小学生にとってお正月のおたのしみと言えば、お年玉でしょう。しかし、お年玉を渡す大人は「ほかの子に比べてうちの子は少なくないか?」「甥や姪にはいくらぐらい渡せばよいのか?」など悩むものです。
この記事では、小学生や各年代に渡すお年玉の相場を紹介します。また、お年玉のマナーや現金以外の渡し方についても解説しますので参考にしてください。
この記事のもくじ
小学生の学年ごとの相場をチェックしよう!
小学生と言っても1年生から6年生まで6学年あり、年齢も7歳から12歳までと幅広いです。ここでは、住信SBIネット銀行が行った「お年玉に関する意識調査 2021」のデータを参考に、小学生のお年玉の相場を1〜3年生の低学年と、4〜6年生の高学年に分けて紹介します。
【小学1~3年生】低学年 1,000~3,000円程度
小学校低学年に渡すお年玉の相場は、1,000円〜3,000円程度です。小学校低学年の子どもは、まだお金の価値を理解したり自分で管理したりすることが難しいため、あまり高額にならないよう配慮する人が多い傾向です。
また、わが子に高額のお年玉を渡すことで友だちと差が生まれ、トラブルのきっかけになることを心配するママやパパもいます。
【小学4~6年生】高学年 3,000~5,000円程度
小学校高学年のお年玉の相場は、3,000円〜5,000円程度です。高学年になるとお金の価値がわかるようになり、金額を考えて欲しいものを決めたり貯金したり、自分で使い道を決められるようにもなってきます。そのため低学年に比べて金額が上がりますが、急に増額するのではなく1学年上がるごとに金額を少しずつ上げる人が多いようです。
ほかの年代のお年玉の相場は?
小学生以外の年代のお年玉の相場について、同じく「お年玉に関する意識調査 2021」のデータを参考に、【小学生未満】【中学生・高校生】【大学生・専門学校】の3つに分けて紹介します。
【小学生未満】1,000円以下
小学生未満(0〜6歳)の子どもにあげるお年玉の相場は、1,000円以下です。 小学生未満の子どもはまだ自分でお金の管理をすることが難しいため、少ない金額を渡す人が多い傾向が見られます。お年玉として、おもちゃや絵本など現金以外のものを渡す人も多いようです。
【中学生・高校生】5,000~10,000円程度
中学生と高校生の相場は5,000円を超え、5,000円から10,000円程度と幅が広くなります。これは中学1年生から高校3年生までは、小学校と同じ6歳の差があるからではありません。
中学生と高校生を別々に見てみるとどちらも5,000円から10,000円が相場となっており、金額はまちまちです。割合は少ないですが、10,000円以上あげる人や5,000円未満の人もいます。
【大学生・専門学校】5,000~30,000円以内
大学生や専門学校生のお年玉の相場はさらに幅が広くなり、5,000円から30,000円以内となります。30,000円以上あげる人は少ないですが、中には50,000円以上あげる人もいます。
参考:住信SBIネット銀行「お年玉に関する意識調査 2021」
お年玉を渡すときのマナー!
ここでは、お年玉を渡すときの主なマナーを3つ紹介します。
①ポチ袋にしっかり入れよう!
お年玉はポチ袋に入れて渡すのが一般的です。中には中身だけを渡す人もいますが、お年玉は普段のお小遣いとは違う特別なものなので、しっかりとポチ袋に入れて渡しましょう。ポチ袋に入れる際の注意点は、ポチ袋と紙幣の向きを揃えて入れることと、四つ折りは縁起が悪いため紙幣を三つ折りか二つ折りにして入れることです。
②ポチ袋に名前を書いておこう!
ポチ袋の表に渡す子どもの名前、裏にはお年玉をあげる大人の名前を記入するのがマナーです。
お正月はママやパパ、おじいちゃんとおばあちゃん、親戚など複数の大人からお年玉をもらうことがあるため、無記名だと誰からもらったのかわからなくなります。そして子どもが感謝の気持ちを忘れないようにするためにも、名前を書いて渡しましょう。
③大人のいる場で渡そう!
子どもがお年玉をもらったことを忘れたり失くしたりすることを防ぐために、大人がいる場で渡すことも大切です。せっかくあげたお年玉が原因で、後でトラブルにならないように配慮しましょう。
わが子がお年玉をもらったときのマナー!
お年玉はあげる側だけではなく、もらう側にもマナーがあります。次の3つのマナーを、大人が子どもにしっかりと伝えましょう。
①きちんとお礼を言うこと
お年玉をもらったらきちんとお礼を言うことが大切です。お年玉に限らず日頃から人から何かをもらったり、してもらったりしたときは、お礼を言うことの大切さを子どもが理解できるよう話しましょう。親が見ていないときに子どもがお年玉をもらうこともありますが、親からもきちんとお礼が言えるよう、お年玉をもらったらママやパパに伝えるように言っておくことも必要です。
②その場でポチ袋を開けないこと
誕生日プレゼントやおみやげなどを受け取った際はその場で開けることもありますが、お年玉はその場で開けないのがマナーです。子どもは中身の金額が気になるためすぐに開けたがるものですが、お年玉はその場で開けないよう事前に伝えておきましょう。
③お金の管理や使い道を考えること
お年玉をきっかけに、お金の大切さや使い方などを学ぶ金銭教育を行いましょう。
子どもが小さいうちはママやパパがお年玉を管理することが必要ですが、お金についてわかる年齢になったらお金の管理のしかたを教えたり、使い道を親子で話し合ったりすることをおすすめします。お金の価値を理解し、無駄遣いせず大切に使うことが身に付くよい機会です。
現金以外のお年玉のあげ方は?
お年玉を現金以外のものであげる人もいます。特に離れた相手にお年玉を渡す際には、便利な方法です。現金以外のお年玉の主なあげ方を2つ紹介します。
図書カードや金券類
昔から現金以外のお年玉としてよく使われているのは、図書カードや金券類です。図書カードは本だけではなく文房具にも使えるため、お年玉以外にも子どもへの贈り物としてよく使われています。
金券類はネットショッピングやさまざまなお店で使えるギフト券や商品券、映画の鑑賞券など種類が豊富なので、贈る相手の興味があるものや年齢などに合わせて選ぶことが可能です。
キャッシュレス決済での送金
キャッシュレス化が進む現代では、キャッシュレス決済で送金する方法も増えています。コード決済は、お年玉の金額が高くなる高校生や大学生など上の世代に渡すときや現金が足りないときに便利で、送金手続きも簡単です。また、クレジットカードが作れない学生には非常に喜ばれるでしょう。
お年玉を子どもがお金について考えるよい機会にしましょう!
年賀状を送る人が少なくなったり昔ながらのお正月遊びを楽しむ人が減ったりなど、お正月の風習は時代の変化とともに変わりつつあります。その中で、お年玉は昔から変わらず今も続いている風習のひとつです。お年玉の受け渡しの際に、子どもがお金について考えたり感謝の気持ちを伝えることの大切さに気付いたりできる機会にしましょう。
ライター:西須洋文
勤務経験30年以上の元男性保育士です。
現在はWebライターとして、保育士や子育ての経験を活かして子育てや保育記事を中心に、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。
そのほか、音楽教育であるリトミック講師などフリーランスとして活動中。