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【管理栄養士監修】刺身は何歳から?生魚を食べさせるときの注意点と食べさせ方

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「刺身」や「お寿司」は人気のメニューの一つですが、生魚を何歳から食べさせてよいのか、迷うママやパパも多いでしょう。

この記事では、子どもが刺身やお寿司などの生魚を楽しめるようになる年齢の目安と、食べさせるときの注意点などについてご紹介します。

この記事のもくじ

この記事を監修いただいたのは…
管理栄養士/ライター:おおすかさとみさん

食べることが大好きな2児のママライターです。以前は病院で栄養指導などの栄養管理を行っていました。
特定保健指導も経験しながら、栄養・食事についてわかりやすく伝えていきます。


刺身などの生魚は何歳から食べられる?


刺身やお寿司などの生魚は何歳から食べられるのでしょうか。

3歳以降を目安に

子どもが何歳から生魚を食べられるかについて、決まった基準はありません。

しかし、内閣府食品安全委員会が紹介しているフランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)の提言では、「妊婦及び3歳未満の子供並びに高齢者や免疫が低下している者については、生魚や加熱不十分な魚及びくん製は食べないこと」としています。

そのため、3歳以降を目安にするとよいでしょう。

小さな子どもが刺身などの生魚を避けたい理由


なぜ、小さな子どもは刺身や生魚を避ける必要があるのでしょうか。


食中毒のリスクがある


幼い子どもは抵抗力が弱く、生魚に含まれる細菌や寄生虫(アニサキスなど)による食中毒が重症化する恐れがあります。

非加熱の刺身は、特に菌が増殖しやすいです。体が十分に発達し、体力がつく3歳頃から少量ずつ始めるのが目安とされています。

咀嚼機能が未発達

奥歯の噛み合わせが未発達な子どもは、かたいものを十分に咀嚼できません。

離乳完了後も、子どもの咀嚼機能と消化器官は大人とは異なります。
特に、タコやイカなど身のかたい刺身は、子どもが噛み切れず喉に詰まるリスクがあり危険です。

また、嚙み切れない食材を食べることで、丸呑みの癖がついてしまうこともあります。子どもの噛む力に合ったかたさの刺身を食べさせましょう。

塩分摂取量を超えてしまう

刺身やお寿司は、醤油や酢飯など調味料の影響で塩分を摂りすぎる心配があります。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイント(p102)」によれば、3〜5歳の子どもの1日の食塩摂取量の目標は3.5g未満です。

塩分の取りすぎは生活習慣病につながるため、与える際は量に十分注意しましょう。

初めての生魚はどのように食べさせる?


子どもに初めて刺身などの生魚を食べさせるときのポイントを紹介します。


食べやすくカットしたり、少しずつ食べさせる


子どもに刺身を与える際は、食べやすいサイズに細かくカットする工夫が大切です。

特にイカやタコなどかたい刺身は、大人でも噛み切れず喉に詰まる危険があるため、細かくカットしましょう。

また、子どもの消化器官は未発達なので、一度に多量に与えると消化不良を引き起こす可能性があります。
アレルギー反応も考慮し、最初は体調を観察しながらごく少量から試すようにし、そのあとは少しずつ量を増やすようにしましょう。

白身魚から食べさせるのがおすすめ

子どもに刺身を食べさせる際は、離乳食の進め方と同様に、アレルギーリスクや消化の負担が少ない鯛などの白身魚から始めましょう。

白身魚に慣れたらマグロなどの赤身魚へと進めてください。
その後に、アジ、サバ、イワシなどの「青魚」や「光物」などと呼ばれる魚を試してみるとよいでしょう。

これらの魚は鮮度が落ちやすいところが特徴です。鮮度が低下するとじんましんなどのアレルギーを起こす可能性が高くなります。
新鮮なものを使用するなど、慎重に進めたほうが安心です。

刺身などの生魚を食べさせるときの注意点


刺身などの生魚を食べさせるときには、2点注意が必要です。


体調のよいときに食べさせる


子どもは大人よりも食中毒を起こしやすいため、生魚を食べさせる際は、必ず体調がよい元気な日を選びましょう。

疲れていたり、体調がすぐれなかったりするときには、抵抗力が低下しています。
このようなときに生魚を食べると食中毒のリスクが高まり、体調不良につながる可能性があるため避けてください。

かかりつけ医の病院が開いてる時間帯を選ぶ

初めて生魚を食べさせる際は、万が一アレルギー反応や体調不良(下痢、嘔吐、じんましんなど)が起こっても、すぐに医療機関を受診できる時間帯を選びましょう。

病院が開いている平日の午前中などにチャレンジするのがおすすめです。

刺身などの生魚以外に注意すべき食材は?


刺身などの生魚以外に注意したい、生で食べられる食材を3つ紹介します。


貝類


アサリやホタテガイなどの二枚貝は、プランクトン由来の貝毒を体内に蓄積している可能性があるため注意が必要です。

その他の貝類も、噛み切りにくい食材が多いです。幼いうちに生貝を無理に食べさせる必要はありません。

魚卵

魚卵でもアレルギーが出ます。

特にいくらは、魚卵アレルギーの大部分(約95%)を占めるほど、アレルギーが出やすい食材として知られています。
初めて食べさせる際は、アレルギー症状がないか確認しつつ、ごく少量から様子を見ることが大切です。

また、魚卵は塩漬けや醤油漬けにされていることが多く、総じて塩分が高いため、低年齢の子どもにはあまり勧められません。
塩漬けされたいくらの軍艦巻きは、わずか2貫で約1gの塩分量になります。

これに醤油を加えると、3~5歳の1日の食塩摂取量の目標3.5g未満を超えてしまう恐れがあるので注意しましょう。

甲殻類

エビやカニといった甲殻類は、パパやママでも急にアレルギーが出てしまうことがある、特に注意が必要な食材です。

食物アレルギーのなかでも甲殻類アレルギーは症状が強く出る傾向があると言われています。

そのため、特別な理由がなければ、3歳までの子どもにはあげないほうが安心です。もし心配なら、小学校に入ってからにしてもよいでしょう。

少しずつ与えるところから始めましょう

子どもの生魚デビューは、食中毒やアレルギー、そして噛む力を考え、3歳くらいからが目安です。

まずは白身魚から試し、小さく切って少しずつ与えるところから始めましょう。
生魚は新鮮なものを子どもが元気な日に、そして万が一に備えて病院が開いている日中に試すと安心です。


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