運動会の演目としても多く見られるダンス。
子どもたちは、小学生からダンスを学びます。
ダンスは、平成24年度(2012年度)から中学校でも必修化されました。
「小学生からダンスを習わせたほうがいいのかな?」と頭を悩ませる保護者も多くいたそうです。
今回は、小学生がダンスを学ぶとどのようなメリットがあるのか、なぜ小学校でダンスを学ぶのかなど、ダンスにまつわる疑問にお答えします。
この記事のもくじ
小学生がダンスを学ぶメリットとは?
ダンスは小学校の運動会の演目に組み込まれることが多く、6年間の学校生活で踊る機会は何度もあります。
また、ダンスは小学生の習い事としても人気です。
学校や習い事でダンスを学ぶと、どのようなメリットがあるのでしょうか。
運動能力がアップする
ダンスは全身を使う運動です。
ダンスをすることで体力や筋力がアップし、柔軟性が高まることが期待できます。
柔軟性が高まると動きがしなやかになるだけでなく、ケガをしにくい体づくりにつながるというメリットも。
おおむね幼児期から中学生を指す「ゴールデンエイジ」の運動習慣は、生涯にわたる体力・運動能力の基盤になるといわれています。
さまざまな動きを取り入れたダンスを練習することで、将来に向けた体づくりができるでしょう。
動きをマネする能力が高まる
すべてのスポーツにおいて、上手な人の動きをマネするのは、上達の近道といわれています。
特にダンスは指導者の動きをマネすることで振り付けを覚え、繰り返しながら上達するもの。
指導者を見ながら動きの特徴を正確に捉え、身体で再現する能力は、スポーツをするうえで必要不可欠です。
ダンスを通して、マネから学び取る能力を高められるでしょう。
表現力が豊かになる
ダンスは、表情や動きで音楽の世界観を表現できるもの。
さまざまなダンスに挑戦することで、表現力が磨かれます。
表現力は、相手に自分の気持ちや考えを伝えるための大切な能力。
表現力を伸ばすことで、コミュニケーション能力向上にも役立つでしょう。
リズム感が身につく
ダンスは、合わせる音楽によってテンポやリズムが異なります。
さまざまな音楽のリズムを捉えて全身を動かす必要があるため、曲をこなすごとにリズム感が養われるでしょう。
リズム感は、球技や縄跳びなど、他の運動にも役立ちます。
楽器演奏にも役立つため、音楽の道に進みたい子どもにもおすすめです。
自己肯定感が育つ
ダンスは、運動会や発表会など、大人数の前で披露する機会が多くあります。
人前で発表することが得意でない子どもは苦手意識を持ちやすいですが、練習と発表の経験を積むことで表現する楽しさを知り、自信をつけられるでしょう。
ダンスを経験して度胸がついたり積極的になったりする子どももいます。
運動の楽しさを知るきっかけになる
ダンスは、音楽に合わせたり、友達と動きを合わせたりしながら楽しく取り組める運動です。
走る、投げるなど他の運動が苦手な子どもの場合、ダンスがきっかけで体育が好きになることもあるでしょう。
小学校の体育を楽しく感じることは、運動習慣を身につけるきっかけになり得ます。
将来にわたって運動を楽しむ下地ができるでしょう。
ダンスは小学校の必修科目
ダンスは、小学校の体育において「表現リズム遊び」や「表現運動」として教育指導要領に組み込まれています。
低学年、中学年、高学年で学ぶ表現運動の内容やねらいを、文部科学省による教育指導要領をもとにお伝えします。
低学年(1~2年生)
低学年の体育には「表現リズム遊び」という項目があり、「表現遊び」と「リズム遊び」で構成されています。
表現リズム遊びの楽しさに触れ、即興的に表現できる能力、リズムに乗って踊る能力、コミュニケーション能力を伸ばせるでしょう。
具体的には、身近な題材になりきって全身を動かす運動があります。
例えば、飛行機が旋回するように、サルが木から木へ飛び移るように、など。
また、流行りの曲など軽快なリズムに乗って踊ることもあります。
友達と動きを合わせる即興的なダンスも学びの1つです。
中学年(3~4年生)
中学年の「表現運動」は、「表現」と「リズムダンス」で構成されています。
さまざまな表現や全身を動かすダンスを通して、表現力やリズムに合わせる能力の他、友達と豊かに関わり合うコミュニケーション能力も伸ばせるでしょう。
テンポや曲調の異なるロックやサンバを使い、全身で弾むダンスにも挑戦。
友達と自由に関わって踊ることで、工夫やマネをしながら調子を合わせることを学びます。
高学年(5~6年生)
高学年の「表現運動」は、「表現」と「フォークダンス」で構成されています。
これまでに学んだことを土台にして、音楽に合わせた簡単なステップやダンスができるようになるでしょう。
また、「マイム・マイム」のようなフォークダンスや「ソーラン節」のような民踊も含まれます。
群(集団)で踊ることも重視されるのが高学年です。
人気の習い事!ダンススクールの選び方
ダンスは、小学生の習い事にも人気です。
学校でダンスに触れることで興味がわき、習い事を始める子どももいますよね。
子どもの習い事にダンスを検討しているママやパパへ、キッズ向けのダンススクールの選び方をお伝えします。
場所やレッスン時間で選ぶ
ダンスに限らず習い事すべてにいえることですが、教室の場所やレッスンの時間はとても重要なポイントです。
- ひとりで通う場合は、道が覚えやすいか、安全な場所にあるか
- ママやパパが送迎する場合は、レッスンに間に合うかどうか
- 生活リズムが崩れない時間にレッスンが終わるかどうか
- 学年が上がって下校時間が遅くなっても間に合うか
など、事前に確認しましょう。
あまり遠いと、子どもが習い事を面倒に感じる原因になることもあるため、できるだけ自宅の近くで探すことをおすすめします。
ジャンルで選ぶ
キッズ向けの習い事でも、ヒップホップ・チアダンス・ジャズダンス・フラダンスなど、ダンスのジャンルはさまざまです。
あらかじめどのようなダンスを習いたいのかを子どもから聞き取ったうえで、習いたいジャンルのレッスンがあるかスクールに確認してくださいね。
体験して選ぶ
ダンススクールとひとことでいっても、レッスン内容や先生のタイプはスクールによって違います。
基礎からしっかり教えるスクールもあれば、振り付けに時間を割くスクールもあるでしょう。
もちろん優しい先生もいれば厳しい先生もいるので、体験があれば試してみて、子どもとの相性を確認するのがおすすめです。
鏡や床など、ダンスに必要な設備が揃っているかをチェックするのも大切です。
中学校でも必修のダンスを楽しく学ぼう
中学校では、創作ダンスやフォークダンスに加え、現代的なリズムのダンスを学びます。
よりダイナミックなダンスが求められるようになるため、表現力や運動量が必要になるでしょう。
小学生の間に基礎を身につけてダンスを好きになっておくと、より楽しめるはずですよ。
監修:公益社団法人日本ストリートダンススタジオ協会(NSSA)
幼稚園から高等学校の園児児童生徒向けのダンス授業や教員向けのダンス研修会を開催している2008年設立の公益社団法人。
2023年までに36万人以上の子ども達、1万人以上の教員へダンス授業、研修会を実施。
繰り返し練習することで走力向上の効果が期待できる「足が速くなるダンス」を開発するなど、ダンスが持つ楽しさを活かしたプログラムは学校関係者から好評を得ている。
文:あまね