お正月は家族がともに過ごせる良い機会です。
さまざまなお正月遊びを通して、家族のコミュニケーションを深めてみませんか?
時間を持て余すとスマホやテレビゲームに頼りがちなご家庭は特に、たくさん笑って体も動かせる日本の伝統的な遊びにチャレンジしてみてくださいね。
この記事のもくじ
子どもとお正月遊びをして日本の伝統を伝えよう
お正月遊びの多くは、古くから続く遊びです。
その由来や意味を伝えることで、子どもは遊びながら昔の人の暮らしに想像をふくらませることでしょう。
日本の伝統や文化に触れることは情操教育にもつながります。子どもの豊かな心を育むのに、お正月遊びは一役買ってくれるはずですよ。
【屋内編】親子で楽しめるお正月遊び一覧
代表的なお正月遊びから、屋内で遊べるものを9つご紹介。
由来もお伝えしますので、機会があればお子さんに話してあげてくださいね。
目隠しをした人が、紙に描かれた顔の輪郭に目・鼻・口などのパーツを置いていく遊びです。
配置によっては面白い顔ができあがり、笑いが絶えません。
一説には江戸時代後期に誕生したとされ、明治時代にお正月遊びとして定着したといわれています。
福笑いを親子で手作りしても楽しいですよ。
サイコロを振り、出た目の数だけマス目に沿ってコマを進めるすごろく。
江戸時代には極楽浄土への道筋などを描いたすごろくが登場し、誰が最初に極楽浄土に行けるかといった競争を新年の運試しに行ったとか。
数字がわからない子がいる場合は、親子や兄弟でペアになりチーム対抗戦で遊ぶのもおすすめ。
競争意識が芽生え盛り上がりますよ。
一番上のだるまを最後まで落とさないよう、下の段から木槌で叩いていく遊びです。
転んでも起き上がるだるまは、縁起物としてお正月に並びますよね。
だるま落としのだるまは、落ちて転んでも起き上がれないため、落とさないように遊ぶのです。
成功すれば、その一年の災いを避けられるといわれています。
コツが必要な遊びなので、素早く叩く、水平に打つなど子どもとあれこれ試しながら楽しめますよ。
読み上げられる札に合った絵札を取り合う遊び。
室町時代にポルトガルの船員から伝わった「うんすんかるた」というカードゲームと、平安時代の貴族の遊び「貝合わせ(絵が描かれた貝殻を並べ、ペアを当てる遊び)」が結びついて生まれたそうです。
ひらがなやことわざが覚えられて勉強にもなります。
まだ文字を読めない子と遊ぶときは、絵柄だけでも正解の札がわかるかるたを選びましょう。
歌人の歌から百首を集めたもの。
読み手が和歌の上の句を読み、それに合う下の句を取り合う「かるた」遊びが江戸時代に庶民に広がり、お正月遊びの一つに定着したといわれています。
家族で気軽に遊ぶなら絵が描かれた読み札だけを使う「坊主めくり」がおすすめ。
ルールは簡単です。
平安時代、コマ回しは貴族の遊びでした。
庶民に広まったのは江戸時代で、お正月遊びとして親しまれるようになったのは、コマが回る姿が「お金が回る」「物事が円滑に回る」ことと重なり縁起が良いからと考えられています。
コマに巻き付けた紐を勢いよく引いて回すタイプのほか、指でひねって回すだけのコマもあります。
誰が一番長く回せるか競争しましょう!
並べられた他の人のめんこに自分のめんこを叩きつけ、ひっくり返したりフィールドの外に弾き出せたりしたら自分のものにできる遊びです。
江戸時代には泥で作った「泥面子」があり魔除けの意味もありました。
めんこは折り紙や厚紙で作れます。
厚紙を重ねたり、丸い形にしてみたり、絵を描いたり、シールを貼ったり作り方は自由。
誰が一番強いめんこを作れるか勝負すると盛り上がりますよ。
小豆などを入れて手作りもできるお手玉。
奈良時代に中国から伝わった、水晶を使った「石名取玉(いしなとりだま)」が起源といわれています。
お手玉は音も触感も楽しめるので、小さな子に良い刺激を与えられますよ。
複数のお手玉を空中に投げてキャッチする遊びは難しいため、まずは1つのお手玉で練習してくださいね。
紐でつながれた玉をけん(軸)先や、けんにある大小の皿にのせて遊びます。
けん玉が日本に入ってきたのは江戸時代。
その頃は大人がお酒の席で遊ぶものだったそうです。
けん玉自体の難易度は高めですが、技の種類が豊富で練習し甲斐があるはず。
チャレンジ精神を刺激される子もいるでしょう。子どもには「投げない」「振り回さない」など、けん玉で遊ぶときの約束を伝えてくださいね。
【屋外編】親子で楽しめるお正月遊び一覧
お正月の外遊びは冬の空気や自然を感じるチャンスです。
屋外で楽しめるお正月遊びを2つご紹介します。
羽子板で羽根を打ち上げる羽根つきが日本に伝わったのは、室町時代。
羽根に使われるムクロジの実は「無患子」と書くことから、子どもの無病息災の願いを込めたお正月遊びとして定着したとか。
失敗したら顔に墨を塗られるのも、魔除けの意味があるそうです。
2人で打ち合うだけでなく、1人ずつ羽根を空中に打ち上げ、何回続くかを競う遊びもできます。
慣れたら歌いながら遊ぶのも楽しそうですね。
凧は中国では占いや戦いの道具でしたが、日本には平安時代に貴族の遊びとして伝わりました。
江戸時代に庶民の間で流行し、男の子の誕生を祝い、成長を祈って凧をあげたそう。
また「願い事を天に届ける」という意味も込められています。
自分の凧が高くあがると、嬉しいもの。ぜひその感動を味わわせてあげましょう。
凧あげをするときは電線などのない広い場所で遊んでくださいね。
【1~3歳】小さな子はアレンジして遊ぼう
福笑いやコマ回し、めんこなら小さな子でも遊べますが、羽子板やけん玉は難しいですよね。
年齢に合わせた遊びを選ぶのも良いですが、少しの工夫で1~3歳くらいの子も遊べるようになりますよ。
幼稚園や保育園で取り入れられているアイデアから一部をご紹介します。
紙コップでけん玉作り
紙コップと丸めた紙を紐でつないだ手作りけん玉なら、手に当たったり、落としたりしてもケガをしにくいので安心です。
紐の長さで難易度を調整できるのもポイント。親子で一緒に作るとより楽しめそうですね。
輪になってお手玉渡し
1人1個ずつお手玉を持ち、歌いながら右隣の人の左手に渡していく遊びです。
慣れるまでは歌わずに「せーの」の声かけで進めるのも良いでしょう。
1歳くらいの子なら色とりどりの可愛いお手玉を「ちょうだい」「どうぞ」と渡し合うだけでも楽しいですよ。
手作りの羽子板で風船転がし
羽子板は重いので、厚紙や段ボールで手作りすると小さい子でも持ちやすくなります。
風船や紙風船を転がして、誰が早くゴールできるか競争しましょう。
お正月遊びを親子のコミュニケーションの時間に
日本の伝統的なお正月遊びは、現代では大人も触れる機会が減っています。
お正月遊びを通してお子さんの健康や成長を祈りながら、親子のコミュニケーションを楽しんでくださいね。
ライター:あまね
チャイルドカウンセラーの資格を持つママライター。
HSC(ひといちばい敏感な子ども)の娘の心に寄り添うため、子ども認知行動療法やアートセラピーを勉強中。
目標は自分だけの仕事部屋を持つこと。