脳科学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生に子どもたちにとても重要な非認知能力の伸ばし方や脳の可塑性を教えていただきました。
賢い子に育てるために私たち親ができることは何があるでしょうか?
この記事のもくじ
瀧 靖之(たき やすゆき)先生
医師、医学博士。東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター
副センター長、東北大学加齢医学研究所教授。
東北大学発スタートアップ株式会社CogSmart代表取締役。
著書:『生涯健康脳』『賢い子に育てる究極のコツ』
メディア出演:「主治医が見つかる診療所」、NHK「NHKスペシャル」、NHK「あさイチ」、TBS「駆け込みドクター!」など多数。
子どもたちに重要な非認知能力の伸ばし方と脳の可塑性とは?
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非認知能力とは?
非認知能力とは、学校のテストで評価するのは難しいけれど、生きるために重要な能力のことです。
具体的には、知的好奇心、コミュニケーションスキル、自己肯定感、主観的幸福感などさまざまなことを指します。
それでは、脳の発達に重要な非認知能力をどう伸ばしていくかをお話します。
実行機能の伸ばし方
1つ目は、実行機能です。
実行機能とは、ルールに沿って計画を立て実行したり、ルールに反することを我慢したりする能力です。
難しく聞こえるかもしれませんが、スポーツ、運動遊び、鬼ごっこ、ままごと、楽器演奏など、すべてルールに沿って行っていますよね。
このような遊びを楽しみながらルールを守ることで、実行機能は伸ばすことができます。
知的好奇心の伸ばし方
次に、知的好奇心です。
感情を司る「偏桃体」と、記憶を司る「海馬」は密接につながっています。そのため、私たちは楽しいと思うことはどんどん覚えられます。
子どもの知的好奇心が高まり、いろいろなことを楽しいと感じながら取り組めると、記憶力が伸び、学校の成績にもよい影響がでるのです。
知的好奇心を伸ばすために必要なのは、読書習慣をつけること。
人は知識が少しでもあった方が、深く興味を持てるとわかっています。
例えば、図鑑で見たことがあるものを、現実の世界でも見たりふれたりして体験するとより興味がわきます。本で読む、実際に体験する…、その繰り返しが知的好奇心を高めるのです。
読書習慣をつけるには、子どもに「本を読みなさい」と言うよりも親が読む姿を見せることが大切です。
寝る前に親子で並んで本を読むなど、5分でもいいので時間をつくってみてください。
子どもは模倣から能力を身につけます。何かさせるには、まず親がすることを意識してください。
自己肯定感の伸ばし方
自分自身を大切に思える気持ち「自尊感情」と、努力で自分や周りを変えられると信じられること「自己効力感」。
この2つを合わせて自己肯定感と呼びます。どちらも生きていくうえで大切な力です。
そんな「自己肯定感」を育む、ポイントが2つあります。
1つは、たっぷりと愛情をかけること。つまり、愛着形成です。
2つ目は、自然体験をさせること。
自然のなかで心を揺さぶられるような体験をすることが、自己肯定感につながることがわかっています。
自己肯定感を高めるほめ方のポイント
子どもをほめることは、愛着形成、自己肯定感、そして脳の発達にもつながります。
ほめ方のポイントは、子どもの能力ではなく努力をほめること。
能力や結果ばかりをほめてしまうと、上手くできないことには挑戦しなくなってしまいます。
がんばっている過程をほめることで、前向きに努力できるようになります。
脳の可塑性について
常に脳は変化してその能力を伸ばすことができます。
「自分には好奇心がないから」「自己肯定感が低いから」とあきらめるのは脳科学的には間違いです。
現時点で何か足りないものがあっても、必ず変わることができます。私たちは意識したその日から変われるということを覚えておいてください。
今回のイベントでお伝えしたことを、1つでもいいのでぜひ実行してみてください。
その行動のひとつひとつが子どもの自己実現につながっていきます。
キッズアライズのまとめ
子どもの発達に大切なことを脳科学の視点から教えてくださった瀧先生、ありがとうございました。
たくさんのお話を伺って、子ども自身が楽しいと思えることに自発的に取り組むことがとても大切だと学びました。
私たち親は、つい子どもに「~しなさい」と指示をしてしまったり、教えこんだりしてしまうことがあります。
それよりもまず親がやって見せることや、一緒に楽しむことで子どもはグングン伸びていくのですね。
賢い子に育てることは、自己実現する力を育てること。
子どもの思い描いた夢が叶うように、できることから取り組んでいきたいです。
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