離乳食が終わると次に始まるのは幼児食。
どのようなタイミングで、いつから幼児食へ移行するのか、離乳食との違いは何かなど悩むこともあるでしょう。
そこで、今回は幼児食に移行する目安と進め方を紹介します。
この記事のもくじ
幼児食とは?
幼児食とは、離乳食を卒業した子ども向けの食事です。
ここでは幼児食と離乳食との違いもご紹介します。
幼児食とは、離乳完了後、大人の食事に移行するまでの食事のこと
通常、離乳食の完了期は12か月~18か月頃まで。
しかし、離乳が完了したからといって、いきなり大人と同じものを食べられるわけではありません。
まだ奥歯が生えそろわず、噛む力、味覚、消化器官は発達途中。
そこで、子どもの発達の段階に合わせて、少しずつ大人の食事に近づけていくのが幼児食です。
一般的に、離乳が完了した後から6歳頃までが幼児食の期間といわれています。
離乳食との違い
離乳食では、母乳やミルクからの栄養補給が主ですが、幼児食では食事から栄養をとるようになります。
つまり、離乳食は母乳やミルク以外の食品からも栄養をとり、固形食に慣れるための食事。
幼児食は、食事だけで栄養をとる段階の食事といえます。
離乳食の後期・完了期と、幼児食の初期では食材の大きさやかたさなどの違いはほとんどないため、スムーズに移行しやすいでしょう。
幼児食では、固形食品や使用できる食材も豊富になります。
さまざまな食材にふれながら、味わい方や食べ方を習得し、食事を楽しむ心も育むことも大切です。
離乳食を卒業し、幼児食を始める目安
ここでは、離乳食を卒業して幼児食を始める目安となるポイントを紹介します。
子どもの食事の様子を確認しながら、幼児食を始めてもよさそうか見極めていきましょう。
目安①食べ物を前歯でかじり、噛んで食べられるようになる
食べ物を前歯でかじって切り、歯ぐきや奥歯で噛んで食べられるようになったら幼児食に移行してもよい時期です。
この時期に子どもは、大人と同じように、口から頬の方に食べ物を移動させて、片側の奥歯や歯ぐきで噛むようになります。
噛んでいる側の口角が外側に引っ張られる動きが見られたり、片側の頬が動く様子が見られたら、食べ物をしっかり噛めているでしょう。
食事のときに確認してみてくださいね。
目安②必要な栄養の大半を食事からとれている
1日3回の食事と補食(おやつ)のリズムが整い、栄養の大半を食事でとれていることも大切なポイントです。
子どもの様子を見て、まだ難しそうであれば無理に幼児食に進む必要はありません。
まずは1日3回の食事に慣れていきましょう。
おおよそ1歳6か月頃が離乳食から幼児食へ移行する目安
離乳食の卒業は、おおよそ1歳6か月頃が目安です。
ただ、まだうまく噛めなかったり、3回の食事と補食(おやつ)のリズムが整っていない場合は、あせらなくて大丈夫。
また、ある日からすべて幼児食にするのではなく、まずはひとつの食材で試してみる。
うまく食べられなかったら元のやわらかさに戻すなど、子どもの様子を見ながら少しずつ移行していくのもよいでしょう。
1歳6か月頃の幼児食のポイント
1歳6か月頃の幼児食の食材や調理のポイント、おすすめのメニューを紹介します。
食材・調理のポイント
一般に1歳6か月頃までに上下8本の歯が生えます。
個人差は大きいですが、乳犬歯や第一乳臼歯(奥歯)が生え始める子も多く、舌もより複雑な動きができるようになります。
この時期の子どもはまだ食べ物を十分にかむ力を持っていないため、前歯で食べ物をかじり、歯ぐきで押しつぶせる程度の大きさ、やわらかさに調理するのがポイントです。
特に、繊維質が多い肉や野菜などは、うまく噛み切れずにのどに詰まる危険性があるため、細かく切ったり、煮込んだりして、食べやすいように調理してください。
細切り、角切り、乱切り、いちょう切りなど、食材をさまざまな形にして与え、噛む力を育てていきましょう。
奥歯が生えてきたら、少し噛み応えのあるかたさ、大きさに調理した食材を試してみるとよいでしょう。
味付けは大人の半分程度が目安。
薄味を心がけ、主菜、副菜、汁物などを毎食提供して栄養のバランスを整えていきます。
手づかみ食べをしやすいメニューがおすすめ
手づかみ食べとは、子どもが自ら食べ物を手に取り、口に運んで食べることを指します。
この時期、子どもたちは自分で食べることに興味を持ちます。
親子がストレスなく過ごせるように、手づかみ食べをしやすいメニューを選び、子どもの自主性を尊重することが大切です。
手づかみ食べに適したメニューとしては、やわらかくて小さな食材や刻んだ食材、フィンガーフード(手で持ちやすい食べ物)などが挙げられます。
たとえば、ゆでた野菜のスティック、蒸し鶏のかけら、フルーツのスライスなどが持ちやすく、食べやすい食材です。
2歳頃の幼児食のポイント
2歳頃の幼児食のポイントと、この時期の特徴を紹介します。
食材・調理のポイント
個人差はありますが、2歳頃に第2乳臼歯(一番うしろの奥歯)が生え始め、すべての乳歯がほぼ生えそろいます。
この時期には、子どものかむ力が強くなり、食べられるものの種類も大幅に広がります。
大人より少しやわらかめを目安に、噛み応えのある大きさ、かたさに調理した食材も取り入れていきましょう。
子どもにいろいろな食感の食材を体験させることで、かむ力がより発達します。
うまく食べられないときは無理をせずに吐き出させ、食べやすいかたさ・大きさで提供してOKです。
まだまだ生の葉物野菜、肉類、かたい食材などは食べにくいため、小さく切る、繊維を絶つ、やわらかく加熱するなど調理を工夫してください。
弾力性があり繊維がかたい食材(糸こんにゃくやキノコ類)、誤嚥しやすい食材(プチトマトやもちやナッツ)、唾液を吸収して飲み込みづらい食材(鶏ひき肉やのり)も要注意です。
糸こんにゃく、キノコ類、のりは細かく切り、プチトマトは四等分に切りましょう。
鶏ひき肉は、豚ひき肉などと合わせるか、とろみをつけると食べやすくなります。
もちは3歳頃、ナッツは5歳頃までは避けるようにしましょう。
この時期も、味付けは大人の半分程度。
薄味を心がけてください。
スプーンやフォークを使って食べられるように
手づかみ食べの能力の発達に合わせて、スプーンやフォークを使って食べる練習も始めるとよいでしょう。
最初はうまく食べられないことも多いため、大人が食具をさりげなく支えるなどサポートしてあげましょう。
子どもの様子に合わせて幼児食を進めましょう
幼児食は、子どもの様子に合わせて進めることが大切です。
1歳6か月頃を目安に、「歯の生え具合」「食事量」を確認しながら進めていってくださいね。
子どもの成長を見守りながら、個人に合わせて幼児食を進めていきましょう。
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管理栄養士・ライター:おおすかさとみ
食べることが大好きな2児のママライターです。以前は病院で栄養指導などの栄養管理を行っていました。
特定保健指導も経験しながら、栄養・食事についてわかりやすく伝えていきます。