください。
片方の寝返りしかできない、寝返り返りができない、などの場合も気づいたら仰向けに戻した方がよいでしょう。

高さのあるベッドの場合は転落防止策を考える

ベビーベッドは高さがあるため、使用する場合は必ず柵をあげてロックされているか確認しましょう。
お世話がしやすいからと柵を下げたままにしておくと、赤ちゃんが落下する可能性があり危険です。

成人用のベッドに寝かせる場合は、ベッドガードをつけ、できるだけそばに大人がついておくようにしてください。
ただし、ベッドガードの使用には安全基準が設けられており、1歳6か月未満の子どもには使用が禁止されています。
ベビーベッドやベビー布団で寝かせるようにしましょう。

赤ちゃんが眠りやすい環境を整えましょう

赤ちゃんが寝るときの服装は、通気性や吸水性に優れた肌にやさしい素材がおすすめです。季節や気温によって組み合わせを考え、重ね着で調節しましょう。
体温は平熱か、汗をかいていないか、泣いていないかなど、顔の表情や全身の状態をチェックしましょう。就寝時の室内の温度や湿度、寝具も適正かチェックしてください。大人の感覚では問題のないことも、赤ちゃん目線で考えてみると危険が潜んでいることがあります。赤ちゃんが気持ちよく眠れるように、寝室の環境を整えてあげてくださいね。

文:misono


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