遊びを通して子どもは様々なことを学んでいきます。
楽しむことが一番ですが、できれば長く遊べて、学習の助けにもなる良質なおもちゃを与えたいものですよね。
そんな願いを持つママやパパにおすすめなのが、磁石でピタッとくっつき、平面から立体をつくれる「ピタゴラス」です。
知育玩具として長く愛され、保育園などでも活用される理由に迫ります。
この記事のもくじ
キッズアライズ編集部が気になるベビー・キッズ関連サービスをご紹介。
今回は知育玩具「ピタゴラス」です。
想像力や空間認識力を育み、算数にも役立つというおもちゃについて、発売元のピープル株式会社の担当者にお話をお聞きしました。
ピタゴラスとは
磁石の入ったプレートをピタッとくっつけて遊ぶうちに、自然と図形や立体の構造を理解していきます。
1歳からのBASIC、3歳からのWORLD、6歳からのSCHOOLなどのシリーズ別に15種類以上のセットを販売。
昨年30周年を迎えたロングセラー商品です。
「ピタゴラス」についてお聞きしました!
お聞きした方:ピープル株式会社 花牟禮 瑠実子(はなむれ・るみこ)さん
磁石で「ピタッ!」とくっつく 1歳から小学生まで遊べる知育玩具
――改めて、「ピタゴラス」のコンセプトと遊び方を教えてください
花牟禮さん:ピタゴラスは、中学校の数学教諭が図形の展開図などをわかりやすく教えるために考えた教材を、幼児や小学生にも楽しく使ってほしいという思いから生まれたおもちゃです。
平面のパーツが磁石でくっつき、簡単に立体をつくれます。
子どもの個性や発達段階によって遊び方は様々です。
年齢はあくまで目安ですが、1歳ごろは磁石でくっつけたり、はがしたりする感触に夢中になり、2歳ごろは平面の造形遊びを、3歳ごろになると立体を組み立てられる子もでてきます。
6歳ごろでは複雑な作品をつくれるようになるほか、学校の図形や展開図の勉強にも使っていただけます。
――対象年齢別に色々なセットがありますが、成長とともに買い替えが必要でしょうか?
花牟禮さん:どの商品も基本となる四角プレートの構造は同じです。
そこに、動物、恐竜、車、ボールコースターなど、子どもの月齢や興味・関心に合わせたパーツを用意しています。
1歳向けなら、簡単に造形が完成する立体になったパーツも入れるなど工夫はしていますが、子どもは成長に合わせて遊び方を発展させるため、ひとつのセットで長く楽しんでいただけます。
興味・関心の移り変わりや「もっとたくさんのパーツで作品をつくりたい」といった希望に合わせ、買い足しをご検討いただければと思います。
空間認識力や算数の理解に役立つ
――空間認識力が育つという点も魅力的です
花牟禮さん:遊びに没頭しながら、プレートを自分の目で見て、手でふれ、そして頭をひねって並べたり組み立てたりするうちに自然と空間認識力が育ちます。
空間認識力とは物の位置、形状、方向、大きさ、動きなどを正確に認識する能力のことですが、一般的に空間認識力が優れていると、地図を正しく読めたり、平面図形を見て頭のなかで立体を思い描くことができたりするといわれます。
――数学、スポーツ、芸術と多様な分野で役立つ力といわれていますね
花牟禮さん:ただ、空間認識力が育つのはあくまで副産物で、私たちは子どもが夢中になって遊べる商品を届けたいというのが一番の思いです。
「算数に役立つ」といわれるのも、学校で図形を学ぶときに楽しかった遊びの記憶を思い出して理解しやすくなるのかなと思います。
実は数年前に、数学検定1級に合格した小学生が遊んでいたおもちゃとして「ピタゴラス」がメディアで取り上げられました。
そこから子どもが数学に強くなると話題になり、保護者の支持が集まったという背景があります。
想像力が無限に広がり、歳の離れた兄弟姉妹も一緒に楽しめる
――ほかのブロックおもちゃに比べると、大きな造形もサクサクつくれるのが特徴ではないでしょうか
花牟禮さん:そうですね。
自分の思い通りの形がすぐにつくれるので、遊びが広がりやすいのだと思います。
簡単に崩せるのもポイントで、つくった作品を壊すのも遊びの一部。
保護者の方からは、片付けが楽で助かるという声も寄せられます(笑)。
子どもの想像力は本当に豊かです。
例えば、水色の四角パーツが動物の水飲み場になったり、黄色と白の三角パーツをくっつけてソフトクリームになったり。
色や形をきっかけに、想像をふくらませることも多いですね。
――そのほかに「ピタゴラス」ならではのメリットはありますか?
花牟禮さん:年齢や性別を問わないユニバーサルなおもちゃだという点は、今後もっとアピールしたいと考えています。
歳の離れた兄弟姉妹で遊べるのも特長のひとつです。
ご縁があって発達障害のお子さまを育てるお母さんと知り合ったのですが、障害のあるお兄ちゃんと弟たちが協力して建物づくりに挑戦したそうです。
兄弟それぞれが夢中になれる遊び方を見つけながら、ともに創作を楽しむ姿に感動しておられました。
――保育園などでも活用されているそうですね
花牟禮さん:はい。
保育園の先生は「場」をつくれることが魅力だとおっしゃいました。
平面に並べるだけでステージになり、壁や箱も簡単に完成するため、ほかの人形やフィギュアと組み合わせても遊べます。
大人が夢中になることも多いんですよ。
30年愛されるロングセラー。開発当時の苦労と海外での広がり
――開発当時のエピソードをお聞かせください
花牟禮さん:今でこそ磁石を使ったおもちゃが普及していますが、ピタゴラスの開発を始めた32年前は珍しいものでした。
磁石で心配なのが誤飲です。磁石が外に出ないようかなり試行錯誤したと聞いています。
――「ピタゴラス」という名前も印象的です
花牟禮さん:三平方の定理を発見したとされる古代ギリシアの賢人・ピタゴラスに由来することに加え、磁石で「ピタッ」とくっつくという意味もあります。
発売当時を知る親御さんは、「ピタッ! ゴラス」と繰り返されるCMが印象的だったとおっしゃいます。
1997年にはアメリカに渡り、「Magna-Tiles(マグナタイルズ)」の名称で販売を開始しました。
現在はアジアやヨーロッパにも広まっています。
――最後に、キッズアライズの読者にメッセージをお願いします
花牟禮さん:「ピタゴラス」の遊び方に正解やゴールはありません。
お子さまのつくったものを評価するというよりも、ママやパパも一緒になって、頭のなかの「そうぞう」を自分の手でつくる体験をぜひ楽しんでもらえるとうれしいです。
まとめ
賢く育って欲しいという願いはありつつも、親にとって最高の喜びは遊びに夢中な子どもの笑顔を見ること。
お話を伺い、そんなシンプルな答えにたどり着きました。