自分の意志や主張が強くなる7~10歳頃の子ども。
親をバカにしたり、見下したりといった行動が見え始めることもあり、どう対応してよいか分からないというママとパパも。
なぜ親をバカにしたような態度をとるのでしょうか。
なぜ親をバカにするの? 子どもの変化に不安と戸惑いが隠せない
他人の前ではいい子なのに、家庭内では親を見下したり、兄弟への態度がひどかったり、子どもの態度の違いに戸惑うママとパパは少なくありません。
今は家庭内だけだけれど、「この先、外でも人をバカにするような子にならないか」「成長とともに親をどんどん見下すようになったらどうしよう」などと不安は募ります。
また、子どもがふざけているならまだしも、本気で親をバカにしているような様子があれば、その理由や子どもの本心が分からずに心配になりますよね。
家の外でのストレスの影響や、親の反応をおもしろがっているケースも
子どもが親をバカにしたり、見下したりする理由はいくつかあります。
学校や習い事で頑張り過ぎたり、友人関係で気を使ったりと、子どもの社会でもストレスはあるもの。
外での我慢やストレスがたまり、家庭で発散してしまうケースは少なくありません。
また、学校やテレビなどで覚えた言葉をおもしろがって使い、わざと親を怒らせているケースも見られます。
親の反応を楽しんでいる場合、悪気がなくやっていることがほとんどで、あまり心配はいりません。
ほかにも、成長過程における反抗期の可能性もあります。
態度に隠れた本心を知り、言葉で気持ちを表現できるようにサポートを
子どもが親をバカにしたり見下したりするときは、その態度に潜む本心を探ることが大切です。
外でのストレスがあるようなら、「何か嫌なことがあったの?」など話を聞きつつ、子どもが外で頑張っている様子を聞いてあげましょう。
ただし、親に対してのよくない態度については、ママやパパが嫌な気持ちになったと伝えて、きちんと注意することも大切です。
注意すると反発が生まれますが、その言葉を聞いたらママやパパがどんな気持ちになるのかを知らせましょう。
「そんなことを言われたらつらいな」「ママのこと嫌いになったの?」 などです。
この時期の子どもがみせる、嫌な態度と言葉に乗じてはいけません。
親はわざと丁寧語で応えましょう。
「あら、そう言ってくれてありがとうございます」「そうですね、その通りです。よくおわかりですね」などそっけない態度で言ってみてください。
子どもが普段は使わないような言葉をふざけて使っているときは、親に注意されるとさらにおもしろくなってしまう場合もあります。
親の反応を楽しんでいる様子が伺えるなら、親はあまり反応を示さずに見守ってみましょう。
成長過程で訪れる反抗期のようなら、子どもの言動に注意する前に、子どもの話をしっかり聞いて、子どもが気持ちを素直に言葉で表現できる環境を作ることが先決です。
子どもが話しかけてきたときは、本音を聞き出すチャンスです。
ほんの少し家事や仕事の手を止めて、子どもの声に耳を傾けましょう。
また、子どもは案外親の様子を見ているものです。
普段からママやパパがどちらかをけなすような態度をとっていると、子どもも似た態度をとることがあります。
逆に夫婦がお互いに感謝し尊敬している態度を見せていると、反抗的な態度が落ち着くこともあります。
子どもが素直に話ができる環境づくりを
子どもが親をバカにするときは、その態度の裏にある本心を探り、子どもが親に素直に話ができる環境を整えることが大切です。
子どものよいところは認め、褒めることで、子どものストレスやイライラも次第に薄れて態度は改善することでしょう。
ママやパパは、家族の間でも、お互いを大切にする環境づくりを意識してみましょう。
監修:増本さおりさん
第16期認定子育てアドバイザー(保育士、幼稚園教諭・千葉市高洲子育てリラックス館リーダー)
文:tomomi
イラスト:Ryoko Ishiyama