
毎月絵本が届くサブスク(定期購入)は、自分では選ばないような本に出会えると人気です。
なかでも世界の絵本をお届けするワールドライブラリーが気になるというパパやママが急増中。
どんな絵本があり、子どもの成長にどのような影響を与えてくれるかなどをお聞きしました。
この記事のもくじ
キッズアライズ編集部が気になるベビー・キッズ関連サービスをご紹介。
今回は、世界の絵本を毎月お届けする「ワールドライブラリー」です。
海外の絵本だからこその色使いやデザイン、そして世界の人々の様子が描かれた本は、子どもたちの異文化への興味を育ててくれそうです。
ワールドライブラリーとは
世界30ヶ国以上の絵本を翻訳・出版するワールドライブラリー。
保育園などへのレンタル事業の他、個人向けに毎月1冊の本が届く絵本のサブスク「ワールドライブラリーパーソナル」を展開中。
子どもの月齢に合わせたコースと、好きな月齢からスタートできる2つのコースがあります。
「ワールドライブラリー」についてお聞きしました!
お聞きした方:株式会社ワールドライブラリー 林 佑次さん
多様性を尊重する、世界の文化が垣間見える絵本
――世界30ヶ国以上の絵本が紹介されていて、海外ならではの色使いやデザインはもちろん、テーマ性の高い絵本が印象的です
林さん:ワールドライブラリーの絵本は、私たちが直接海外に出向き見つけてきて翻訳、出版した本です。
一部の書店で販売している絵本を除き、基本的にはオンラインショップおよび弊社のサービスでしか購入ができません。
毎月必ず購入してくださるサブスクの仕組みだからこそ、売上に偏重し過ぎないテーマ性やこだわりを持った選書ができます。
――翻訳・出版する本のポイントとなる点はなんでしょうか
林さん:選書には3つのポイントがあります。
1つは「世界の文化が垣間見えるもの」です。
絵本の中に映し出されている食べ物や生活用品、家具の違い。
お風呂の様子といった生活習慣の違い、街の様子。そういった海外ならではの雰囲気が描かれているものです。
2つめは「多様性、個性をテーマにしているもの」。
多民族国家の多い海外には、様々な人がひとつの国で暮らすために多様性や個性を尊重するといった系統の絵本が多いのです。
こういったテーマのものは積極的に取り入れています。
3つめは海外ならではのデザインやしかけのおもしろさですね。
アイデアが豊富で文字が読めなくても見ているだけで楽しい本がたくさんあります。
――欧米の絵本だけではなく、アジアや中南米の絵本もあるのが新鮮です
林さん:様々な国の絵本を出版することで、多種多様な国を紹介できます。
その国の名作ながら「テーマ性が高くわかりにくいかも」「大ヒットが期待できないので出版まで至らない」といった理由で、日本で出版されていない隠れた名作を紹介したいのです。
そういった本と、しかけ絵本や楽しい絵本、うつくしい絵本もバランスよく配本しています。
絵本が海外や人への興味を広げていく
――裏表紙に国旗が記載されていて、どの国の絵本かがすぐにわかるのもいいですね
林さん:これは原著にはない日本語版独自の工夫です。
国旗を見ながら「どんな国なんだろう」と話を広げて、異文化や多文化教育のきっかけになってほしいですね。
――絵本だからこそ、色々な楽しみ方ができそうです
林さん:絵本って何度でも楽しめるんですよね。
1回目は絵を眺めるだけでもいいんです。
2回目から物語を楽しみ、3回目以降は絵の中にある文化が楽しめます。
「家の中で靴を履いているのはなぜ?」「お風呂の形が違うね」など日本との違いを楽しんだりすると、親子のコミュニケーションにもなります。
多種多様な民族や色々な人が登場する海外の絵本
――海外の絵本の特徴はありますか?
林さん:登場人物の中にごく普通に多種多様な民族がいます。
民族だけではなく車いすの子が描かれているなど、本当に色々な人が登場するのは、海外の絵本ならではですね。
――絵本を日本語に翻訳して出版するにあたっての工夫があれば教えてください
林さん:一般的に日本語の絵本は「日本語の音・リズム」「読みやすさ」も重視しますが、私たちは意訳をし過ぎないように、現地の文化や考え方はできるだけ原著に忠実に訳すようにしています。そこから垣間見えるテーマ性を大切にするためです。
――テーマ性が高い絵本とはどのようなものでしょうか
林さん:例えば、オランダの絵本『ちぐはぐソックス』は、左右そろいの靴下を履くのが嫌な男の子が出てきます。
個人の好みや個性を尊重して「そういう子がいてもいいよね」というのが伝わってくる内容です。
ただ、このお話はそこで終わらずに、皆がちぐはぐソックスを履き始めたので、結局同じになってしまい……、と話が続きます。
そこも興味深いです。
――サービスの対象年齢が1歳~7歳までです。テーマ性が高いものは難しくないでしょうか?
林さん:テーマが前面に出ているわけではない本も多くあります。
例えばブラジルの絵本『ぼくの窓から』は、貧しい人たちが集まるスラム街に住む男の子のお話です。
でも貧富の差などについて語るわけではなく、山沿いに広がるカラフルな壁の家々の様子や、そこで暮らす人々、雨上がりの虹が淡々と映し出されます。
その国の一部分ですが生活の様子がわかる。
それだけでもおもしろいのですが、貧富について語り合うこともできる。
そんな絵本です。
ご家庭で「これってなんだろうね」と会話が広がればいいなと思っています。
異文化に興味をもってもらうための最初の一歩
――キッズアライズを見ているママやパパにメッセージをお願いします
林さん:私も二児の親ですが、子どもには英語を話せるようになってほしい、グローバルな人材になってほしいといった思いがあります。
その最初の一歩となるのは海外への興味です。
絵本で海外の文化を知ることは、言葉やその国を知りたいといった興味が生まれるきっかけとなり、学んでいく原動力となる。
そう思っていますし、そんな後押しができる絵本をこれからも紹介し続けていきたいです。
まとめ
販売価格よりもお安く購入できるとあってお得感のある絵本のサブスク(定期購入)ながら、普段の自分なら選ばないような絵本に出会えることで、子どもの感性や知識を偏りなく広げることができるサービスと言えそうです。