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【助産師監修】卒乳・断乳のやり方とタイミング。母乳を求められたときの工夫も解説!

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母乳育児をやめようと考えると気になり始める「卒乳」と「断乳」。

どんな風に進めたらいいのかやり方がわからなかったり、試したものの上手くいかなかったりすることもあるでしょう。
今回は、母乳をやめるタイミングと、母乳をやめようとしているときの工夫について解説します。

この記事のもくじ

この記事を監修いただいたのは…
助産師:古谷 真紀(ふるや まき)さん

自治体や企業等と連携した産前産後ケア事業担当を歴任後、妊娠中から産後のママパパ&赤ちゃんのための講座運営や相談事業に従事している。

卒乳とは?断乳とは?

赤ちゃんがおっぱいを飲まなくなることを「乳離れ」と言います。赤ちゃんの意思に任せて自然に母乳育児をやめる「卒乳」と、母親の意思で計画的に母乳育児をやめる「断乳」は、どちらも「乳離れ」を指す言葉です。

現在の祖父母世代までは、母親側から母乳を断つことを示す「断乳」という言葉が使われていました。

今のママパパ世代に向けて、公的機関や授乳に詳しい専門家が乳離れについて伝えるときは、栄養や感染予防に加え、心理的な満足感を含む母乳からの自立を示す「卒乳」という言葉を使うことが一般的になっています。

【こちらの記事も確認しておきましょう♪】
卒乳のタイミングはいつ?

母乳をやめるタイミングと方法は?

親子で「もうやめてもいいかな」と思える時期が来たら、そのときが母乳をやめるタイミングです。

赤ちゃんの成長からみると、一般的には、1歳から1歳6か月の間に食事から必要な栄養がしっかりと摂れるようになり、卒乳のタイミングを迎える親子が多いです。

授乳や離乳食の段階に関係なく、親子に理由があって母乳をやめようと思ったときは断乳のタイミングです。

赤ちゃんが栄養のほとんどを母乳やミルクから摂っている時期は、母乳をミルクへ切り替えます。

離乳食を進めている時期は、母乳をミルクへ切り替えるだけでなく、離乳食の量や回数を段階的に調整しながら卒乳を目指します。

1歳以降は母乳を単なる栄養源としてだけではなく、気持ちで欲しがることもあるので他に注意が向かうように助ける必要があります。

親子で母乳をやめるタイミングを考えるときは、赤ちゃんが母乳をどのくらい必要としている時期なのかを確認しましょう。



母乳をやめようと考える理由は?



母乳をやめようと考える理由によっては、すぐに卒乳や断乳を決断しなくてもよいことがあります。

ママが母乳をやめたいと思っているのか、周囲からのプレッシャーなのか、間違った情報による思い込みなのかを一旦整理しましょう。

ここでは、多くのママが母乳をやめようと考える理由と冷静に考えるためのヒントをお話しします。


赤ちゃんが生後6か月未満のとき


■赤ちゃんが満足する量の母乳が出ない

本当に母乳の量が足りないのか、それとも足りないと感じているだけかのどちらかの可能性があります。
母乳の量と赤ちゃんの体重について助産師などの専門家へ相談しましょう。

■上手く吸ってくれない/おっぱいを吸われると痛い

授乳の姿勢(抱き方、ポジショニング)おっぱいへの吸着(含ませ方、ラッチオン)を見直すと改善できる場合があります。

具体的な方法については助産師などの専門家へ相談しましょう。

■赤ちゃんが母乳を飲まない/授乳に興味を示さない

赤ちゃんが周囲の音や光に興味を持ち、気を引かれているのかもしれません。
授乳に集中できる環境を整えましょう。

■母乳を与えるときに気分が悪くなる/気分が沈む

おっぱいを吸われるたびに、ママの気分が沈んだり、イライラしたり、気分が悪くなったりする場合は、D-MER(ディーマー:不快性射乳反射)と呼ばれる生理的現象かもしれません。

症状を和らげるために産婦人科医や助産師などの専門家へ相談しましょう。

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赤ちゃんが生後6か月以上生後1歳未満のとき


■赤ちゃんにおっぱいを噛まれて痛い

おっぱいを深くくわえていれば、舌の位置が歯ぐきよりも前にくるので噛まれないはずです。

もしスパウトやストローを噛みながら飲む癖がついている場合は使用を中止してコップを使います。
ママの注意を引こうと噛むときは、遊びにならないように噛んだら終了にしましょう。

■赤ちゃんが母乳を拒む

赤ちゃんが突然授乳を拒否するときは、哺乳ストライキ(哺乳拒否、ナーシングストライキ)かもしれません。

鼻づまりや歯が生えたことがきっかけになることもありますが、日常の変化(引越し、復職、託児利用、化粧品や洗剤の匂いなど)に赤ちゃんが反応していることもあります。

一時的に起こることが多いので、無理やり飲ませずにスキンシップを増やして見守りましょう。

■離乳食が進まない/母乳以外で栄養を摂らせたい

母乳をやめても食べる量が増えるとは限りません。

授乳と離乳食のバランスについては、小児科医や居住地の保健センターの栄養士・保健師・助産師へ相談しましょう。

赤ちゃんが生後1歳以上のとき

■むし歯が心配

母乳がむし歯の原因になると誤解されがちですが、母乳だけが原因でむし歯になることはありません。

しかし、口腔内に母乳が長時間残るとむし歯の原因となる細菌が活動しやすくなります。
授乳の後は、お口の中を軽くガーゼで拭いたり歯磨きをしてむし歯を予防しましょう。

■母乳の栄養がなくなるのではと心配

1年以上授乳を続けていても、母乳中の栄養は豊富でなくなることはありません。

病気に対する免疫物質も含まれていることが研究で明らかになっています。

■自然に卒乳しそうにない/自立しない

赤ちゃんが安全基地である「おっぱい」から離れたがらないのは正常な反応です。

母乳育児の期間と自立の早さは関係ないので、焦らず卒乳を目指しましょう。

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月齢や年齢に関係なく母乳をやめようと考えるとき


■ママが風邪をひいた/ママが薬を飲む

ママが風邪をひいても基本的に母乳をやめる必要はありません。

また、通常の診療で処方されるほとんどの薬は母乳をやめる必要がないことが多いです。
授乳と薬に詳しい医師や助産師、薬剤師に相談しながら対応を決めましょう。

■母乳育児を負担に感じる/母乳よりもミルクで育てたい

母乳よりもミルクで育てるほうが負担が軽いかのような印象を持つかもしれませんが、授乳に関係なく、子育てそのものが大変であり、赤ちゃんの要求に応じる必要がある状況は変わりません。

ママだけに負担が偏らないように、パパや周囲の人と話し合いましょう。

■母乳育児が大変/夜泣きがつらい

母乳をやめるだけでは解決できないかもしれません。
子育ての負担を家族で話し合って解決策を考えること、ママが休息できる時間を確保することが重要です。

■次の妊娠を考えている/妊娠をした

頻回な授乳は排卵を抑制する効果があります。

次の妊娠を考える場合は、授乳の回数を減らしていく必要があるでしょう。

また、妊娠中に授乳を続けることは可能です。母乳育児は妊娠経過や胎児の発育に影響しないことは研究で明らかになっています。

過去に早産などの経験がある場合や不妊治療を受ける場合は医師へ相談しましょう。

■仕事復帰する/保育園に入園する

赤ちゃんがどのくらい母乳を必要としている時期なのかを軸に、やめるタイミングと方法を考えましょう。
居住地の保健センターの保健師や助産師、入園先の保育士へ相談しましょう。

■周りの人にやめるように言われた

周りの人から母乳をやめるように言われたことだけを理由に、そのまま受け入れる必要はありません。

自分の子育て経験をもとに、他の人の母乳育児に批判的な人はいます。また、自分と違う子育てに嫉妬したり、自分の経験こそが最善だと信じている人もいます。

心配してくれている相手と意見が合わないときは、多くの意見の1つとして受け流し、他の人の意見も聞いてみましょう。

子どもから母乳を求められたときの工夫


母乳をやめると決めてからおっぱいを求められたときの工夫について解説します。


どこでいつ授乳するかを約束する


おっぱいを求めてきたときは、自宅や外出先の授乳室など場所を限定して授乳しましょう。

1歳を過ぎて言葉を理解できるようになったら「〇〇で授乳しよう」と少し先の約束をします。
子どもが忘れていたとしても、約束通りに授乳をすることで、待つことや約束を守ることを学んでいきます。一般的に3歳以上になれば、約束を交わすことを理解できるようになります。

親子で話し合ってやめる約束をしましょう。

授乳の時間を短くする

2歳以上であれば「10を数える間だけだよ。1、2、3…」と数えておっぱいを吸う時間を短く区切ると、母乳をやめるきっかけとして効果的です。

外出時はお気に入りのもので気をそらす

外出時や授乳を控えたい場所へ行くときは、母乳の代わりになる飲み物やおやつ、おもちゃなどお気に入りのものを持っていきましょう。

普段から親子の触れ合いを心がけて、気持ちが授乳以外のことに向かうようにサポートすることが大切です。

授乳を連想させない

おっぱいが欲しくなると、ママをいつも授乳している場所へ連れて行こうとする子がいます。

授乳の回数を減らしたいときは、いつも授乳している場所へ座らない、授乳を連想させるクッションや授乳ケープなどは隠しましょう。

おっぱいを「差し出さず拒まず」

おっぱいを求められたときは拒まずに授乳して、欲しがっていないときはママから「おっぱいは?」と誘わないようにしましょう。

母乳をいつやめるかは母親と赤ちゃんが決めること


母乳をやめるタイミングに悩んだり、母乳をやめようと思っても上手くいかないときは、直接会って話せる専門家に頼りましょう。

居住地の産婦人科や母乳外来などの授乳について相談できる外来、助産院、乳腺専門のクリニックなどへぜひ相談してください。



【参考文献】
・母乳育児支援スタンダード第3版 NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会  医学書院 2025
・授乳・離乳の支援ガイド 実践の手引き(2019年改訂版)第2版 公益社団法人母子衛生研究会 2021
・Nancy Mohrbacher Breastfeeding Answers: A Guide for Helping Families 2nd Nancy Mohrbacher Solutions, Inc 2020


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