学校や習い事のときには落ち着いて過ごせるようになってきたのに、家ではいつもソワソワしていて落ち着きがない。
大事な話をしているときも手遊びが止まらない。
こんなとき、ママやパパはどうしたらよいのでしょうか。
何度注意しても手遊びがやめられない。これって大丈夫なの?
ママやパパが何度注意をしても、大切な話の最中に手遊びをしたり、ソワソワしたりする子どもの様子を見ていると「これってうちの子だけなの?」「学校や習い事で迷惑をかけていないかな?」と心配になってしまいます。
実は、まだ脳が発達途中の7~10歳頃のこういった行動は珍しいことではないのです。
緊張やストレスを和らげて気持ちを落ち着かせる、子どもなりの手段
子どもたちはさまざまな個性を持って生まれてくるため、中には「じっとしているのが苦手」な子どももいます。
子どもが手遊びをしたり、ソワソワしたりするのには理由が隠れていることが多いのです。
子どもが緊張しているときやストレスを感じているときなどに、気持ちを落ち着かせるためにこのような行動をすることは少なくありません。
また、暇なときや、ママやパパに甘えたい気持ちを我慢しているときにも同様の行動を起こす場合もあります。
叱るのではなく、理由を探ることから始めて。高学年をピークに落ち着くことも
子どもに手遊びやソワソワした落ち着きのなさなどの気になる行動がみられるときは、むやみに叱るのではなく、どういう状況でその行動が起きているかを探ってみましょう。
怒られているときや緊張しているときにこういった行動がみられる場合は、「やめなさい」と言うのは逆効果。
返って緊張やストレスで余計に悪化してしまうこともあります。
ママやパパは、誰かに迷惑をかけているかなどを冷静に考え、本当にやめさせる必要があるのか、状況を見極めましょう。
このような行動は、小学校の高学年をピークにだんだん落ち着いてくると言われているので、無理してやめさせずに、許容するのも一つの方法です。
それでも子どもの行動が気になり、やめさせたいと感じるときは、できないときに叱るのではなく、できたときに褒めてあげましょう。
「じっとしていられた!」「きちんと落ち着いて話を聞けた!」と、子どももこれでよいのだと実感が湧き、自信がつきます。
また、子どもが何らかの要求や不満を理由に、手遊びやソワソワした様子をみせていると感じるなら、まずは子どもの話を聞きましょう。
子どもの気持ちを聞いたうえで、「今はこういうときだからじっとしてようね」などと落ち着いて話してみてはいかがでしょうか。
大切な話の最中に手遊びが気になる場合は、手を繋いで目を見て話をしたり、ママやパパの膝の上に座らせて後ろから抱きしめたりしてあげるなど、子どもを落ち着かせ、安心して親の話を聞ける環境を整えてあげるのもおすすめです。
無理をせず子どもの話を聞いて
子どもの行動には意味があります。
手遊びやソワソワした様子をみせるとき、子どもがストレスや緊張を感じているようなら、無理してやめさせず子どもの話を聞きましょう。
なかには、専門家へ相談した方がよいケースもあるかもしれませんが、いずれにしても子どもの特徴を肯定的に見ることが大切です。
その特徴の裏に、例えば絵を描くこと、様々な造形物をつくることなど、数えきれない優れた力が潜んでいるかもしれません。
監修:増本さおり
第16期認定子育てアドバイザー(保育士、幼稚園教諭・千葉市高洲子育てリラックス館リーダー)
文:tomomi
イラスト:Ryoko Ishiyama