お食い初めは、赤ちゃんの健康と成長を祈り、食事に恵まれることを願う行事です。
また、家族や親しい人々が集まり、赤ちゃんの成長を祝福する機会でもあります。
そんなお食い初めのメニューを手作りしてみてはいかがでしょうか?
今回は、お食い初めの意味と、おすすめのメニューを紹介します。
この記事のもくじ
お食い初めとは何をする行事?
お食い初めは、一般的に赤ちゃんの生後100日前後の節目に行われます。
一生食べることに困らないようにとの願いが込められた行事です。
また、氏神様の境内からお借りした特別な石を赤ちゃんの歯ぐきに触れさせ、石のように丈夫な歯が生えるようにと祈る「歯固めの儀式」も同時に行うことがあります。
お食い初めで使用される食材
お食い初めでは「祝い膳」と呼ばれる特別な食事を用意します。
祝い膳は基本的に一汁三菜のスタイルで、お赤飯、お吸い物、尾頭付きの鯛や鯉、煮物、香の物などが一般的なメニューです。
ここでは特に「尾頭付きの魚」と「たこ」を紹介します。
尾頭付きの魚(鯛)
鯛は、華やかな席や祝福の場で重宝される食材です。
特に真鯛の紅色は美しく、また「めでたい」という言葉の語呂合わせから、縁起の良い食材として知られています。
新年のお祝いや結婚式のほか、お食い初めにも使用されます。
関西ではたこを使うことも
関西地方では、お食い初めの「歯固めの儀式」で石の代わりにたこの足を口につけることもあります。
「【た】べる」のに「【こ】まらない」の頭文字が由来という説や、「たこ」から「多幸」を連想させたなどの説があります。
風習の由来や意味、行い方はさまざまで、地域や家庭によっても異なる場合があります。
お食い初めのレシピを紹介!
お食い初めの「祝い膳」の一般的なメニューである、赤飯やお吸い物、尾頭付きの鯛、煮物、香の物について、自宅で作れるレシピを紹介します。
赤飯(4人分)
材料
- もち米 2合
- 小豆 40g
- ごま塩 少々
作り方
- もち米をよく洗い、1時間ほど水に浸します。
- 小豆も同様に洗い、20分ほど水に浸します。
- 小豆をザルにあげて水気を切り、鍋に入れて小豆が浸る量の水を加えます。鍋を強火にかけ、沸騰したら中火にします。小豆が柔らかくなるまで20分ほど煮ます。
- 小豆を冷まします。
- 煮た小豆と洗ったもち米を、小豆の煮汁50ccと400ccの水に20分ほど浸します。
- 水気を切ったもち米と小豆を蒸し器で蒸していきます。(炊飯器を使用する場合は、炊飯器にもち米を入れ、2合目のメモリに合わせて水を加えます。最後に小豆を入れて炊きます。)
- 蒸し器に蒸し布を敷き、もち米と小豆をのせて中火にかけます。蓋をして15分~20分ほど蒸します。
- ムラができないよう上下をひっくり返し、さらに15分~20分ほど蒸します。
- 茶碗に盛り、上からごま塩をふりかけます。
お吸い物(4人分)
材料
- だし汁 3カップ(600ml)
- 塩 小さじ1/2
- 薄口しょうゆ 小さじ1
- 三つ葉 1/2束
作り方
- 昆布や鰹節などからだしをとります(市販のだしパックでも可)。
- 三つ葉を洗って根本を切り落とし、食べやすい大きさに切ります。
- 鍋にだし汁を注ぎ、中火にかけて温めます。沸騰させずに温める程度にしましょう。
- 塩を加え、よくかき混ぜます。塩の量はお好みで調節してください。
- 薄口しょうゆを加えます。
- 三つ葉を加え、さっと煮立たせます。
POINT
お好みで、他の具材や調味料を追加しても良いでしょう。例えば、豆腐やわかめ、シイタケなどの具材を加えることもあります。
また、薄口しょうゆは色が薄く、まろやかな味わいですが、お好みで濃口しょうゆを使用しても構いません。
祝い鯛
材料
- 鯛 中1尾
- 塩 適量
作り方
- 鯛の表面を、鋭い包丁やうろこ取り器の背でこするようにしてうろこをとります。
- 鯛の内蔵を取り除いてよく洗い、水気を取り除きます。
- 鯛全体に均等に塩をまぶし、余分な塩を軽く叩いて取り除きます。
- グリルを中火で予熱しておきます。
- ヒレや尾ヒレは焦げやすいので、アルミホイルを巻いておきます。
- 鯛をグリルに置き、15分ほど焼きます。皮がこんがりと焦げ目がつくまで焼き込みます。
- 鯛をひっくり返し、全体にきれいな焼き色がつくまで10分ほど焼き続けます。
- 鯛が十分に焼きあがったら皿に盛ります。
POINT
工程1、2の下処理をお願いできるスーパーや鮮魚店もあるので、お任せするのも良いでしょう。煮物[筑前煮](4人分)
材料
- 鶏もも肉 1枚
- ごぼう 1/2本
- にんじん 小さめ1本
- ゆでたけのこ 小1本
- こんにゃく 1/2枚
- しいたけ 4個
- 絹さや 6枚
- だし汁 2カップ(400ml)
- しょうゆ 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 砂糖 大さじ3
- 酒 大さじ3
- サラダ油 大さじ1
作り方
- 鶏もも肉を一口大に切り、ごぼうは斜め切り、にんじんは薄い輪切りにし、ゆでたけのこ、こんにゃく、しいたけは一口大にします。
- ごぼうは酢水につけ、絹さやは筋を取りさっとゆでておきます。
- 鍋にサラダ油を入れて熱し、鶏もも肉を色が変わるまで炒めます。
- ごぼう、にんじん、ゆでたけのこ、こんにゃく、しいたけを加えて炒めます。
- 全体に油がまわったら、だし汁、しょうゆ、みりん、砂糖、酒を加えます。
- 中火で煮立たせ、アクを取り除きます。その後、弱火で30分~1時間ほど煮込みます。
- 最後に絹さやをのせます。
紅白なます(4人分)
材料
- 大根 1/2本弱
- にんじん 1/3本
- 塩 小さじ1/3
- 酢 大さじ4
- 砂糖 大さじ2と1/2
作り方
- 大根とにんじんの皮をむき、包丁やスライサーで千切りにします。
- 大根とにんじんをボウルに入れ、塩を加えて軽く揉み、10分ほど置いて水分を出します。
- 別のボウルで酢と砂糖を混ぜ合わせておきます。
- 大根とにんじんの水分を絞り、水気を切ります。
- 甘酢(3)に大根とにんじんを加え、よく混ぜ合わせます。
POINT
混ぜ合わせた後、そのまま食べても良いのですが、冷蔵庫で冷やすと味がよく染み込みます。お食い初めに必要なもの
ここでは、お食い初めを伝統的な形式で行う際に必要なものをご紹介します。
漆器のお膳
男の子は朱塗りの、女の子は外側が黒塗りで内側が朱塗りの漆器を使用するのが習わしです。
祝い箸
祝い箸とは両端が細くなっている箸のことで、主に柳で作られています。片端は人(子ども)が使い、もう一方は神様が使うためとされています。
歯固めの石
氏神様の境内から拾ってお借りするほか、川や海で拾った石を煮沸消毒して使ったり、通販で専用の石を購入したりして用意します。
またお宮参りの際に神社から授かることもあるようです。
もちろん普段の食器や箸を使用しても構いませんし、近頃は「歯固めの儀式」を行わないこともあります。
伝統的な形式でお食い初めをするときの参考にしてください。
まとめ
お食い初めは、家族で赤ちゃんの健やかな成長をお祝いし、一生食べ物に困らないことを願う特別な行事 です。
赤ちゃんのこれからの健康と幸せを願いながらメニューを決めたり、華やかな料理を手作りしたりすることで、ママやパパにとっても思い出に残る行事になるのではないでしょうか。
▼1歳までにある様々な行事を解説中!
[管理栄養士・ライター:おおすかさとみ]
食べることが大好きな2児のママライターです。
子どもの食事や食文化について、わかりやすく伝えていきます。