子どもの食育、どうしていますか?
「Tot Program」は子ども向けの料理教室の運営を通して、健全な心身と共に、将来に必要な「生きるチカラ」を養う食育プログラムです。
想像力や創造力、コミュニケーション力、自己肯定力まで高める同プログラムについて、お話を伺いました。
この記事のもくじ
キッズアライズ編集部が気になるベビー・キッズ関連サービスをご紹介。
今回は、幼児から小学生までを対象に料理教室を展開する食育プログラム「Tot Program(トットプログラム)」です。
食育は健全な心身だけでなく、子どもの能力や可能性も大きく伸ばすカギでした。
Tot Programとは
株式会社 食のおくすりが提供する食育プログラム。
4歳~小学生を対象に料理教室を開き、料理を作る楽しみやできた時の達成感を味わいます。
月1回通学の「定期クラス」、1回完結の「単発クラス」があり、料理を通して観察力・思考力・想像力を引き出し、子どもの「ココロ」と「カラダ」、「アタマ」にアプローチします。
Tot Programについてお聞きしました!
株式会社 食のおくすり 梶本佳代子さん
ココロとカラダ、アタマにアプローチする食育プログラム
――Tot Programとは、どんなプログラムでしょうか
梶本さん:「Tot」は英語で小さい子どもを意味し、4歳から小学生までのお子さまを対象に料理教室を展開する食育プログラムです。
調理を通して「楽しい」という心の動きから「美味しい」という感覚、さらに見る・聞く・触れるなど様々な能力を使い、観察力・思考力・想像力を引き出し、子どもの「ココロ」と「カラダ」、「アタマ」にアプローチしていきます。
――料理教室の内容について教えてください
梶本さん:月1回、定期的に通学する「定期クラス」と、1回完結の「単発クラス」があります。
定期クラスは対象を幼児と小学生に分け、年齢に応じた様々な調理方法を体験していただきます。
その中で注意力や観察力、思考力、想像力などを引き出していきます。
単発クラスは4歳から小学6年生までの混合クラスですが、年齢に関わらず1人1台を作るので、調理経験がなくても楽しめるメニューを用意しています。
その他に、不定期ですが親子レッスンも行っています。
――どのようなメニューがあるのでしょうか
梶本さん:定期クラスは年間カリキュラムを組み、旬のものをはじめ様々な食材を使えるよう、和食から世界各国のメニューまで取り入れています。
また焼く、蒸す、煮るなど調理方法も考慮し、必要に応じて取り入れています。
単発クラスは季節や行事・イベントを意識したメニューが多いですね。
例えば、夏なら夏の花や風景をモチーフにしたり、秋にはハロウィンにちなんだスイーツやパンを作ったりしています。
「できた!」という喜びと達成感を重視
――子どもを教える先生には、どんな方がおられるのでしょうか
梶本さん:幼稚園教諭、保育士、料理教室講師などの経験者や管理栄養士など、教育と食のプロがチームを組んでいます。
子どもの成長に合わせた作業や栄養など、いろいろな観点から最適なメニューを考案しています。
また毎年、小学生向けに食の自由研究レッスンを開催しております。
例えば「カラーマジック」というテーマでは、紫色のキャベツを煮出した汁に色々な液体を落として、アルカリ性や酸性などの性質を学びました。
私たちは性質の結果だけでなく、普段調味料として使っているものだけで実験をしたり、使った食材は破棄することなく、その後で料理をして最後まで美味しくいただくことを意識しています。
食材を無駄にせず、使い切る責任まで子どもたちと一緒に取り組むことで、フードロスや食の好き嫌いにも触れられるのは、私たちチームの強みでもあると思っております。
――子どもたちを指導する際に、何を一番大切にしていますか?
梶本さん:調理の工程を楽しんでもらうこと、そして料理ができた時の喜びと達成感を味わってもらうことです。
単発クラスで作ったスイーツやパンはご自宅に持って帰ってもらうのですが、それはご家族が「すごいね」「美味しいね」とお子さまを褒めてあげてほしいという思いがあるからです。
また料理には失敗がつきものですが、そんな時も決して教えすぎず、その子の能力を見極めたうえで、少しだけ導いてあげるレッスン展開を大切にしています。
――生徒のママ・パパから、どんな反応がありますか?
梶本さん:「飽きっぽい子どもが一から全て仕上げたと知り、驚きました!心から『すごいね』と褒めました」「帰宅後、『今日はこれとこれができた!』と嬉しそうに話す子どもを見て、すごく手をかけてもらえていると思いました」など、嬉しいご感想をいただいています。
Tot Programが培う「5つのチカラ」
――食育で伸びるチカラを5つ挙げておられますね
梶本さん:「挑戦する」「失敗の理由を考える」「想像・創造する」「コミュニケーションする」「自己肯定する」という5つのチカラです。
Tot Programでは、料理を通してこれらのチカラを身につけていきます。
――どのようにして、5つのチカラを養っていくのでしょうか
梶本さん:レッスンは最大8名までのお子さまが一緒に参加をします。
基本、全ての作業に関われるようにし、点ではなく線で作品を完成させています。
集団の中での個人作業ですので、説明を聞き逃すと作り方が分からず作品ができません。
大事なことは、「先生は1回しか説明をしないから良く聞いていてね」と前置きをすることです。
そこから説明をすると、聞く態度も違ってきますし、おのずと質問も生まれます。
また、説明を理解しようと考える力や理解する力が養われます。
それでも、誰かが聞き逃して作業の手が止まると、隣の子どもが教えてあげたり、自由なデザインで作る場面では子どもたち同士で見せ合って真似したり、褒め合ったりとコミュニケーションも活発です。
1人での作業が多くても、しっかりコミュニケーションが取れるよう講師も日々意識しております。
――料理教室といっても、食にまつわる体験をするだけではないのですね
梶本さん:そうなんです。
5つのチカラをまとめると、「生きるうえでの総合力」になると思います。
これからの時代、知識やスキルだけでなく、自分で考える力、判断・表現する力、そしてコミュニケーション力などを持ち合わせることで、より人として輝けるのではないでしょうか。
そんな力を幼児期・学童期という、学びを吸収する力が非常に強い時期に、料理を通して身につけていってほしい。Tot Programはそのためにあります。
子どもが未来を拓く力を、食育で育む
――今後、Tot Programで新たに取り組みたいことはありますか?
梶本さん:私たちの会社は、離乳食期を卒業したばかりの乳幼児から、食を通して健康の維持・改善を学ぶ大人向けの栄養講座やレッスン等も展開しています。
食は一生のことですが、Tot Programにご参加いただく子どもたちには、まずは「食って楽しいことなんだ!」ということを体感し、今まで知らなかったことを見聞きし、世界観を広げられる環境を提供したいと思っています。
今までもこだわりをもって商品を作っていらっしゃる企業さまとの取り組みをしてきましたが、保護者さまからも「大人になるまで知らなかった。子どもの時にこそ、こんな体験は貴重ですよね」と更なる展開も期待していただいていますので、さらに活性化させていきたいです。
――キッズアライズを見ているママやパパにメッセージをお願いします
梶本さん:食育は家庭だけでなく、企業、学校、行政など、食に携わる全ての事業者が担うものだと思っています。
特に今は便利なキッチン家電を使う場面も多く、おうちでお子さまと一緒に時間をかけて料理をする機会が減っていますよね。
そういった時代の変化によって家庭ではちょっと難しいな……というところを、私たちが担っていきたいと考えています。
ぜひ、食を通して未来に輝く子どもたちを育てるお手伝いをさせていただけたら嬉しいです。
子どもの可能性を引き出す食育
正しい食習慣や心身の健康、あるべきマナーなど情操的な部分がクローズアップされがちな食育。
しかしTot Programはそれにとどまらず、料理を通して子どもの能力や可能性、そして将来の選択肢まで豊かにしてくれる取り組みでした。