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おもちゃを投げる

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子どもが突然おもちゃなどの物を投げると「誰かに当たったら危ない」と慌ててやめさせる親は多いと思います。
1~2歳頃の子どもは、なぜおもちゃなどの物を投げることが多いのでしょうか?

うちの子は気性が激しいの? もしストレスを感じているなら心配

おもちゃを投げる子どもに何度注意してもやめない場合、「気性が激しい性格なのかしら」「ストレスがたまっているのでは?」と心配になるママやパパも少なくないでしょう。
投げたおもちゃが周りの子に当たると危険なため、児童館など子どもが集まる場所に足を運びにくくなるかもしれません。
また、子どもがなぜおもちゃを投げてしまうのか分からず、「自分の注意の仕方が間違っているのでは」と、不安になるママやパパもいるでしょう。

身体機能が発達し「投げることができた!」と喜んでいる

1~2歳頃の子どもには、「おもちゃを投げる=よくないこと」という認識はありません。
身体機能の発達で細かい指使いができるようになり、「やってみたら投げることができた! 楽しい!」という感覚なのです。


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それなのに親に「投げちゃダメ」と止められたらどうでしょうか?
「投げること=ダメなこと」と覚えてしまい、無理やり止められたことにストレスを感じます。
そしてときには、本来は楽しかった投げる行為により執着し、エスカレートすることもあるのです。

投げる行為は他の遊びにも応用されます。
子どもは想像以上に運動能力があることに気が付き、それと同時に好奇心も生まれるのです。
子どもの自ら育つ芽を見守ってください。

遊びの中で、投げてもよい物と場所、投げたらいけない物や場所を教えて

1~2歳頃の子どもは投げてもよい物、ダメな物の判断がまだできません。
そのため子どもがおもちゃを投げるようになったら親は止めるのではなく、まずは「投げることができた」ことを喜び、ほめてあげましょう。
そして当たっても安全な柔らかい物を用意し、思いっきり投げさせてあげます。
キャッチボールのように受け止めてあげると、より親子のコミュニケーションが深まるでしょう。

投げてはダメな物・場所があることを教えるのはそれからです。
遊びの中で、「これは硬くて投げると危ないよ、こっちの柔らかいのを投げようね」「ここは狭いから投げたらダメだよ」と声をかけましょう。

もし泣きながらおもちゃを投げたりするようならば、ストレスがたまっているのかもしれません。
「イライラしているのね」とまずは気持ちを受け止め、言葉にしてあげます。
そのうえで「でも投げたら危ないよ」と優しく教えてあげましょう。

「他の子にケガをさせてしまったらどうしよう」と、ママやパパは公園や児童館を避けるかもしれませんが、子どもにとって他の子と関わりながら、やってよいこととダメなことを学べる場は貴重です。
ママやパパが無理のない範囲で、他の子どものいる場所に連れて行ってあげるとよいでしょう。

子どもの投げたおもちゃが他の子に当たってしまったら、ママやパパが一番にすべきことは、自分の子どもを叱るのではなく、相手の子の痛みやケガの様子を気遣い、謝りにいくことです。
その姿を見て子どもはことの重大さを理解します。
その後に「びっくりしたね。でもあの子も痛かったのよ」と伝え、「投げていいのはこれじゃないよね。今度からは投げないようにしようね」と優しく諭してあげましょう。

子どもの成長を楽しんで

子どもが物を投げると親はハラハラしてしまいますが、もっと楽しい違う遊びに発展する機会だとポジティブに捉えられるとよいですね。
 
 

監修:榎本可世子

第37期認定子育てアドバイザー(保育士、幼稚園教諭・元保育園園長、子育てアドバイザー養成講座講師)

文:山村智子
イラスト:Ryoko Ishiyama

 



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