赤ちゃんは生まれた瞬間から、抱っこされたりなでられたりすることに、とても喜びを感じています。
親子が肌と肌でふれあうスキンシップは、安心感と愛情を伝えるためのコミュニケーションの基本です。
今回は、ママとパパが赤ちゃんとの生活に慣れ始めた頃からできるベビーマッサージのやり方についてご紹介します。
この記事のもくじ
この記事を監修いただいたのは…
助産師:古谷 真紀(ふるや まき)さん
自治体や企業等と連携した産前産後ケア事業担当を歴任後、妊娠中から産後のママパパ&赤ちゃんのための講座運営や相談事業に従事している。
ベビーマッサージとは
赤ちゃんへのマッサージは、何世紀にも渡って世界中の多くの地域で行われています。
文化によって呼称や方法に違いはありますが、いわゆる「ベビーマッサージ」は、親が赤ちゃんに直接触れて行うスキンシップのひとつです。
日本国内で広まる「ベビーマッサージ」は、主に入院を必要としない赤ちゃんを対象としています。
さまざまな民間団体が独自の手法を提唱し、講師を育成するための研修制度を設けているため、呼称や手順は統一されていません。
そのため、いろいろな「ベビーマッサージ」が存在するように見えますが、実際には「ベビーマッサージ」という言葉は、親子のふれあいやスキンシップ全般を広く指しています。
ベビーマッサージの歴史
「ベビーマッサージ」という言葉が認知される以前の1980年代の日本では、新生児集中治療室(NICU)に入院中の赤ちゃんとその母親のふれあう方法を探し求めていました。
その頃、アメリカのマイアミ大学小児科学研究所のティファニー・フィールド博士が、生まれて間もない時期からのスキンシップの重要性を提唱し、NICUに入院中の赤ちゃんへのタッチセラピーが健康によい効果が得られたことを発表しました。
この科学的根拠のあるタッチセラピーは「タッチケア」として日本国内のNICUのケアに導入され、医療や保育の専門家によって子どもの医療的なケアや子育て支援の場で活用されています。
赤ちゃんへのマッサージの重要性は、一般的にわかりやすい「ベビーマッサージ」という呼び方とともに、世間でも広く知られるようになりました。
ベビーマッサージが赤ちゃんにもたらす効果
肌と肌のふれあい、いわゆるスキンシップをすることで、私たちの脳はオキシトシンというホルモンを作り出します。
オキシトシンは、親子の信頼感や愛情を育てる大切な働きをもち、ストレスの反応を和らげ、幸福感を高めることにも関係しています。
また、オキシトシンは、前向きな気持ちやリラックスを感じるために必要なホルモンであるセロトニンの分泌を助けます。
オキシトシンとセロトニンが相互に作用することで、不安や恐れの感情をうまくコントロールすることが可能になり、心がより穏やかになって、ストレスに強くなることができます。
オキシトシンは、親しい人とのスキンシップによって大人でも分泌されます。つまり、このようなふれあいは、親子の愛情を深めるためにとても大切なものでもあります。
自宅でできる!ベビーマッサージのやり方
ここでは、ママとパパが赤ちゃんの身体の扱いに慣れた頃から始められるベビーマッサージの簡単な手順をご紹介します。
なお、ベビーマッサージをするときは、赤ちゃんは服を着たままでも、裸でもどちらでもOKです。
安全にベビーマッサージを行うための注意点
ベビーマッサージを行う際は、以下の点に注意しましょう。
- 赤ちゃんが空腹のとき、満腹のとき、眠っているとき、泣いたり嫌がったりするとき、予防接種を受けてから24時間以内にマッサージすることは避けましょう。
- 赤ちゃんが特別なケアを受けている場合はベビーマッサージの可否について必ず担当医へ相談しましょう。
ベビーマッサージの手順
①足のマッサージ
・片手で赤ちゃんの足首を支え、反対側の手で赤ちゃんの足の付け根から足首まで外側を優しくなでおろします。
・足首を支える手を替えて、次は足の内側を優しくなでおろします。左右行いましょう。
④おしりのマッサージ
・片側のかかとをおなかに近づけるように自然な角度に曲げ、片手で軽く支えます。
・反対側の手で、おしりの仙骨部分に円を描くようにさすります。※左右行いましょう。
③おなかのマッサージ
・赤ちゃんのおなかの上に優しく手のひらを置きます。
・おへそを中心とした時計回りに、優しく円を描くように手を動かします。
④胸のマッサージ
・赤ちゃんの胸の中央に両手を置き、ハートを描くように肩から胸へ手を動かします。
⑤顔のマッサージ
・赤ちゃんのおでこの中央に指先を置き、顔の輪郭にそってほほ、あごの順に優しくすべらせます。
⑥背中のマッサージ
・カップ状に軽く丸めた両手で肩から腰に向けて優しくリズミカルに触れます。
・背中全体を優しくなでるだけでもOKです。
⑦おわりのマッサージ
・おでこ→肩→腕→足→つま先まで、優しくなでおろします。
ベビーマッサージに関するよくある質問
Q.ベビーマッサージはいつから始める?
必ずしもオイルを使用する必要はありません。
ふれあいを目的にしたベビーマッサージは、オイルがなくても十分に楽しめます。
もしオイルを使用したい場合は、赤ちゃんが匂いに敏感なことを考慮して、無臭の植物由来のオイル(例 ホホバオイル)を選ぶとよいでしょう。
食物由来のオイル(例 ごま、アーモンド、ピーナッツなど)は、食物アレルギーの原因になる可能性があるので使用を避けたほうが安心です。
Q.赤ちゃんに触れるとき気を付けたほうがよい部位はありますか?
赤ちゃんの頭のてっぺんにあるやわらかい部分は、髪の毛を洗うなど普段のケアで触れても大丈夫ですが、直接強く押すことは避けましょう。
この部位は大泉門と呼び、頭の骨が完全にくっついておらず、代わりに厚い膜が脳を保護しています。
大泉門があることによって、生まれるときは狭い産道をスムーズに通れたり、生まれた後は脳の急激な成長に合わせて脳を圧迫しない頭の形やサイズへ変化させていくことができます。
大泉門は生後1歳から1歳6か月頃に閉じることが多く、遅くても2歳頃までに閉じるのが一般的です。
Q.どのくらいの頻度で赤ちゃんへマッサージをすればよいですか?
回数や時間に特に決まりはありません。赤ちゃんにストレスを与えないために1回あたり20分以上続けることは避けたほうがよいです。
おむつ交換のタイミングやお風呂のあと、そして夜の就寝前など毎日の習慣に取り入れてみましょう。
赤ちゃんがリラックスした状態で、目を覚ましているタイミングが適しています。
赤ちゃんが空腹または満腹を極端に感じているときは避けましょう。授乳を終えたあとは、少なくとも30分は空けることをおすすめします。
また、もし赤ちゃんがぐずった場合は、すぐにマッサージを中止しましょう。
Q.ベビーマッサージ教室へ習いに行くべきですか?
ベビーマッサージは、必ずしも誰かに教わる必要はありません。
抱っこ、おでこや頭をなでること、背中をトントンすること、お風呂後のスキンケアも、赤ちゃんにとって大切なスキンシップであり、その応用としてベビーマッサージがあります。
もしベビーマッサージを学びたい場合は、信頼できる人や団体を選ぶことが重要です。
身近な人の意見やインターネットの口コミを参考にするのもよいですが、居住地の自治体が開催している講座を検討してみましょう。
高額な受講料を要求したり、アロマオイルなどの物品購入を強く勧める講師や団体には注意しましょう。
Q.ベビーマッサージをすれば必ずよい効果が得られますか?
国内外の研究によれば、赤ちゃんにマッサージを行うことは、身体的および精神的な成長を助ける効果があることがわかっています。
しかし、赤ちゃんによってマッサージを好む子もいれば、そうでない子もいます。
また、ベビーマッサージがあらゆる問題を解決するかのように伝える講師や団体もいますが、すべてが科学的に証明されているわけではありません。
ベビーマッサージが親子のコミュニケーションの手助けになることは確かですが、親が直面する育児の悩みをすべて解決する魔法ではないことを理解することが大切です。
親子でベビーマッサージを楽しもう
ベビーマッサージは、ママやパパが赤ちゃんに直接触れて行うスキンシップのひとつです。
赤ちゃんへマッサージすることで親と赤ちゃんの絆がさらに深まり、コミュニケーションがより豊かになります。
ぜひ、日々の生活の中にベビーマッサージを取り入れて、特別な時間を楽しんでください。
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【参考文献】
The Benefits of Baby Massage American Academy of Pediatrics(2026年2月閲覧)
Rebecca Mrljak, et al. Effects of Infant Massage: A Systematic Review Int J Environ Res Public Health 2022 May 24;19(11):6378

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