一人で大人しく遊んでいる隙に家事を済ませようとしても、その場を離れてママの姿が見えなくなると探して激しく泣いてしまう子ども。
代わりにパパがあやしてくれてもまったく効果なし。
一体どうしたらよいのでしょうか。
思うように家事が進まない! 子どもの後追いがストレスに
少しでもママがそばを離れようものなら、泣いて追いかけてくるわが子。
放っておくわけにもいかず、やりたいことも進まない! そんなジレンマに悩んでしまうママは多いと思います。
家事が思うように進まずイライラしてしまったり、子どもの相手をしてあげられない自分を責めてしまったり、「なぜママじゃなきゃだめなの? 一人になりたい!」と精神的に追い詰められてしまうときもあるでしょう。
パパや祖父母、一時保育などに預けるときも、激しく泣かれてしまうと、結局早く帰ってきてしまった、なんて経験のあるママもいるかもしれません。
ママと離れて不安で泣くのは成長していく段階の一つ
子どもが泣く理由は、いたってシンプル。
ママから離れることに不安や寂しさを感じているからです。
ママへの愛着が芽生え、ママと他の人とを見わけられるようになった順調な成長の証です。
子どもにとってママは安全基地であり、泣くことで「一緒にいてほしい」という気持ちを表現しています。
子どもに泣かれると、ママはなんだかかわいそうなことをしているような気持ちになりますが、そんなことは決してありません。
順調に成長し、泣くことで感情を表現しているのだととらえましょう。
子どもが泣いてママを探すのは、ママとの信頼関係ができている証拠です。
子どもが泣くのを我慢して寂しい気持ちを押し殺すのではなく、泣いて気持ちを表現できているのだと安心してください。
ママが対応できないときも、後ろめたさを感じなくて大丈夫です。
泣くのは悪いことではない、対応できないときは泣かせても大丈夫
子どもが泣くことは必ずしも悪いことではありませんが、ママにとってはつらいことですよね。
子どもにはそれぞれ特性があります。
例えば肌のふれあいに敏感な子、においのふれあいに敏感な子、音のふれあいに敏感な子などです。
子どもが泣いてしまうときは、その子にとって居心地のよいことを探してみましょう。
「肌のふれあい」に敏感な子なら、背中に密着できる「おんぶ」がとっておきの方法です。
ママがキッチンで料理をしていても、安心して背中で寝てしまう子もいます。
「においのふれあい」に敏感な子には、ママのシャンプーに似た香りのするガーゼを持たせると安心します。
「音のふれあい」に敏感な子には、音楽を聞かせたり、オルゴールや音の出るおもちゃを用意するなど、子どもの特性に合わせた工夫をしてみてください。
すぐに対応できないときは、「ママがいなくて寂しいよね、今ご飯つくっているからちょっとだけ待っていてね」などと声をかけ、子どもの不安な気持ちを代弁してあげることが大切です。
1~2歳頃は、大人の言葉をほとんど理解しています。
ただ自分の気持ちを表現することはまだ苦手です。
用事が終わったら「待っていてくれてありがとう」と声をかけると、子どもは安心できます。
また、ママを待てたという経験が、少しずつ子どもの自信になっていきます。
よく聞くのが、パパがお世話をしようとすると「ママがいい!」と泣いてしまうケース。
そのときは、日常生活の中でパパとママの良好な関係を意識して見せていくと、子どもも次第にパパも信頼できる人だと認識していきます。
これは祖父母や保育園の先生に預けるときも同様です。
ママ以外にも自分が安心できる存在の人がいることを、少しずつ教えてあげましょう。
家事をする間に、子どもにテレビやスマホを見せていてもよいのだろうかと悩むママやパパも多いかと思います。
それで育児がラクになるのであれば大丈夫です。大事なのはバランスです。
テレビやスマホの見せすぎには注意しつつ、上手に取り入れてください。
監修:増本さおり
第16期認定子育てアドバイザー(保育士、幼稚園教諭・千葉市高洲子育てリラックス館リーダー)
文:山村智子
イラスト:Ryoko Ishiyama