妊娠が判明したとき、喜びを感じると同時に「これから何をすればよいのだろう」と疑問を感じる人も多いのではないでしょうか。
働いている女性の場合、赤ちゃんを迎え入れる準備のひとつに職場への報告があります。
職場への妊娠報告はいつすればよいのでしょうか。
また、相手の役職によって違いはあるのでしょうか。
この記事では、職場への妊娠報告のタイミングや報告のしかたについてお伝えします。
この記事のもくじ
職場への妊娠報告のベストタイミングは?
妊娠報告は安定期に行うのが一般的とされています。
しかし、職場ではチームの一員として働いているからこそ、それぞれ報告に適した時期があり、またそのタイミングは相手の役職によっても異なります。
上司への報告は妊娠初期がおすすめ
上司へは、産婦人科を受診し順調な妊娠であることがわかったらなるべく早めに報告しましょう。
安定期まで報告したくないという人もいるかもしれませんが、次の3つの理由から妊娠がわかった段階での報告をおすすめします。
①つわりなどによる体調不良が起きる可能性がある
妊娠初期から始まるつわりは、重さも症状も人によってさまざまです。場合によっては、つわりが酷くて仕事を休むことがあるかもしれません。
そんなときに妊娠を伝えないまま休むと、別の心配をかけてしまいます。
②業務上で配慮の必要性が出るケースがある
妊娠中は就業を禁止されている業務もあります。また、場合によっては身体に負担のない業務に配置転換してもらったり、時差通勤したり、勤務時間内に妊婦健診にいったりすることもあるかもしれません。
これらはすべて法律で定められている妊婦の権利です。
早めに報告することで、相談しやすくなります。
③人事上の調整の必要が出る
妊娠中の社員がいれば、いずれ産休や育休に入ることを見越して、人事のほうでも欠員をカバーする調整が必要になります。準備期間は長いに越したことはないので、早めに報告したほうがよいでしょう。
同僚には安定期に入ってから伝えるのがおすすめ
一方、同僚への妊娠報告は、安定期まで待ちましょう。
妊娠初期は体調も安定せず、何が起こるかわかりません。
また、引き継ぎなど細かいことが決まっていない段階で報告すると、不要な憶測を呼びかねません。
一般に妊娠16週目からが安定期だとされています。
この時期になると胎盤が完成し、流産の確率が妊娠初期と比べて格段に下がり、つわりがおさまり体調が落ち着く人が多くなります。
無事出産できる可能性も高くなるので、安定期は妊娠報告に適していると言われます。
取引先には産休に入る1か月前までに伝えるのが一般的
取引先の人には、産休1か月前までに伝えるのが一般的です。
妊娠の報告というよりは、産休に入る報告と引き継ぎ相手など業務上で必要な情報の連絡になります。
妊娠週数が進めば次第にお腹も出てくるため、妊娠報告をする前に先方に気づかれるケースも少なくありません。
あくまでも、正式な報告が産休の1か月前までのイメージです。
妊娠報告の際は何を伝えるべき?
妊娠の報告をするときには、妊娠した事実以外に何を伝えればよいのでしょうか。
いつから産休に入るのか、いつ職場復帰をするのか
出産後も仕事を続ける予定なら、いつが出産予定日でいつから産休に入ろうと考えているのか、いつ職場に復帰する予定かを伝えられるとベターです。
出産後はどのタイミングで仕事に復帰するか、復帰後はどのような働き方をしたいのか、パートナーとよく話し合い、方向性を決めておくと話がスムーズでしょう。
今後の業務量・業務内容の調整について
妊娠中は体調が不安定になりがちなため、休んだときのフォロー体制を整えてもらえると安心です。
つらいときには、遠慮せずに業務量や業務内容の調整をお願いしましょう。
妊娠報告はどのようにする?【上司・同僚】
自分自身にとっては、妊娠・出産は家族が増える一大イベントですが、職場にとっては人員が1人欠けるという視点になります。
上司への妊娠報告のしかた
上司へは、先にも述べたとおり、なるべく早めに報告しましょう。
センシティブな話題でもあるので、空き会議室を借りるなど、ほかの人が入ってこない環境で直接口頭で報告するのがよいでしょう。
事前に、口頭かメールで「ご報告したいことがあるので、お時間をいただきたい」と約束を取り付けておくとスムーズです。
上司へ報告するときの例文
ここでは、上司に妊娠を報告するときのポイントと例文を解説します。
伝えること
- 妊娠した事実と現在の週数
- 出産予定日
- 産休、育休、職場復帰など今後の働き方
- 仕事内容において配慮が欲しいこと
<上司>例文
-
お時間をいただき、ありがとうございます。
〇月頃に妊娠が分かり、現在妊娠〇週で出産予定日は〇月〇日となっています。
産前は〇月あたりまで働き、産休・育休をいただいた後、〇年〇月頃に職場復帰したいと考えております。
今後の業務にあたり、~~~の部分でご相談させていただくことは可能でしょうか?
また、今後の引継ぎなどについてもご相談させてください。
同僚への妊娠報告のしかた
同僚への報告は、安定期に入ってからがおすすめです。
具体的なタイミングは、業務進行上の都合もありますので、上司の判断を仰ぎましょう。
同じチームで働く人たちには、ミーティングの場などを利用して報告するのが一般的です。
これも、前もって上司に「妊娠の報告をしたいので、時間をもらいたい」と相談しておくとスムーズに進みます。
チーム外の親しくしている同僚には、ランチや終業後など、あまり周りに人がいないときに直接報告しましょう。
同僚へ報告するときの例文
ここでは、同僚に報告するときのポイントと例文を解説します。
伝えること
- 妊娠した事実と週数
- 出産予定日
- 育休や産休、体調不良などで仕事の調整が必要になること
<同僚>例文
-
現在、妊娠〇ヶ月となっていて、出産予定日が〇月〇日です。産休には〇月頃入らせていただく予定です。
体調不良や育休・産休により、仕事の引継ぎや調整をさせていただくことになるかと思います。
ご迷惑をおかけすることもあると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
会社全体への妊娠報告のしかた
業務上もあまり繋がりのない社員など、会社全体への妊娠報告はわざわざ機会を設ける必要はありません。
産休の挨拶で妊娠報告を兼ねるケースが多いです。
産休の挨拶は、産休直前の朝礼などでスピーチをするか、産休に入る1か月前を目処にメールで報告するのが一般的です。
スピーチの機会はあるのか、過去に産休に入った社員はどのようにしていたのかなど、上司に確認しておくとスムーズでしょう。
<会社全体>例文
-
私事ですが、この度妊娠をいたしました。
出産予定日は〇月〇日で、〇月頃に産休に入らせていただく予定です。
業務の調整などでご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
取引先への妊娠報告のしかた
取引先へは特に妊娠の報告をせず、産休に入るときに挨拶するケースが多いです。
ただし、つわりなどで体調を崩して休みがちな場合や、早くから引き継ぎメンバーがプロジェクトに参加する場合などには、打ち合わせなどの際に口頭で報告してもよいでしょう。
また、体型の変化などから先方から気づかれたときには無理に隠さず、正直に話して構いません。
産休・育休制度の基本情報
妊娠をすると気になるのが産休・育休制度についてですよね。
ここでは、産休・育休制度の基本を解説します。
産休とはどのような制度?
産休は、正式名称を「産前・産後休業」と言います。
労働基準法では、予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から、産後8週間を産前・産後休業と定めています。
出産する人を対象とするため、女性のみ取得できる休業です。
育休とはどのような制度?
育児休業(育休)は、産休と異なり、男女両方が取得対象となります。
原則として、子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで取得することができます。
条件を満たしている場合は、1歳6ヵ月や2歳の誕生日の前日まで延長することも可能です。
育休期間中は、雇用保険に一定期間以上加入している人が、育児を目的とした休業中に受け取れる給付金「育児休業給付金(育休手当)」を受け取ることができます。
母性健康管理指導事項連絡カードの活用も検討を
妊娠中、「調子がよくないけど、職場に言いづらい……」ということもあるでしょう。
そのような場合には、母性健康管理指導事項連絡カードを活用しましょう。
母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)とは?
母性健康管理指導事項連絡カードは、女性労働者への主治医などからの指示事項を適切に事業主に伝達するためのものです。
働く妊産婦が主治医などから通勤緩和や休憩などの指導を受けた場合、その指導内容を事業主に的確に伝えられるように利用します。
母健連絡カードの使用方法
母性健康管理指導事項連絡カードは、主治医側が発行します。
健診の際に、通勤緩和や休憩に関する措置が必要であると主治医などから指導を受けたら、母健連絡カードに必要な事項を記入して発行してもらい、職場に提出します。
事業主には、母健連絡カードの記載内容に応じて男女雇用機会均等法第13条に基づく適切な措置を講じる義務があるので、提出されたカードを元に必要な措置を取ります。
無理をせず、体調と相談しながら働きましょう
妊娠が判明したら、労働環境の調整や人事の調整の観点から、上司にはなるべく早く報告したほうがよいでしょう。
また、同僚には体調が落ち着く安定期に、取引先には引き継ぎの詳細が判明する産休の1か月前までに報告するのが一般的です。
妊娠中は気がかりなことが多いものです。
職場に適切に報告することで、無理をせず、体調と相談しながら働く環境をつくることができます。
なるべく不安材料を減らし、快適な妊娠生活を送りたいものですね。
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ライター:サカイケイコ
3児の母。おかあさんだからって好きを諦めない、をモットーに、仕事に家事に育児に趣味に全力投球中。
2024年の目標はボディラインを整えること。
トレーニングの時間をどう作るか、考えています。
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