
音読は多くの小学校で宿題にされていて、馴染みのあるママやパパも多いはず。しかし、なぜ音読が宿題になるくらい重要視されているのか知らないママやパパも多いのではないでしょうか。
実は、音読で高い学習効果が得られると言われています。この記事では、音読のメリット、朗読や黙読との違い、音読をより効果的に行うためにママやパパができることについてご紹介します。
音読の意義を知ることで、音読のメリットをより効果的に引き出すことができるはずです。
この記事のもくじ
音読で得られるメリット
音読で得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
①語彙力・文章力が向上する
音読の1つ目のメリットは、語彙力や文章力の向上に役立つ点です。
音読するときには、言葉の読み方や文の切れ目、意味のまとまりなどを無意識のうちに考えます。そのため毎日音読することで、語彙力や文章力がアップしやすくなります。
また、声に出すことで読めない漢字や知らない言葉に気づき、調べるきっかけにもなるため、語彙の増加、表現力の向上に役立つのです。
②脳が活性化される
音読の2つ目のメリットは脳が活性化することです。
音読をすると、「目」「口」「耳」と複数の器官が刺激されます。そのことで脳の前頭前野が刺激され、脳の活性化につながります。実際に、黙読しているときと比べて、音読しているときの方が脳の広い領域が活動しているという実験結果もあります。
毎日音読することで、活性化の効果はさらに高まります。
③読解力・コミュニケーション力が身につく
音読の3つ目のメリットは、読解力やコミュニケーション力が身につく点です。
音読によって刺激される脳の前頭前野は、コミュニケーション能力にも深く関係しています。
音読で語彙力・文章力が伸びれば、自ずと何が書いてあるか読み解く力がアップし、相手の言いたいことを理解しやすくなり、どう話せば相手に伝わりやすいのかも意識しやすくなります。
同時に、毎日の音読で声を出すことに慣れれば滑舌がよくなったり、話すことに抵抗がなくなったりもするでしょう。
④集中力が鍛えられる
音読の4つ目のメリットは、集中力が鍛えられることです。
多くの部位を使って学習することで集中力が高まると言われています。音読中は脳のさまざまな部分を使うので、他のことを考えている余裕がなくなり、集中した状態が続きます。毎日の音読は、集中力を鍛えることにもつながるのです。
音読・朗読・黙読の違い
「音読」「朗読」「黙読」。どれもよく聞く言葉ですが、何が違うのでしょうか。
音読とは、「声に出して読むこと」です。それに対して朗読は「人に聞かせるために声に出して読む」という意味で用いられます。
つまり、同じ声に出して読むのでも音読と朗読では目的が違うのです。自分の理解の助けとするために音声化するのが音読、他人に聞かせるために音声化するのが朗読です。
一方、黙読は声に出さずに黙って読むことを指します。
私たちが本を読んでその内容を理解するとき、音読→朗読→黙読とステップアップしていきます。わたしたちは言葉を理解するときに「音」から多くの情報を得ています。幼いうちの黙読は、「何の字が書いてあるか」は理解できても、「どんな内容のことが書いてあるか」は理解できていないケースも少なくありません。
まずは音読することが、文章理解への大きなステップになるのです。
小学校の宿題に音読が出る理由
学校によっては卒業まで毎日宿題に音読が出るところもあります。なぜ多くの学校で音読が宿題にされるのでしょうか。
声をしっかり出せるようにするため
音読の宿題をするとき、まずは宿題チェックをするママやパパに届く大きさの声で読むことを意識するでしょう。きちんと相手に聞こえるように意識して読めば、声をしっかり出せるようになります。
また、音読に慣れてくると、声の大きさだけでなく意味のまとまりや、どの言葉が重要なのか、聞き取りやすいスピードで読めているかなどを意識できるようになります。これらは、相手に伝わるように話す練習にもつながります。
内容をしっかり理解するため
書かれている内容をきちんと理解するうえでも音読が重要であることは、前の章でもお伝えした通りです。毎日の宿題を通して何度も繰り返し音読すれば、その分書いてある内容の理解も深まります。
黙読の練習
成長していく過程で、いずれは黙読でも文章の内容を理解ができるようにならなくてはなりません。
とは言っても突然に黙読ができるようになるわけではなく、音読→声に出さずに心の中で読む→黙読、の手順で黙読に進んでいきます。毎日音読の宿題をしていれば、子どもの頭の中で音と意味が結びつく言葉が増えていき、スムーズに黙読へ移行できます。
音読の宿題で親ができるサポート
音読の宿題にも大きな意義があることがわかりました。では、音読の宿題の効果をより高めるためにママやパパは何ができるでしょうか。
手を止めて音読を聞く
音読は、「ながら聞き」ではなく手を止めて聞きましょう。音読の宿題は「聞く」だけなので、ご飯の支度をしながら、下の子のお世話をしながらでも聞けます。
しかし、今している作業の手を一旦止めて音読する子どもだけに向き合いましょう。音読の宿題はそこまで時間のかかるものではありません。ママやパパが音読の宿題のために時間を取り、きちんと向き合えば、子どもも「きちんと宿題に取り組まなくては」「大きな声で読まなくては」という気持ちになりやすく、音読の効果もアップします。
スムーズに読めなくても叱らない
音読の宿題を聞くときには、スムーズに読めなくても叱らないようにしましょう。
新しい単元の話や、慣れない単語がたくさん出てくる文章だと、つかえてしまうこともあるでしょう。そこで「違うよ」「また引っかかった」などと口にしてしまうと、子どもに音読に対する苦手意識を植えつけてしまうおそれがあります。
温かい気持ちで見守り、スムーズに読めたときにはほめましょう。
音読した内容について質問をする
音読した内容について質問するのもおすすめです。
「どうして〇〇はこんな行動をしたんだと思う?」などと質問を投げかけることによって、子どもが音読した文章の内容をきちんと理解しているか確認できます。
声かけや感想を伝える
特に質問をしなくても、「上手に読めたね」「面白いお話だったね」と声かけをしたり、感想を伝えたりするだけでも、きちんと聞いていたことが子どもに伝わります。前向きな感想をもらうと子どもは嬉しいもの。積極的に声がけをしていきましょう。
音読の時間を有意義なものにしましょう!
「何の意味があるの?」と思われがちな音読ですが、たくさんのメリットがあることがわかりました。
音読で身につく力は、これから先の学習の土台になるものです。せっかく音読の宿題をするのなら、きちんと取り組んで効果を引き出したいもの。そのためには、ママやパパの協力が不可欠です。きちんと音読の宿題に向き合い、子どもの力を伸ばすサポートをしましょう。
ライター:サカイケイコ
3児の母。おかあさんだからって好きを諦めない、をモットーに、仕事に家事に育児に趣味に全力投球中。
SNSで見かけて面白そうだなと思っていた「100の目標」を立ててみました。さて、いくつ実現できるかな…!