子どもたちの読解力低下が指摘されているのをご存知ですか?
通信教育では作文講座などが登場していますが、今回は読解力の土台となる「ことば」そのものに着目したオンライン学習「ことばパーク」をご紹介します。
この記事のもくじ
キッズアライズ編集部が気になるベビー・キッズ関連サービスをご紹介。
今回は、言葉に関するオンライン学習を提供する「ことばパーク」です。
お話をお聞きしてみると、学研教室などでおなじみの学研エデュケーショナルが提供する「ことばパーク」は、集中力や読解力が向上するだけではなく、子どもの学ぶ気持ちが育つサービスでした。
ことばパークとは
学研エデュケーショナルが運営する「聞く・話す・読む」力を伸ばす小学生向けオンライン学習サービス。
グループコースとマンツーマンコースがあり、グループコースは学年にあわせて受講。
レッスンは、1回25分×月3回。
講師とオンラインで言葉を交わしながら進めていきます。
「ことばパーク」についてお聞きしました!
お聞きした方:株式会社学研エデュケーショナル オンライン事業課(ことばパーク担当)川原萌さん
読解力が向上するとコミュニケーションが楽しくなる
――「ことばパーク」とは、どのような学習サービスですか?
川原さん:子どもたちの「聞く・話す・読む」力を伸ばすオンラインの学習で、教科学習や日常生活に必要な読解力や、コミュニケーション能力を高めることを目指しています。
そして、それらを下支えするワーキングメモリに働きかけるような学習アプローチを取り入れたカリキュラムでレッスンを行っています。
――ワーキングメモリとはどのようなものでしょうか。
川原さん:よく「脳の黒板」と例えられますが、目や耳から入って来た情報を一時的に記憶し処理する機能がワーキングメモリと呼ばれています。
黒板の内容をノートに写す場合に、何度も見て書く子もいれば、一度でほとんどを覚えて書ける子がいるように、人によって一時記憶の容量や処理能力が異なります。
ワーキングメモリが学力に深く関連しているという研究結果もあり、記憶力や集中力の向上、気持ちの切り替えなどにも影響があると考えられています。
――読解力が向上することで生まれる利点は、国語の成績が上がるなどのほかにどんなものがあると思われますか?
川原さん:読解力はあらゆる場面で必要です。
国語はもちろんのこと、算数の文章問題や、社会、理科など学習全般に良い影響があると考えています。
加えて、言葉に興味をもって自分から調べるようになるなど、学習意欲が向上したり、保護者や先生の話を集中して一度で聞き取れるようになったりといった変化の声を、実際にいただいています。
――成績だけではないのですね
川原さん:はい。
これまでいただいたお声の中で私が素敵だなと思ったのは、人見知りでボソボソと小さな声で話すことが多かった子が「自分から自信を持って話すようになった」というものです。
また、自分から進んで本を読むようになった子もいます。
レッスンで使用する作品は様々で、取り上げる箇所も実際の作品のほんの一部。
その前後が気になり、自分で本を買ってきて読むようになったそうです。
子どもの興味関心を広げていくお手伝いもできていると感じています。
3つのステップで楽しく学ぶ
――レッスンの内容を教えてください
川原さん:月3回、1レッスンは25分あり、「聞き取り(8分)」「文章の読解(12分)」「ことば(5分)」の3つのステップで進みます。
「聞き取り」では、子どもの聞く姿勢と集中力を高めることに主軸を置き、講師が話した内容に対してメモを取らずに答えます。
例えば、短いお話を読み、その中に出てきたパンという単語の数を答えてもらうなどです。
あえてメモを取らないことで、子どもたちに集中して聞く姿勢が生まれます。
――「聞き取り」で集中力を高めて、次の「文章の読解」へ進むのですね
川原さん:はい。「文章の読解」では最初は画面上に文章を表示して音読しますが、その後、画面から文章を消して質問をし、記憶を頼りに答えてもらいます。
例えば、登場人物が何色の靴を履いていたか、などです。
始めは慣れずに難しいと感じるお子さんもいらっしゃいますが、だんだんと慣れて回答できるようになります。
ことばパークの文章の読解ができるようになったことで、普段の学校での授業態度や理解度も変わってきたというお声も伺います。
最後の「ことば」は、言葉にまつわるゲーム要素を含んだレッスンです。
しりとりや言葉集め、言葉の並び替えなど、言葉の知識量を増やして、自分で使える言葉を増やしていくことが目的です。
――グループコースとマンツーマンコースがあるとのこと。何か違いはありますか?
川原さん:グループであっても講師は全員に発言機会があるように声掛けをしますし、その子に合った聞き方や褒め方をするので、学ぶ内容に違いはありません。
グループや講師は固定ではなく、自分の好きな時間、好きな講師を選んで参加できますので、毎回グループメンバーが異なるのもおもしろい点です。
全国各地の子どもたちと言葉が交わせるのは、オンラインで行うグループレッスンならではだと思います。
しかし、他の子がいると緊張してしまう子もいます。
最初はグループレッスンで参加しても、途中からマンツーマンに切り替えることは可能ですし、逆に慣れてきたのでグループレッスンに入ってくる子もいます。
――講師にはどのような方がいらっしゃるのでしょうか
川原さん:ことばパークは、正式にスタートしてから2年半ほどの学習サービスです。
最初の頃は既存の学研教室の先生が中心となりレッスンをしていましたが、会員数の増加に伴い学研教室の先生以外の講師も増やしました。
現在はさまざまな経歴をお持ちの方が活躍されています。
全国各地の方々が講師として参加してくれているため、方言だったり、出身地の話が出て子どもたちが興味を持ったりと、副次的な知的好奇心を刺激するきっかけになっていることもあるようです。
学ぶことの楽しさを体験してほしい
――ことばパークを通して、どのような体験を子どもたちにしてほしいと思いますか?
川原さん:学ぶこと、物事を知ることっておもしろいなと感じてもらえたら嬉しいです。
その結果、自分の世界が広がっていく。そんなきっかけになればと思っています。
子どもたちが生きていく際、言葉を理解してコミュニケーションをとっていくことはとても大切なスキルです。
そんな基盤の一部を育てることをお手伝いし、困難なことに見舞われたときや、何かをしてみたいと思ったときに、自分の持つ力を使いこなしていく一助になれれば嬉しいです。
学校の授業とは違ったアプローチで"ことば"を学ぶ
作文の書き方を習ったり、国語の勉強をしたりするのではないことばパークは、子どもたちのもつ基本的な学習力を鍛えてくれそうです。