子どもの成長とともに「おむつは何歳まで使うのか」「おむつを外すにはどのようにしたらよいのか」など、トイレトレーニングやおむつの卒業について悩む人も多いでしょう。
そこで今回は、おむつを卒業して排泄が自立するまでの進め方や目安について解説します。
この記事のもくじ
日中のおむつの卒業は何歳頃?
一般的に、日中におむつを卒業してトイレに行けるようになるのは何歳頃なのか解説します。また、日中はおむつを外して過ごせるようになってからも、しばらくは夜寝ている間だけおむつをつけて寝る子は多いです。
日中におむつが外れる時期は個人差が大きい
成長や発達には個人差がありますが、中でも排泄の自立は個人差が大きいです。2歳頃にあっさりとおむつが外れる子もいれば4歳になってもおむつをしている子もいます。
最近は無理におむつを外そうとするよりも自然に外れるのを待つほうがよいと考えるママやパパが増え、おむつが外れる時期もゆっくりになり、排泄の自立の個人差もやや広がっています。
2歳半から3歳頃にトイレトレーニングを始める家庭が多い
トイレトレーニングは、2歳半から3歳頃に始める家庭が多いです。0歳の赤ちゃんはまだ膀胱が小さいため頻繁におしっこをしますが、成長とともにおしっこがたまる感覚がわかるようになります。2〜3歳頃になるとある程度まとめて出せるようになるため、トイレトレーニングを始めやすいタイミングです。
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夜のおむつは日中のおむつよりも取りづらい
日中はおむつが外れて自分でトイレに行けるようになっても、夜はおねしょをしてしまう子は多くいます。夜寝ている間、膀胱に尿をためておく機能や尿意を我慢する体の働きが未発達なためです。
夜寝ている間はおしっこが出そうになっても、目が覚めず失敗してしまうこともあります。夜もおむつを外そうと頑張らず、寝ている間はしばらくおむつが必要だろうと考えましょう。
焦らずに様子を見守ることが大切
トイレトレーニングを進めるうえで、とても大切なのは焦らないことです。早くおむつを外さなくてはとママやパパが焦って、身体の機能が未発達なうちからトイレに行かせようとしたり、無理やりパンツを穿かせて失敗したときに叱ったりしたら、子どもはトイレに行くのが嫌になってしまうでしょう。精神的に追い詰められて不安定になってしまうこともあります。
「いつかおむつが外れるときがくる」と気長に構え、子どもの様子を見守りながらトイレトレーニングに取り組みましょう。
トイレトレーニングに必要な事前準備
トイレトレーニングを焦らず進めるためにも、事前の準備をしっかりと整えることが大切です。ここでは、トイレトレーニングに必要なものと、事前準備の3つのコツを解説します。
トイレトレーニングに必要なもの
トイレトレーニングには、次の4つを準備すると安心です。
・補助便座 :取り付けることで、便器に落ちたり恐怖心を感じたりすることを防げる。
・踏み台:1人でも便座に座れるようにするため。
・布パンツ:トイレでの排泄に成功する回数が増えてきたときに穿く用。(通常のパンツよりも厚手の布で作られたトレーニングパンツを穿かせるママやパパもいます)
・トイレマット:トイレに失敗して汚れたとき、ビニール素材のマットならすぐに拭いて掃除できるので便利。
①絵本や人形を使って「トイレ」について教える
トイレトレーニングを始めるときはすぐにトイレに座らせようとするのではなく、絵本や人形などを用いて「トイレはおしっこやうんちをする場所」であることをわかりやすく伝えましょう。
②子どもが気に入る補助便座やパンツを購入する
補助便座やパンツを準備する際は、子どもが好きなキャラクターのものを購入し、張り切ってトイレトレーニングに取り組めるように配慮するとよいでしょう。
③シールなどを活用してトイレを楽しい場所にする
トイレに行きたくなるように、トイレのドアや壁に子どもの好きなキャラクターのシールやポスターを貼るなど環境を整えることも有効です。
トイレトレーニングの進め方
トイレトレーニングの進め方を理解して実践することで、成果が出やすくなります。効果的な進め方は、以下の3つです。
①おむつ替えのタイミングでトイレに行ってみる
おむつ替えのタイミングでトイレに行くと流れがスムーズです。おむつを替えようとしたときにまだおむつが濡れていなければ、トイレでおしっこが出る確率が高くなります。また、おむつが濡れていても、おむつを外したタイミングで便座に座るとトイレに行く習慣が身につくでしょう。
②トイレでの排尿に成功したら、パンツだけで過ごす時間を
おむつが濡れていることが少なくなり、トイレでおしっこできる回数が増えたら、日中は布パンツで過ごしましょう。失敗することもありますが、おむつとは違ってパンツが濡れると子どもは不快になります。不快な気持ちを感じることも、トイレトレーニングには必要な経験です。
③成功したらたくさん褒めてあげましょう
便座に座っても最初はなかなかおしっこが出ることは少ないですが、成功したときは毎回たくさん褒めましょう。トイレでおしっこができた嬉しさや気持ちよさに加えて、ママやパパに褒めてもらえたら子どもはますます喜びや意欲が増し、トイレへ積極的に行くようになります。
おうちでできるおねしょ対策
おむつが外れてからも、おねしょをしてしまうことはあるでしょう。パンツや布団が濡れたまま寝ていて風邪をひいたり、忙しい朝に着替えや洗濯などで時間を取られたりすると大変です。
おねしょをしてしまった本人の気持ちが沈み、自信を失くすことにもなりかねません。おうちでできるおねしょ対策を3つ紹介しますので、ぜひ実践してください。
寝る前の水分補給の量を見直す
寝る前に水分をとり過ぎるとおねしょをしやすくなるため、寝る前の水分補給の量に注意することがポイントです。子どもが自分で水分の量を調節するのは難しいため、大人が様子を見ながら調節しましょう。
夕食から就寝までの時間をあける
食事で摂取した水分を尿として膀胱にためるまでには3〜4時間かかるため、夕食から就寝までの時間を3〜4時間あけるとよいでしょう。夕食から3〜4時間後にトイレに行くと、膀胱にたまったおしっこをしっかり出して寝ることができるので、おねしょをしにくくなります。
おねしょシーツを活用する
布団におねしょシーツを敷くのもおすすめです。ただし、おねしょシーツをきちんと敷いていなかったり、寝ている間に動いたりすることで布団が濡れてしまうこともあります。そのため、おねしょシーツを敷けば安心というわけではないことも理解しておきましょう。
焦らずに見守る姿勢が大切
子どもがおむつを卒業できるとママやパパは楽になり、経済的にも助かります。ほかの子と比べて早く外さなくてはと焦ることもあるでしょう。しかし排泄の自立には個人差があり、トイレトレーニングに最も大切なのは焦らないことです。トイレトレーニングの期間には個人差がありますが、必ずおむつを卒業する日はくるため焦らずに見守りましょう。
ライター:西須洋文
勤務経験30年以上の元男性保育士です。
現在はWebライターとして、保育士や子育ての経験を活かして子育てや保育記事を中心に、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。
そのほか、音楽教育であるリトミック講師などフリーランスとして活動中。