
様々な自宅学習教材がありますが、どれが自分の子どもに合っているかわからない。勉強の押し付けではなく、自ら学ぶ子になってほしい。
そんな思いを抱えているなら、一度試してみたいのが、子どもの知的好奇心を刺激する教材「ワンダーボックス」です。はたしてどのような教材なのか。
中身や教材開発の裏話をお聞きしてきました。
この記事のもくじ
キッズアライズ編集部が気になるベビー・キッズ関連サービスをご紹介。今回は、STEAM(※)分野を自宅で学べる教育プログラム「ワンダーボックス」です。
実際に手でさわって楽しむキット教材とアプリ教材の両輪で、4歳から10歳ごろまでの子どもたちの知的好奇心を引き出す教育プログラムは、学校のカリキュラムとは連動しておらず、思考力や創造力、意欲を引き出すというもの。そこにあるのは「わくわく」というキーワードでした。
- STEAMとは…Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字をつなげた造語で、これら5つの領域を重視する教育方針のこと。
ワンダーボックスとは
キットとアプリ教材を組み合わせたSTEAM領域の教育プログラム。
学齢に合わせた教材があり、トイ2種とワークブック1冊のキット教材が自宅に届くほか、デジタルならではの約10種類のアプリ教材が毎月更新されます。サイエンス、プログラミング、アートなどをテーマにした各教材を使ってあそぶように学べる教材です。
「ワンダーボックス」についてお聞きしました!
お聞きした方:ワンダーラボ株式会社 代表取締役 川島 慶さん
正解はひとつじゃない。わくわくするから興味を持つ
-ワンダーボックスは学校の授業に沿ったカリキュラムではありませんが、成績が上がったなどの実績(※)があるのはなぜでしょうか
川島さん:私たちは、子どもたちの知的な“わくわく”を引き出すことを大切にしています。アプリやキットで知的好奇心を刺激し、意欲を持ってトライして進めていくことで「できた!」「わかった!」という自己肯定感を高めていく。それが学校での学びにも良い影響を与えているのかもしれません。
幅広いことに挑戦意欲を持ち、自分の頭で考えて試行錯誤する楽しさを知ることで「一を聞いて十を知る」状態に近づいているからだと思います。
ワンダーボックスをご利用中の保護者からも「難しい問題に積極的に挑戦するようになりました」「日常生活に関連して子どもが話してくる機会が増えました」といった声を多くいただいています。
- 慶應義塾大学の中室牧子研究室、JICA(国際協力機構)による思考力育成教材「シンクシンク」(ワンダーボックスにも収録)を用いたカンボジアでの実証実験による結果。
-子どもが夢中になる秘訣はなんですか?
川島さん:シールやポイントなどのおまけのみで、やる気を引き出すのではなく、教材のおもしろさで自発的に続けていけるよう、様々な仕掛けをしています。
いくつかの問題を解くと、次に新しいエリアや問題が出てくるのですが、それがどんどん難しくなっていったり、ゴールが増えたり。考えたりつくったりすること自体を楽しく思える適度なゲーミフィケーションも含んでいます。
-具体的にはどのようなものでしょうか
川島さん:サイエンス教材「ケミーのじっけんマップ」では、大豆を起点に豆腐や味噌になるまでの化学反応が学べるのですが、最初はいくつかの工程が隠れています。やっていくうちに工程が現れてくるので、わくわくして先に進みたくなります。
また、進み方によっては途中で湯葉になるなど、最初に想定したゴールとは違う実験結果が現れることも。しかし、それも正解の一つとして「隠れているものを発見した!」と喜んでもらえるようにしています。
アプリとキットが連動するからおもしろい
-そのほかに、どのような教材があるのか教えてください
川島さん:算数オリンピックの作問メンバーがつくる良質な思考力問題や、基礎から応用まで楽しめるブロック形式のプログラミング教材、名画のコラージュで海の生き物をつくるという斬新で発見があるアート教材など、STEAM領域の多様なコンテンツが揃っています。
子どもたちが、好きなことをたくさんやりこめるように、新たなわくわくに出会えるようにと制作している教材です。
キット教材については、アプリと連携して、アナログとデジタルのハイブリットだからこそできるわくわくを楽しんでいただきたいと思っています。
-キット教材とアプリが連動できるんですね
川島さん:はい。化学実験など実際にやろうとすると大変なこともアプリ教材ならできますし、一方で実際に手を動かし、その場ですぐに試せるキット教材どちらにも良さがあり、2つがあってこその学びです。
子どもたちが楽しいと感じたものだけを教材化
-教材の開発はどのようにしているのでしょうか
川島さん:弊社で行っている授業や、保育園・学童・モニターの方々に実際に試してもらい、フィードバックをもらいながら教材を制作しています。子どもたちのリアルな声を聞くことを何よりも大切にしています。
-こだわりや気を付けていることはありますか?
川島さん:肌感覚ですが、約90%の子は説明をほとんど読まずに始めます(笑)。ですので、できる限り説明を見なくても、やりながら「あ、こうやるんだ!」「こうしたらどうなるかな」と試行錯誤できるようにしています。
例えば、図形やパズル、迷路などで思考力を育むアプリ教材「シンクシンク」には、言葉による説明がほとんどありません。細かい説明がなくても「まずはやってみよう!」と手を動かす中でルールがわかり、より難易度の高い問題にステップアップできるように設計されています。
勉強から離れたことでも学習意欲は育つ
-開発のきっかけを教えてください
川島さん:児童養護施設の学習支援をしていたことがきっかけです。当時、子どもたちが授業についていけるようにと、例えば5年生に3年生くらいの問題を出していました。ところが、子どもたちはやりたがりません。私は気づかないうちに、子どもたちの尊厳を傷つけてしまっていたのでした。
そこで「勉強しないよりは……」と思い、自作のパズルを持って行ったところ、喜んで挑戦してくれました。さらには、すぐに解き終えてしまう。そんなことが何度かあり「もう降参だ!」と言うと、自主的に学校の計算ドリルや宿題に取りかかり始めたのです。そのうちに学校の成績が上がった、授業についていけるようになったという話を聞くようになり、目的から離れたことでも学習意欲は上げられる。何よりも、自己肯定感を高めて意欲を持ってもらい、知的好奇心を持ってもらうことが大切だと感じました。
−子どもたち自身が「やろう!」という意欲が大事なんですね
川島さん:はい!子どもたちの意欲を何よりも大切にしたいと考えています。「シンクシンク」や「ワンダーボックス」など弊社で制作している問題は、いつも「知的なわくわくを引き出すこと」を1番に考えてつくっています。
「ワンダーボックス」で毎月10種類ほどの教材をお届けしているのは、この中で1つでも子どもが楽しんで取り組めるものがあればと考えているからです。
そのため、「ワンダーボックス」は全部やらなくてもOK、こう使わなければいけないというルールはありません、とお伝えしています。お子さまがやりたいと思えるものをとことん楽しんでもらいたいですし「これなんだろう、楽しそう!」と、新しい好きを発見してもらえたらとても嬉しいです!
ママやパパへメッセージ
-キッズアライズを見ているママやパパにメッセージをお願いします
川島さん: 「子どもに、わくわく学んでほしい」と、多くの保護者の方が願われていると思いますが、忙しい毎日の中で実現するのは簡単ではないと思います。また、大学受験も学校教育も大きく変わっていく時代に、このままでいいのかと不安を感じている保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
「ワンダーボックス」は、子どもたちの知的好奇心を引き出しながら、これからの時代に大切な理数力や創造力を育める教材です。「ワンダーボックス」をうまく使って、わくわく学ぶおうち時間を楽しんでいただければ嬉しいです。
今後も、子どもたちの有限で貴重な時間がさらに良いものになるようにサービスを洗練させて、多くのご家庭にお届けしたいと思います。
まとめ
授業に合わせた勉強ではなくとも成績が上がる理由はとてもシンプル。楽しいから、子どもたちが自主的に取り組み、自然と理数力や創造力が育まれていく。
「ワンダーボックス」は、子どもたちの可能性が広がる教材でした。