新しい働き方として注目されている「テレワーク」は、コロナ禍で一気に普及が進んだ印象がありますよね。
育児中のパパやママから「テレワークや在宅勤務によって家族と過ごす時間が増えた」という喜びの声が聞かれる一方で、「テレワークと育児の両立は難しい」という嘆きの声も聞かれます。
そこで今回は、育児中のパパに向けて、上手に仕事と育児を両立するためのテレワークのコツをお伝えします。
特に子どもが小さい頃は、パパが活躍することでママは体を休めることができ、育児に余裕が生まれます。ぜひ実践してみてくださいね。
この記事のもくじ
テレワーク、育児との両立はできる?
育児はスケジュール通りに進むものではなく、また休日もありません。
赤ちゃんが泣いたり、なかなか寝てくれなかったりして、仕事が思うように進まないこともあるでしょう。会社で仕事をしているより疲れると感じる人も多いはず。
育児中のテレワークは、なぜ推奨されているのでしょうか?
厚生労働省も推進・支援している
コロナ禍以前から、場所や時間にとらわれず柔軟な働き方ができるとして、厚生労働省はテレワークを推進・支援しています。
その背景には、育児や介護と両立しやすい環境にすることで、誰もが活躍できる多様な働き方を促進するという目的があるのです。
テレワークの導入は企業側にもメリットがある
育児中の社員がテレワークを選択できるようにすることは、企業側にも大きなメリットがあります。
出産後に在宅勤務を選択できるなら、育児のためにやむを得ず退職する人が減ることが期待できます。働き方の選択ができるため、採用強化にもつながるでしょう。仕事と育児を両立しやすい環境の整備をすることで企業のイメージアップにもなるため、テレワークは企業と社員の双方にメリットがあるといえます。
テレワークでよかった!〈メリット事例集〉
パパが育児中にテレワークをするメリットは、「育児しやすい環境になること」だけではありません。
仕事を続けながら育児に関われることで、パパにとっても大きなメリットがあります。
子どもの成長を見守れる
テレワーク中に「子どもが初めて寝返りをした瞬間を見られた」、「話せる言葉が増えていくのを目の当たりにして感動した」というパパも多いです。日々の成長を見守れるのは、育児に関わる人の特権ですよね。
仕事があるためずっと見ていられるわけではありませんが、できることが増えていく様子を見守れるのは、大きなメリットです。
子どもの成長をママと喜び合えるのも、ポイント。お互いに「一緒に育児をしている」と実感しやすいでしょう。
産後の妻をケアできる
「初めての育児にプレッシャーを感じていたとき、家に夫がいると思うとそれだけで心強かった」というママの声もよく耳にします。
産後の女性は、ホルモンバランスが乱れるため、心身ともに不安定になりがちです。イライラしたり不安になったり、睡眠不足に悩まされたりすることも。そんなママの変化に気づきやすく、寄り添いやすい環境にいられるのはテレワークのメリットでしょう。
在宅での仕事が忙しくても、通勤時間がない分、余った時間を家事や育児にあてることができ、ママは助かるはずです。「育児を妻に任せきりにしない」と意識することで産後のママの心身の負担を減らし、ケアできます。
仕事のブランクがなく安心
「テレワークで仕事を続けることで会社とつながっていられるので安心だった」という声もあります。
仕事を休んで育児に専念したい男性には、「育休を取得する」という選択肢があります。家族のことを考えた理想的な選択ではありますが、中には引き継ぎに時間をとられて余計に忙しくなったり、復帰するときに不安を感じたりする人もいるでしょう。
テレワークで働いていれば出社勤務に戻ったときの不安やギャップが少なく、引き継ぎのわずらわしさもありません。
もちろん育休を取得できればそれに越したことはありませんが、テレワークにはテレワークならではのメリットもあると覚えておいてくださいね。
育児をしながらのテレワークは大変……という声も 〈デメリット事例集〉
育児中は、想定外のことが次々に起こります。
思うように仕事ができず焦ったり不安になったりして、両立できるようになるまで時間がかかったという人も少なくありません。
育児中のテレワークはどのようなことが大変なのか、デメリットを確認してみましょう。
オンライン会議に泣き声が入る
「大事なオンライン会議中に限って子どもが泣き出す」というのは、もはや育児中のテレワークあるあるですよね。
空気が和む場合もありますが、なぜ泣いているのか気になって会議に身が入らないという声も聞きます。
同僚に迷惑をかけていないかヒヤヒヤし、早く泣き止ませなければと焦ってしまうでしょう。
大事なミーティングや商談をするときは、ベランダやお風呂場、車の中で会議に参加する人もいるようです。
仕事と家族との生活の切り替えが難しい
「仕事中に泣き声が聞こえると集中できない」、「仕事と家族との時間の切り替えができずにかえって疲れる」という声もよく聞きます。
テレワークでは仕事の時間と育児の時間をきっぱり分けることが難しく、気が休まらない人が多いようです。
結果的に仕事も育児も思うようにできず、不満を抱えることになるかもしれません。
睡眠不足になる
「日中は子どもを妻に任せて早朝と夜に育児を担当している」、「子どもが起きている間は仕事ができないので夜に働いている」という人もいます。
結果として睡眠不足に悩まされることも多く、健康的な生活から遠ざかってしまうこともあるようです。
育児とテレワークを上手く両立させるための8つのコツ
育児と仕事を両立させるため、そしてテレワーク中に夫婦仲が悪くならないようにするためには、工夫が必要です。
「パパがもっと努力するべき」、「無理をしてでも育児をするべき」という単純な話ではありません。
少し意識を変えるだけで上手くいくこともあるので、難しく考えすぎないことが大切です。
「パパは育児のサブ」と思わない
育児の担当を時間帯で分けている夫婦もいれば、「授乳や離乳食はママが担当、おむつ交換やお風呂はパパが担当」と内容で分けている夫婦もいますよね。
どちらの場合でも、大切なのは「パパは育児のサブではない」という意識です。
その意識を持つだけで、たとえば赤ちゃんが泣きだしたらまずママを探すのではなく、率先しておむつを確認したり抱っこしたりできるはずです。
「夫婦は育児のチーム」という認識を持つことで、ママのストレスを減らせます。また、ママの体調不良などイレギュラー時にも対応できるようになるでしょう。
得意な家事・育児を担当する
苦手なことをやろうとしてもパパとママのストレスがたまるだけ。
あらかじめ得意なこと、不得意なことを夫婦間で話し合って、まずは得意なことを率先してやるようにしてみましょう。
育児も一通りできるようになっておくと、イレギュラーなことが起きたときに慌てずに済みます。
ミールキットや便利家電を活用する
テレワークをしていると、「家にいるのだから家事はきちんとやらなくては」と思いがちです。
育児中は、仕事も家事も思い通りに進まないもの。夫婦だけでこなそうとせず、ミールキットやデリバリーを活用したり、ロボット掃除機や食器洗い機を導入したりしてみましょう。
ときには家事代行サービスを利用して、家事を休むのもおすすめです。
お互いにストレス発散の時間をつくる
育児中はホッとできる「ひとり時間」が必要です。夫婦で順番に時間をつくりリフレッシュしましょう。読書や昼寝、トレーニングやランニングもよいですね。
初めての育児は、ママもパパも気が張りやすいもの。赤ちゃんから離れて深呼吸する時間が必要です。
毎日1時間でも30分でもよいので、フリータイムを楽しみましょう。
妻の負担を増やさない
パパが自宅で仕事をしていると「食事を3食用意するのがしんどい」「気が休まらない」と感じるママもいます。テレワークが原因でママの負担を増やさないよう意識しましょう。
具体的には、昼食はパパ担当にするか自分で調達し、ストレスを溜めさせないよう「気になることがあったら言ってね」と声をかけておくとよいですね。
家族の空間と仕事場を分ける
たとえばリビングでテレワークをする場合、家族の空間と仕事場を切り離すことは難しいですよね。
仕事と家族との時間を切り替えるには、書斎のような仕事部屋があるのがベストです。
書斎など仕事部屋となる個室がない場合は、たとえばリビングの一角をカーテンで仕切ったりついたてを置いたりしてワークスペースをつくるのも一案です。
メリハリが出るだけでなく、「カーテンを閉めている間(ついたてを置いている間)は仕事中」と家族に伝わります。
妻と予定を共有する
夫婦でカレンダーアプリを使う、あるいは紙のカレンダーに予定を書き込んでスケジュールを共有するのも、ストレスを減らすコツです。
ミーティングや商談の時間、リフレッシュするためのひとり時間などは部屋に入らないようにする、可能な場合は赤ちゃんを連れて散歩や買い物に行くなど、お互いに配慮しやすくなります。
予防接種や通院に付き添えるように仕事を調整するなど、子どもを優先したスケジュールも管理しやすくなりますよ。
子育てにイレギュラーはつきものと理解する
育児中は、飲み物をこぼされたり子どもが病気になったりなどハプニングやイレギュラーが多いもの。
育児中のテレワークは、仕事が思うように進まないのは当たり前と思っておくほうがイライラせずに済むでしょう。
育児や家事を挟みつつテレワークをすることを許可している会社もあります。時間に追われて焦ることのないよう、余裕をもってスケジュールを組むことをおすすめします。
育児中のテレワークは夫婦で協力し合うことが大切
育児とテレワークを両立させるのは大変なこともありますが、夫婦で協力しやすい環境ができ、子どもの成長を見守れるのはメリットです。
また、それぞれが得意な家事を担当することも仕事と育児を両立するためのポイント。二人とも苦手なものは便利家電や代行サービスに頼るなど、できる限りストレスを減らすことを考えてみてください。
お互いを思いやることを忘れず、協力し合って夫婦の絆を深めましょう。
ライター:あまね
HSC(ひといちばい敏感な子ども)の小学生を育てるママライター。娘の心に寄り添うため、大学で学んだ心理学を思い出しながらメンタルケアを勉強中。目標は自分だけの仕事部屋を持つこと。