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【栄養士監修】妊婦が食べてはいけないもの 摂取量の目安も紹介!

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妊娠すると、食事内容について、いつも以上に気になるのではないでしょうか。
今回は、妊婦が避けるべきもの、摂取量に制限があるのはどんなものか、また摂取目安などを紹介します。

この記事のもくじ

出産後、子どもが食べてはいけないものは?



他にも妊娠中の準備を紹介しています♪




妊娠中に食べてはいけないものには何がある?


妊娠中には、食事に注意が必要な食品があります。
不完全に加熱された肉や魚の製品、ナチュラルチーズなどは感染や食中毒のリスクがあるため、摂取しないほうが無難です。
また、摂取量に気を付けなければいけない食品もあります。魚は、水銀の含有量に応じて摂取制限がある場合があります。
また、レバーやうなぎなどに含まれるビタミンA、コーヒーに多く含まれるカフェインなども、摂取の目安量があり、摂り過ぎには注意が必要です。

食べてはいけない食べ物・飲み物

NGな食べ物・飲み物として、「肉・魚のパテ、生ハム、スモークサーモンやナチュラルチーズ、生肉など加熱が不十分な食品」や「アルコール」があります。

肉・魚のパテ、生ハム、スモークサーモンやナチュラルチーズ、生肉など加熱が不十分な食品

肉・魚のパテ、生ハム、スモークサーモンや、無殺菌のナチュラルチーズなど、十分な加熱処理がされていない食品には食中毒の原因となる細菌の「リステリア」が含まれます。
妊娠中は、微量のリステリアでも感染し、敗血症や髄膜炎などの重篤な状態(リステリア感染症)に陥る可能性があり、海外では死亡例も報告されています。
また、リステリアが胎盤や胎児に感染し、流産や新生児に影響を及ぼす可能性があります。

リステリアは冷蔵庫内でも増殖する可能性があるため、冷蔵庫に頼りすぎず、以下の対策を心がけることが重要です。

  • 生野菜や果物などは食べる前によく洗う。
  • 食品は期限内に摂るように心がける。
  • 開封後は、期限に関係なく速やかに消費する。
  • 冷蔵庫を過信しない。
  • 食品を冷凍庫で保存することも検討する。
  • 食材を加熱してから摂ることを心掛ける。

また、生肉や加熱が不十分な肉は「トキソプラズマ」に感染するリスクもあります。
妊娠中に母親が初めてトキソプラズマに感染し、胎盤を通して胎児が感染すると先天性トキソプラズマ症を発症することがあるのです。
主な症状は、目、脳、肝機能の障害などで、重症化すると流産や死産の危険もあります。
感染源となるのは、レアステーキ、ユッケ、馬刺し、鶏刺し、生ハム、サラミなどです。

リステリアやトキソプラズマは加熱により死滅するため、加熱調理は感染対策になります。

アルコール

妊娠中にお酒を摂取すると、それが胎盤を通じて胎児の血液に入り込み、様々な悪影響を引き起こす可能性があります。
胎児や乳児に対して、アルコールが低体重、形態異常、脳障害などを引き起こすリスクを高めます。
これらは「胎児性アルコール・スペクトラム障害」と呼ばれています。
これらに対する特効薬は存在せず、唯一の対策は「妊娠中に飲酒しないこと」です。
わずかな量のお酒でも影響を及ぼす可能性があるため、妊娠に気が付いた女性はアルコールを飲んではいけません。

“量”に注意が必要な食べ物・飲み物


量に気を付ければ食べられる食べ物や飲み物もあります。
ここでは「レバーなどビタミンAの多い食材」「マグロなど大型の魚介類」「カフェイン」を紹介します。

レバーなどビタミンAの多い食材

ビタミンAは体内で必要な栄養素ではありますが、過剰な摂取は胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に胎盤が未完成でママが食べたものの影響を受けやすい妊娠初期には注意しましょう。
妊娠を計画している場合、レバーやうなぎなどのビタミンAを多く含む食材や、サプリメントの摂取について医師と相談し、ビタミンAの大量摂取を避けてください。

マグロなど大型の魚介類

大型の魚介類は食物連鎖によって水銀量が濃縮され、体内に蓄積された水銀の量が比較的多いものが存在します。
胎児は母体から取り込んだ水銀を体外に排出することが難しいため、妊娠中に高水銀含有量の魚介類を過剰に摂取しないよう注意しましょう。
これまでの研究から、過度に多くの魚を摂取するなど、極端な食事のパターンが胎児の発育不良となる可能性が示唆されています。

カフェイン

カフェインを過剰に摂取すると、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気など、健康への悪影響が生じる可能性があります。
英国食品基準庁(FSA)は、妊娠した女性に対して、カフェイン摂取が過剰だと赤ちゃんの出生時の低体重リスクや、将来の健康リスクが高まる可能性があると指摘しています。

摂取量の目安を紹介!

では、どれくらいの量なら摂取しても大丈夫なのでしょうか。
以下に目安量を紹介します。

レバー

厚生労働省は、妊娠期を含む成人女性のビタミンAの耐容上限量を1日あたり2,700 µg RAEとしています。
例えば、鶏レバーや豚レバーには100 g当たりおよそ14,000 µg RAEのビタミンAが含まれており、焼き鳥のレバー2/3本を食べると約2,800 µg RAEのビタミンAを摂取することになります。
これでは1日あたりの耐容上限量を超えてしまいますね。
しかし、耐容上限量というのは、毎日この量を摂取してもリスクがない量とされており、一度だけ食べ過ぎてもすぐに危険というわけではありません。
気づかずに多く摂取してしまった場合でも、過度に心配せず、次からはビタミンAを控えめに摂るように心がけましょう。

マグロなど大型の魚介類

食物連鎖の上位に位置する大型の魚介類には、水銀が多く含まれることがあります。
妊娠中に過度に水銀を摂取すると、胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性があるため、大型の魚介類を摂りすぎないようにしましょう。

1週間に1切れ(約80g)までが目安のもの

キンメダイ・ツチクジラ・メカジキ・クロマグロ (本マグロ)・メバチ(メバチマグロ)・エッチュウバイガイ・マッコウクジラ

1週間に2切れ(約160g)までが目安のもの

キダイ・マカジキ・ユメカサゴ・ミナミマグロ(インドマグロ)・ヨシキリザメ・イシイルカ

カフェイン

世界保健機関(WHO)は、妊娠中の女性に対して、お茶、ココア、コーラタイプの飲料は、ほぼ同程度のカフェイン含有量で、コーヒーはその約2倍のカフェインを含むことを指摘し、カフェイン摂取を1日に300mg(コーヒーを3~4 杯)までに制限するよう呼びかけています。
また、欧州食品安全機関や英国食品基準庁(FSA)では、1日200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)までと、さらに厳しい基準を設けています。
 

健康に悪影響のないカフェイン摂取量の目安の例



1日当たりの
健康に悪影響のない最大摂取量
機関名
妊婦 300 mg/日 世界保健機関(WHO)
300 mg/日 カナダ保健省
200 mg/日 欧州食品安全機関
200 mg/日 英国食品基準庁(FSA)

妊娠中の食事には気を付けましょう

妊娠中の食事で注意が必要なものを紹介しました。
アルコールはもちろん、生肉、加熱処理が不十分な肉や魚、ナチュラルチーズなど感染や食中毒のリスクがある食品は避けましょう。
また、水銀を多く含む大型の魚介類や、ビタミンA、カフェインの摂取量にも制限があります。
胎児の健康な発育のため、妊娠中は摂取量に気を付けていきましょう。

管理栄養士・ライター:おおすかさとみ

食べることが大好きな2児のママライターです。以前は病院で栄養指導などの栄養管理を行っていました。
特定保健指導も経験しながら、栄養・食事についてわかりやすく伝えていきます。



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