お店屋さんごっこや、美容師さんごっこ。
小さい頃にした“ごっこ遊び”を、アプリで本格的な内容で体験できるのが「ごっこランド」です。
子育て世代(ファミリー層)の約3分の1が利用しているという人気アプリの秘密に迫りました。
この記事のもくじ
キッズアライズ編集部が気になるベビー・キッズ関連サービスをご紹介。
今回は、無料ゲームアプリ「ごっこランド」です。
企業のお仕事を再現して体験できるアプリは、子どもたちの好きや興味を引き出し、夢中になる楽しさを教えてくれるサービスでした。
ごっこランドとは
株式会社キッズスターが提供する、様々な企業のお仕事体験などをゲームで楽しめる無料の知育アプリ。
商品や仕事を通じて、企業やブランドを知り、社会の仕組みを学ぶことができます。
2024年1月現在、70社以上の企業や団体が出店し、随時新規企業やゲームの追加、入替があります。
対象年齢は2~9歳ですが、100ゲーム以上あるため、高学年でも多くの利用者がいます。
「ごっこランド」についてお聞きしました!
お聞きした方:株式会社キッズスター 平田 全広さん
ゲームには、リアルな行動に導く力がある
――ごっこランドの開発のきっかけを教えてください
平田さん:うちの子が海外製のお掃除ゲームをしていた後に、自分から掃除機をかけるなどお手伝いをしたがったことがあったんです。
それを見て、ゲームという疑似体験をきっかけに、実際のリアルな体験に結び付くのはおもしろいと感じました。
そして、それが実際に存在する様々な仕事を体験できるものであれば、自分の周りを取り巻く色々なサービスが企業によって行われているといった社会の仕組みに触れて知ることになると思いました。
ゲームは大人にとってはあくまでも疑似体験ですが、子どもにとっては案外リアルな体験です。
だからこそ、ごっこランドで紹介する商品や仕事は、実際の工程にできるだけ近づけていくようにしています。
――100以上のゲームがあるとのことですが、無料のアプリゲームとしては、かなり多いですよね
平田さん:開発コンセプトで重視したのは、子どもが自分自身で情報に触れて、自分で好きなものを探すことができるという点です。
自分で選んで情報を得て、これは好き、夢中になれる。
そういったものを見つけていく場にしたいのです。
数多くの疑似体験の中から、興味をもったものを気兼ねなく選んで楽しんでほしいので、手軽な無料のアプリゲームにしました。
ゲームなら、表に出てこない仕事や企業にも触れられる
――人気のあるゲームや職業はどのようなものでしょうか
平田さん:理容師・美容師、スタイリストのような、多くの選択肢があって着せ替えのように色々な組み合わせができ、毎回異なる結果が得られるゲームは人気がありますね。
あとは車などの乗り物関連は、やはり人気です。
――航空会社のゲームでは、パッと見て分かりやすいパイロットやキャビンアテンダントだけではなく、空港の地上スタッフのお仕事もあります
平田さん:飛行機に預け入れる手荷物を積んでいくのですが、世の中には目につく仕事だけではない仕事がたくさんあり、そういった仕事のおもしろさも伝えていきたいんですよね。
実は参画いただく企業にはBtoBの会社も増えていて、社会を動かしている縁の下の力持ちのような仕事の存在も遊びながら知ることができます。
そうやって小さい頃から様々な仕事、業界を知ることができれば、例えば就職活動の時に初めてやりたい仕事を探すのではなく、自分に何ができるのか、向いているのかを早くから考えておくこともできるのかなと期待しています。
――ゲームをつくるうえで気を付けていることはありますか?
平田さん:ゲームにはいくつかのパターンがありますが、できるだけ選択肢が多く、爽快感や達成感が得やすい演出を心掛けています。
商品や仕事、企業の魅力、おもしろさをどう表現するのかは、毎回試行錯誤です。
これまでに印象に残っているのは食品用ラップですね。
ラップのおもしろさとは何か。ラップをかけたいものの形やサイズは多種多様で、それに合わせてラップも大中小あることから、出てくるモノに対してどのサイズのラップを使うのかを選ぶようなゲームにしました。
大きさを推測して合っているものを考えることから、知育的な要素もあり、評判が良かったです。
将来なりたい職業の発見や食べ物の苦手克服など、リアルへの影響も大
――アプリのダウンロードサイトに掲載されているユーザーの声には、パパ・ママだけではなく子どもたちからの声も多いですね
平田さん:そうなんです。「アレがおもしろかった」「〇〇のお仕事をやりたい」などストレートな感想や希望のほか、「将来は〇〇になる!」と決意表明してくれる子もいます。
そして、このゲームは2~9歳が対象ですが、レビューを見ると小学校高学年になっても続けている子が結構多いんです。
中には、子どもの頃から続けていて高校生になってアルバイトを始めた子が、仕事の練習になったと記入してくれたこともありました。
それぞれの企業の仕事内容をできるだけ忠実に再現するようにした甲斐がありました。
――パパ・ママからの声にはどんなものがありますか?
平田さん:私が個人ブログで見つけたものですが、料理をするゲームをしていた子どもが、そのゲームに出てきた大嫌いなピーマンを食べてくれるようになった、というものがありました。
そんな風に、ゲームでの体験がリアルの体験へのきっかけになるのは、最初に目指したところなので本当に嬉しいです。
子どもの好きや興味を見つけ、夢中になれる気持ちを育てる
――ゲームというと、ついつい子どもだけで遊ばせてしまいますが、親が気を付けることはありますか?
平田さん:様々な職業があるので、子どもがどんなゲームや職業に興味を持つのかを聞いてみてあげると良いと思います。
子どもが自分で見つけた夢中になれるものが何なのか。
意外にも「こんなことに興味があったんだ」「うちの子はこんなことが得意なんだ」と気づくことがあるかもしれません。
そこには学校の勉強ではわからない、子どもの「得意なコト」があると思います。
――キッズアライズを見ているママやパパにメッセージをお願いします
平田さん:夢中になって集中し続けることができる子は、世の中を変える力があると思っています。
そんな子どもたちの夢中になれるコトをサポートしたい。
色々な「好き」や「得意なコト」を伸ばし、活かしていける環境をつくるのが大人の使命だと思い、今後も様々なコンテンツを提供していきたいですね。
子どもの「好き」を見つける
子どもがいつの間にか企業の名前を覚えている。
そんな声もあるごっこランドは、単なるゲームではなく「好きなコト」「夢中になれるコト」を見つけられるツールでした。