赤ちゃんが生まれてすぐに利用する育児用品のひとつ、紙オムツ。
なかでもユニ・チャームの「ムーニー」ブランドは、パンツタイプの紙オムツを生み出すなどの先進的な取り組みと、「ムーニーナチュラル」に代表される肌触りの良さで高い支持を得ています。
卒業するまでに約6000枚を消費するという紙オムツが、どのような想いで開発されているのか。
オムツの選び方やムーニーならではの機能とともにお聞きしてきました。
この記事のもくじ
キッズアライズ編集部が気になるベビー・キッズ関連サービスをご紹介。
今回は、紙オムツの「ムーニー」です。
1981年の登場以来40年以上に渡って育児を支えてきたムーニー。
絶対にもらしたくないという想いを「絶対もらさない宣言!」としてスローガンに掲げ、モレやムレ・カブレをなくすために取り組んでいます。
それは、赤ちゃんと子育てをする人を笑顔にしたいという想いから生まれていました。
ムーニーブランドとは
1981年に誕生した紙オムツ。
様々なタイプのオムツを展開しています。
■展開商品
- テープサイズの「ムーニー」
- パンツタイプの「ムーニーマン」
- 赤ちゃんの肌が触れる表面シートにオーガニックコットンを採用した「ムーニーナチュラル」「ムーニーマンナチュラル」
- トレーニング用の「トレパンマン」
- 夜専用の「オヤスミマン」
- 水遊びに使える「水あそびパンツ」 など
「ムーニー」についてお聞きしました!
お聞きした方:ユニ・チャーム株式会社 児島智之さん
パタパタあんよになったらパンツタイプがおすすめ
――オムツ選びのポイントを教えてください
児島さん:オムツはサイズごとに目安となる体重が表記されているので、そこに合わせるのが基本です。
しかし、成長段階によっても必要な機能が異なります。
例えば、小柄な子でも月齢が上がれば、動きも変わります。
そこで弊社では、ハイハイや立っちができなくても、オムツ替えの時に足をパタパタし始めて替えるのが少し大変になってきたら、テープタイプからパンツタイプへの切り替えをお勧めしています。
――そんなに早いころから、パンツタイプを使ってもいいんですね
児島さん:はい。パンツタイプにすることでオムツ替えの手間や苦労がかなり軽減されるので、ぜひ試してみていただきたいです。
ただ、サイズで言うとSサイズくらいの頃のうんちはまだゆるめ。
ゆるいうんちに対応した工夫がされているかも考慮するとよいと思います。
フィット性もチェックポイントです。
ゆるいうんちがモレやすい背中側や、足まわりがしっかりとからだにフィットする工夫がされた商品がおすすめです。
――カブレも心配です
児島さん:オムツは24時間赤ちゃんに触れるもの。
ムーニーの場合、2022年秋以降のリニューアルで全ラインアップの表面シートが無添加(※)・弱酸性になり、こういった点もチェックポイントのひとつとして見ていただきたいです。
とはいえ、使ってみないと分からないことも多いので、試供品などでお試しされるとよいですね。
- 石油由来油剤・香料・ラテックス・合成着色料の4つの成分が無添加
コットンのやわらかさと吸水性を両立させたムーニーナチュラル
――素材、肌触りでは、ムーニーナチュラルの評価が高いですね
児島さん:ありがとうございます。
日本で唯一(※)、赤ちゃんの触れる面にオーガニックコットンを配合したオムツです。
「肌にやさしい」を謳う以上、徹底してこだわりました。
ただ、コットンはふわふわのやわらかい肌触りにできる一方で、吸収した水を保持してしまう特性があり、表面がベタベタになってしまうため、肌触りと吸収後のさらっと感を両立させることに苦戦しました。
- 日本国内の主要ベビー紙オムツの表面シートにおいて、表面シートにエアスルー不織布とオーガニックコットンを含む構造(2022年3月ユニ・チャーム調べ)
――そのほかに工夫している点はありますか?
児島さん:目に見えない部分ですが、コットンに施されている波加工の幅は、女性の指紋の幅に着眼を得ています。
これは、母親に抱っこされている状態を感じてもらいたいという想いから発想しました。
このような、モレない、カブレないといった機能面以外の情緒的な価値も大切だと考えています。
モレ、ゼロを目指すムーニー
――メーカーによって同じサイズでも微妙に大きさが違うのは何故ですか?
児島さん:基準としている体格が異なるためです。
ムーニーは独自基準を採用しつつ、Mサイズは少し大きめにしています。
この時期の赤ちゃんは立っちをして動きも活発。
ウエストも覆いながらお尻もカバーできるように大きめにしました。
――そのほかにこだわっている点はどんなところでしょうか
児島さん:足の付け根の立体ギャザーも進化しています。
テープタイプは付けるのに少しコツが必要なことから、開いたときにギャザーが自然と立ち上がるようにしてひと手間をなくす「手直しいらず」の機能を搭載しています。
こういった機能を増やすことで、誰が使ってもトラブルがなくなる。
そうして、育児に不慣れな人も参加しやすい環境を提供したいのです。
たかがオムツ。されどオムツ。育児に寄り添うために
――ムーニーのサイトには、寝かしつけやあやす用の動画が紹介されていて、育児全般を応援したいという想いが伝わります
児島さん:そうですね。
私たちは赤ちゃんと子育てをする方、双方の笑顔が溢れる子育て生活にしたいという想いがあります。
ですので商品開発では「どういった育児社会をつくりたいか」といったところから議論が始まるんです。
――すごく大きな観点から商品が開発されているんですね
児島さん:日本は核家族化が進み、産後鬱などが社会問題になりつつあります。
そんな育児の中で、紙オムツは生まれた時から利用していただく商品です。
オムツに関するストレスをなくし、オムツ交換が親子のスキンシップになるような場にしたいと思っています。
――何か、取り組みはされていますか?
児島さん:育児全体の心身的負担の解決にチャレンジするため、他業種とのコラボレーションを積極的に進めています。
この春には、男性の育児参画活動に先進的な江崎グリコ様とともに、企業向けの両親学級「みんなの育休研修」をスタート。
男性が育休を取るメリットや、休業中の過ごし方、育児中にぶつかりやすい壁「排泄・食事・睡眠」について、具体的な方法を紹介しています。
この研修があることで、上司に対しても育休の必要性を訴求できるのではないでしょうか。
――そのほかにはありますか?
児島さん:保育園などに紙オムツをお届けする「手ぶら登園」に取り組んでいます。
ご家庭でのオムツへの記名や使用済みオムツの持ち帰りをなくせるよう、弊社と協業しているBABY JOB(株)が園と提携。
オムツは園が購入し、在庫管理や発注業務を自動化することで保育士とご家庭、双方の負担が減ります。こういった取り組みを、もっと広げていきたいですね。
子育てに関わるすべての人が笑顔になってほしい
――キッズアライズを見ているママやパパにメッセージをお願いします
児島さん:私たちが目指すのは、頼れる育児のパートナーです。
育児全体を捉え、そこに関わる心身的負担を解決できるブランドになりたいのです。
今後も製品の機能改善や進化はもちろん、育児に関わるサービスや仕組みなどにも貢献できる取り組みを続けていきます。
まとめ
オムツから派生する日本の子育ての課題を見つめ、赤ちゃんと子育てをする人の笑顔を引き出したいというユニ・チャーム。
赤ちゃんに24時間触れるものとして欠かせない育児用品だけに、ムーニーの取り組みは子育てを変えていく大きな一歩となりそうです。