一緒にいろんなゲームが楽しめるようになる7~10歳頃の子ども。
しかし、負けず嫌いな性格で、ゲームで負けるとすぐに泣いてしまう子もいます。
そんなとき、周りの大人はどんな対応をしたらよいのでしょうか。
ゲームで負けるたびに毎回泣くわが子。どう対応するのが正解か分からない
家族団らんで楽しくゲーム遊びをしているのに、負けると毎回泣いてしまう……。
ママやパパも子どもに毎回泣かれると「そんなことで泣かないの!」と突き放してしまうこともあるでしょう。
また、わざと負けてあげる、わがままを聞いてあげるといったケースもあるのではないでしょうか。
そんなとき「負けてあげるのは正解なの?」とママやパパは頭を悩ませてしまうかもしれません。
気持ちのコントロールを練習している時期。
泣いて「悔しい・悲しい」気持ちに折り合いをつけている
この時期の子どもは、「悔しい、悲しい」という気持ちをまだ上手くコントロールできません。
家庭や学校、遊びなどの体験を通じて自分の気持ちに折り合いをつける練習をしています。
泣くことで気持ちを切り替えていることもあるため、大いに泣かせてあげましょう。
盛大に泣く子、声を殺して泣く子と、子どもによって反応はさまざまですが、持って生まれた負けず嫌いな性格(=勝ちたいという気持ち・意欲)は、これから社会で生きていくうえでとても大切な感情です。
ママやパパが子どもの勝ちたい気持ちや意欲を認めて、伸ばすチャンスと捉えてみましょう。
負けず嫌いは素敵な個性! 大切なのは泣くことを受け止め、共感してあげること
子どもがゲームに負けて泣いてしまったときは、「ゲームくらいで泣かないの!」と言いたくなるのをグッとこらえ、否定せずに、その悔しい気持ちを理解してあげましょう。
大人がついやってしまいがちな、泣いたら勝たせてあげるというのも、この時期の子どもにはあまり効果的ではありません。
子どもは遊びのなかから、気持ちや感情のコントロールを学んでいます。
泣けば思い通りになると思ってしまわないよう、しっかりルールを守って遊びましょう。
子ども時代の負けた経験や、悔しくて泣いた経験というのはその子にとっての財産です。
この時期に気持ちを発散し、折り合いをつけて乗り越えた経験が多いと、大人になってから自分の気持ちをコントロールしやすくなると言われています。
ママやパパは大変ですが、悔し泣きは子どもが成長するチャンスと信じて見守っていきましょう。
また、10歳くらいになると、感情をコントロールできるようになる子も出てきます。
家族以外の大人がいる場所や友人の前では、泣きたい気持ちをグッとこらえる姿も見られるかもしれません。
そのときは「よく頑張ったね」と我慢できたことを讃えてあげましょう。
悔しい、悲しい気持ちを乗り越える力をつける練習にはゲームは最適。
どうして負けたのか、どうしたら勝てるのか、作戦を立てる思考力も鍛えられます。
おすすめは、オセロゲームです。
勝ち負けの手順がはっきり見えて、数の多い少ないが分かります。
また、オセロの戦略本なども出版されています。
負けても勝っても、子どもにその理由を説明することが大切です。
そのうちすぐに、子どもに勝ち越されることになるでしょう。
感情のコントロールにも練習が必要
負けて悔しくて泣くという経験は、子どもの成長過程において大切なステップ。
決して泣くことは否定せず、子どもの「悔しい、悲しい」という気持ちに共感しましょう。
子どもが気持ちの切り替えがスムーズにできるように信頼して、子どもの成長を見守っていけたらよいですね。
監修:増本さおり
第16期認定子育てアドバイザー(保育士、幼稚園教諭・千葉市高洲子育てリラックス館リーダー)
文:tomomi
イラスト:Ryoko Ishiyama