
「リビング学習」という言葉を聞いたことはありますか。
近年、子どもの学習スタイルとして注目を集め、取り入れる家庭も増えています。その一方で、リビング学習の実態や子ども部屋での勉強との違いなどがわからない方もいるでしょう。
この記事では、そんな疑問を抱えるママやパパに向けて、リビング学習のメリットやデメリット、より学習効果を高めるためのポイントなどを解説します。ぜひ、この記事を参考に子どもに合った学習スタイルを見つけてみてください。
この記事のもくじ
リビング学習とは?
リビング学習とは「子ども部屋ではなく、リビングやダイニングなどの共有スペースで学習すること」です。
従来は、子ども部屋の学習机で一人で勉強するスタイルが一般的でした。
しかし、近年は、親の目の届く場所で学習するメリットが注目され、リビング学習が広く取り入れられるようになりました。
リビング学習は、単に親が子どもの学習の様子に目が届きやすくなるだけでなく、親子のコミュニケーションの活発化や子どもの学習意欲を高めることにも役立つと言われています。
リビング学習のメリット
ここでは、リビング学習のメリットを子ども、親、それぞれの視点で解説します。
【子ども】にとってのメリット
子どもにとってのリビング学習のメリットは、以下のとおりです。
- 集中力が鍛えられる
- すぐに質問ができる
- 家族の目があって誘惑に負けにくい
- 安心感がある
適度な生活音があるリビングでの学習に慣れることは、多少の雑音があっても集中できる力を鍛えることにつながるでしょう。また、わからないことがあれば、ママやパパに質問してすぐに疑問点を解消できます。そのため、学習へのモチベーションも下がりにくいでしょう。
ママやパパの目があることで、勉強中にゲームやマンガなどに脱線しにくい点もメリットです。特に、小学校の低学年のうちは、ママやパパがそばにいることで子どもは安心感を覚えます。
リビング学習は、子どもにとって学習面だけでなく、精神面においてもよい影響を与える可能性があります。
【親】にとってのメリット
リビング学習は子どもだけではなく、ママやパパにも次のようなメリットがあります。
- 子どもが勉強しているかどうかすぐわかる
- 子どもの学習サポートをしやすい
- 光熱費の削減
子ども部屋にこもって学習していると、本当に勉強しているのか、遊んでいるのか、ママやパパは把握できません。リビング学習であれば、子どもの様子が見えます。
特に、小さい子どもは集中力が持続しにくいため、親の目が届く場所で学習することで、学習習慣の定着にもつなげやすくなります。
子どもの集中力や理解度を把握することで、適切なサポートや声かけもできるでしょう。例えば、集中力が途切れているようなら休憩を促したり、難しい問題に取り組んでいるようならヒントを与えたりと、子どもの状況に合わせたサポートが可能です。
さらにうれしいおまけとして、リビング学習であれば家族が同じ空間で過ごすため、光熱費の削減にも役立ちます。特に、夏や冬は光熱費が高くなりがちですが、リビング学習で家計の負担を軽減できます。
学習机のレイアウトのポイント
リビング学習の効果を最大限に高めるためには、学習環境を整えることが大切です。リビング学習を行う場合、ダイニングテーブルを学習机として活用するパターンと、リビングに新しく学習机を設置するパターンが考えられます。以下のポイントを参考に、レイアウトを工夫してみましょう。
生活導線を確保する
リビングは、家族みんなが共有するスペースです。学習机を置く際は、家族の生活導線を邪魔しないようにしなければなりません。
特に、小さな子どもや高齢者がいる家庭では、安全に配慮したレイアウトを心がけましょう。学習机の角で怪我をしないように、角にクッション性のあるカバーを取りつけるといった対策も有効です。
学習机の配置場所を決める際には、家族の動線をシミュレーションしてみることが大切です。例えば、キッチンからダイニングテーブルに料理を運んだり、洗濯した物を収納場所に運んだりなど、日常的な動線を考慮し、学習机がこれらの動線を妨げないように配慮してください。
親の視線が届く場所に配置
ママやパパが子どもの様子を把握しやすい場所に学習机を配置しましょう。
キッチンやダイニングから子どもの様子が見える場所がおすすめです。
また、親も家事をしながら子どもの様子を見守ることができ、ママやパパにとっての安心感につながります。
リビングに入る扉が見えるように
子どもが集中して学習に取り組めるよう、リビングに入る扉が見える位置で学習できるよう配置しましょう。
リビングの扉が見えない方向に座って勉強していると、ママが家事などでほかの部屋とリビングを行き来したり、パパやきょうだいが帰宅したりして扉が開いたり閉まったりする度に、子どもは振り返ってしまいます。集中力を切らさず落ち着いて学習に取り組めるよう、扉が見える位置で学習するとよいでしょう
さらに、自然光が入りやすい場所もおすすめです。自然光は、脳の発達にもよい影響をもたらすと言われています。リビングのなかでも自然光が入る場所に学習机を配置することで、より快適な学習環境を作れます。
リビング学習と子ども部屋、どっちがいい?
リビング学習と子ども部屋学習のどちらがよいかは、子どもの性格や学習スタイルによって異なります。それぞれの環境に向いている子どもの特徴やケースをみていきましょう。
リビング学習が向いている子・ケース
- 学習習慣がまだ身についていない
- 集中力が続かない
- きょうだいも同じ時間に勉強する
小学校の低学年のうちは、まだ学習習慣が確立していない場合や、一人で集中することが難しい場合があります。リビング学習であればママやパパが近くで見守れるため、子どものサポートができます。
特に、わからないことがあるとすぐに質問する子どもには、リビング学習がおすすめです。ママやパパが近くにいてすぐに質問に答えてもらえるため、不安なく学習を進められるでしょう。
子ども部屋学習が向いている子・ケース
一方で、子ども部屋学習が向いている子どもの特徴・ケースは以下のとおりです。
- 自己管理能力が高い
- 親が干渉しすぎてしまう
小学校の高学年になると学習内容が難しくなり、より集中できる環境が必要になる場合があります。例えば、テスト勉強や受験勉強などに集中したい場合は、子ども部屋での学習も検討してみましょう。
また、一人でじっくり考えることを好む子どもには、子ども部屋での学習がおすすめです。静かな環境で、自分のペースで学習に取り組めます。
子どもにあった勉強スタイルを見つけましょう!
リビング学習と子ども部屋学習、どちらがよいかは、子どもの性格や学習スタイルによって異なります。大切なのは、子どもに合う学習環境を見つけることです。
リビング学習が向いている子どももいれば、子ども部屋学習が向いている子どももいます。また、同じ子どもでも、成長段階や学習内容によって最適な学習環境は変化します。
ママやパパは子どもの様子をよく観察し、子どもの意見も聞きながら、柔軟に学習環境を調整していくことが大切です。
ライター:西川正太
大学を卒業後、大学病院の看護師として勤務。心臓血管外科や集中治療室などの領域を経験。
子育て中であり、専門的に子育てをしたいと一念発起し保育士の資格を取得。
医療や保育に関連するコンテンツ作成にも従事。