キッズアライズのオープニングPRイベントが、2021年12月19日に開催されました。
イベント内の「気ままに読む・見る」のコーナーとして脳科学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生に「賢い子供に育てるコツとは?」というテーマでお話をお聞きしました。16万人の脳画像を見てきた瀧先生。小さな子どもを持つパパやママなら誰しも気になる内容ですよね。
今回の記事では『賢い子供に育てるコツとは?』の前編、「子どもの脳の発達とは?」という内容をご紹介します。
この記事のもくじ
瀧靖之先生
医師、医学博士。東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター 副センター長、東北大学加齢医学研究所教授。東北大学発スタートアップ株式会社CogSmart代表取締役。
著書:『生涯健康脳』『賢い子に育てる究極のコツ』
メディア出演:「主治医が見つかる診療所」、NHK「NHKスペシャル」、NHK「あさイチ」、TBS「駆け込みドクター!」など多数。
賢い子供に育てるコツとは?
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子どもの脳の発達とは?
脳はすべての領域がいっぺんに育っていくのではありません。ある領域は早いタイミングで、またある領域はゆっくりと発達していきます。そのため発達にあった刺激をあたえることが大切になってきます。
子どもの脳はまるで道路!はり巡らせるように発達していく
子どもたちはどのような環境に生まれてくるかわかりませんし選ぶことはできません。そのため、どんな環境にも適応する必要があります。たくさんの道をはり巡らせるように脳を発達させることによって適応できるようになります。
しかし、いつまでもこの状態でいるとエネルギーの消費があまりにも激しいため、発達のピークを過ぎると効率を重視するように変わります。
それまでつくっていたのが一般道だとしたら、使わない一般道を壊し高速道路に切り替えていくわけです。高速道路を作ることを「髄鞘化」、一般道を壊すことを「シナプスの刈り込み」といいます。
子どもの脳は後ろから前へ順に発達する
子どもの脳の発達には順番があります。
生まれてすぐから発達するのが、脳の後ろ側にある『後頭葉』です。次に頭頂や側頭にある『頭頂葉・側頭葉』、最後に脳の前の方にある『前頭葉・前頭前野』が発達していきます。このように子どもの脳は後ろから前に向かって順に発達のピークがきます。
後頭葉…見ることや聞くこと、感覚に関する領域。
頭頂葉・側頭葉…運動、言葉などに関する領域。
前頭葉・前頭前野…高次認知機能(考えたり判断したり、コミュニケーション能力や、社会性、理性など)に関わる領域。
脳は後ろから前へ、そして原始的なものから人間的なものへと順に発達のピークをむかえます。それぞれの発達のピークの時期にあった体験をあたえていくことが大切です。
発達と加齢は表裏一体!
人のコミュニケーション能力や考える力といった「賢さ」に繋がる大切な「前頭前野」の発達のピークは思春期のころと言われています。
20代後半から、脳は少しずつ衰えていきます。脳の加齢は発達と逆の順番で進んでいきます。まずは考えたり判断したりする前頭前野から、次に運動面や記憶などが委縮、最後に最も原始的な感覚が衰えていきます。
だからこそ、脳の発達にいいことは加齢対策にも効果があるのです。
豊かな環境が脳の発達を助ける
脳には可塑性(変化する力)があります。
よりダイナミックに発達を促すには、豊かな環境をあたえることが有効です。
例えば、普段から図鑑を見たり 読書をしたりして、興味を持ったら本物を見せてあげること。バーチャルと現実を結び付けてあげる体験です。自然体験も脳にたくさんの刺激をあたえます。他にも発達段階にあったさまざまな刺激をあたえてあげることで発達していきます。
脳の発達を促すことで、自己実現できる子どもになっていきます。夢を叶える力を育てていきましょう。
キッズアライズのまとめ
子どもの脳は一般道のようにはり巡らされて発達し、あるところからは高速道路に作り変えていくというのは、とてもおもしろいお話でした。小さな子が同じ遊びを何度もくり返して楽しむ姿には、このような脳の働きが関係していたのですね。親としては効率を重視して先を急いでしまいますが、子どもの脳の育ちにとって大切な時間なんだと意識して、じっくり付き合ってあげたいと思いました。
脳の発達には順番があるというのも驚きでした。発達段階にあわせて刺激をあたえることでわが子がより賢く成長していく。ぜひ実践していきたいです。
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