子どもが一歩外へ出て貝のように口を閉ざしていると、「友達と遊べないのでは?」「大きくなってもこのままだったらどうしよう」とママやパパは心配。
家での様子とギャップがあって戸惑ってしまいますが、どうしたらよいのでしょうか。
このままで大丈夫? 内気すぎる子どもが心配
自分の子どもが友達の輪に入れずにいる姿を見るのは、ママやパパにとって切ないこと。
なんとかしてあげたいと思うのが親心です。
しかも、聞かれたことに答えられなかったり、言いたいことを言えなかったりすると、困るのは子ども自身です。
子どもがいずれ嫌な思いをするのではないかと、ママやパパは不安に感じてしまうかもしれませんね。
子どもはまだ心の準備が整っていないだけ
家ではおしゃべりな子どもが外では無口になるのは、ママやパパ以外の人を前にすると緊張してしまうからです。
特に繊細な子は、不安や恐怖を感じやすい傾向にあります。
また、自分から上手に声をかける自信がないために黙ってしまうこともあるでしょう。
子どもにとって、ママとパパは安心できる人。
それ以外は「よく分からない人」であることがほとんど。
ママとパパのそばは子どもにとって安心できる“安全基地”であるため、繊細な子ほど離れると不安になって緊張しやすいのです。
子どもが安心できる状況でママやパパが見本を見せてあげて
ママやパパにできるサポートは、不安な気持ちを受け止めて、気持ちを代弁することです。
「〇〇ちゃんは△△と思ったのかな?」と子どもの気持ちを代弁しながら確認したうえで、「ママと一緒に△△してみようか」など見本を示して一緒に行動するのもOKですよ。
「自分で『おはよう』って言いなさい」のように親が子どもに無理に話させようとしたり、子どもに「友達のところに行っておいで」と親から離そうとしたりするのは逆効果。
親に「見放された」と思ってしまう危険性があります。
ママやパパに気持ちを受け止めてもらい、寄り添われた状況で見本を見ているうちに、子どもの中で「自分でしてみようかな」と思う気持ちが少しずつ育つでしょう。
ママやパパは子どもの“できないこと”が目につきやすいものです。
ですが、周りと比べないように意識してみてください。
比べる対象は他の子どもではなく、昨日までのわが子。
もし小さな声でも挨拶ができたり、友達に声をかけたりできたら、「今日は言えたね」「勇気を出してよかったね」と成長を喜んであげましょう。
もし「お腹が痛い」「友達に嫌なことをされた」など、幼稚園や保育園の先生に伝えるべきことが言えていないのではと心配な場合は、一度先生に園での様子を聞いてみるとよいでしょう。
先生も内気な子を気に留めているものですが、遠慮せずにママやパパから相談してみてくださいね。
サポートされていると分かれば安心できるでしょう。
子どもが家の外では黙り込んでしまったり、ママの後ろに隠れてしまったりするのは、まだ外の世界が安心できない空間だと感じているから。
子どもが安心できるように寄り添いながら、ゆったりした気持ちで成長を見守りましょう。
監修:増本さおり
第16期認定子育てアドバイザー(保育士、幼稚園教諭・千葉市高洲子育てリラックス館リーダー)
文:あまね
イラスト:Ryoko Ishiyama