卵を使わない卵焼き?
そんな不思議な卵料理が作れてしまうのが、植物性の原料を素にしたプラントベースフード「HOBOTAMA」。
なんと、あのマヨネーズで国内シェア1位のキユーピーから、GREEN KEWPIEブランドとして販売されています。
同ブランドには卵を使っていないマヨネーズタイプもあり、卵アレルギーのある方やベジタリアンの方など多様な食生活に対応しています。
調理はしやすいのか、どんなメニューに合うのか、そもそもプラントベースフードとは何なのか。
開発担当者の方々にお聞きしてきました。
この記事のもくじ
キッズアライズ編集部が気になるベビー・キッズ関連サービスをご紹介。
今回は、マヨネーズでお馴染みのキユーピーが展開するGREEN KEWPIEのプラントベースフード。
その中から原料に卵を使っていないのに卵料理が作れる「HOBOTAMA」をご紹介します。
HOBOTAMAとは
大豆やアーモンドなど植物由来の原材料を使い、卵の代わりとして利用できるプラントベースフード。
様々な調理に活用できる液状の「加熱用液卵風」と、解凍後そのまま食べられる「スクランブルエッグ風」があります。
冷凍品として販売されており、解凍して使用します。
食の未来の選択肢を広げる「GREEN KEWPIE」ブランドから販売中。
「HOBOTAMA」についてお聞きしました!
お聞きした方:キユーピー株式会社 GREEN KEWPIEプロジェクトリーダー 綿貫 智香さん
市販用市場統括 新規市場開発部 販売推進課 平位 美和さん
卵にこだわるキユーピーが提供する、卵じゃない卵
――卵を使っていないのに卵料理ができる。どうしてでしょうか
平位さん:詳しいところは企業秘密ですが、原材料を吟味して本物の卵に近い食感、風味を実現しました。
完成品でそのまま食べられるスクランブルエッグ風はもちろん、加熱用液卵風(以下、液卵風)は加熱した時に本物の卵のように固まり、その食感が卵と遜色ない状態になるまでに、開発担当が試行錯誤を繰り返しました。
それぞれにベストな食感を求めた結果、スクランブルエッグ風は大豆が原料の豆乳加工品に。
液卵風はアーモンドパウダーが主原料になりました。
綿貫さん:卵の食感を重視して、原料を選定しました。
なので、初めての試作品は黄色ではなく茶色だったんです(笑)。
――液卵風を実際に調理してみると、本物の卵のように固まり驚きました。むしろ、卵よりも調理しやすいかなと思うほどでした
平位さん:液卵風は特性上、気泡性がないので泡立ちはしないんですが、「焼き」に関しては卵と同様であることに自信があります。
個人的には、チャーハンは普通の卵よりもパラパラになるので、うまく作れる印象がありますね。
油分が少し含まれているからかもしれません。
――他におすすめのメニューはありますか?
平位さん:卵の白身の部分は、濃いところと薄いところの二層になっていて、卵焼きやお菓子作りをする時などはよくかき混ぜなければなりませんが、液卵風はそれがないので使いやすいと思います。
卵液にパンを浸すフレンチトーストなども作りやすいですね。
スクランブルエッグ風は、同じGREEN KEWPIEから出ているプラントベースフードの植物生まれのマヨネーズタイプと合わせて卵サンドにするのもお勧めです。
個人的に感動したのは、ニラ玉や野菜炒めです。
黄色が入ると、見た目がこんなに映えるのかと勉強になりました。
綿貫さん:私は、液卵風で作った卵粥が、懐かしい味がして好きですね。
後は、蒸しパンやプリンなどのお菓子類作りにも良いですよ。
卵が入るとコクが出るのか、おいしいんですよね。
家族で一緒に好きなものが食べられる喜び
――卵は色々な料理に使われています。卵アレルギーの方には嬉しいのではないでしょうか
平位さん:卵アレルギーをお持ちの方から「オムライスに憧れていました」「お好み焼きが食べたかったんです」といったお声をいただき、私たちも嬉しいです。
また、ご家族の方からの喜びの声も多いですね。
卵アレルギーの方がいると、食卓には卵料理が登場しないご家族もいらっしゃいます。
子どものために卵料理を食べなくなったご両親から「実はずっと食べたかったんです!私たちが」という言葉をいただいたこともありました。
綿貫さん:卵アレルギーの方のご利用は多いのですが、ヴィーガンなど食生活が多様化し、地球環境に配慮する人も増え、そういった観点からHOBOTAMAを利用されている方も多いです。
また、本物の卵より調理がしやすい、便利、冷凍品で日持ちがするので防災備蓄など「もしものために」というお声もあり、本当に多彩な使い方をしていただいていると感じています。
多様な価値観に寄り添い、みんなが一緒に笑顔で食事ができる社会
――HOBOTAMAは定番の赤ではなく緑色のロゴですが、「GREEN KEWPIE」とはどのようなブランドでしょうか
綿貫さん:元々HOBOTAMAは、2021年に業務用のスクランブルエッグ風を出したのが最初でして、弊社のプラントベースフードの最初の商品でした。
そこから食の未来を考えたラインナップを揃えていこうと、サステナブルな食に挑戦するブランドという位置付けで、2023年3月にGREEN KEWPIEを立ち上げました。
――アレルギー対応食としてスタートしたわけではないんですね
綿貫さん:スタートは、ベジタリアンなどの食の多様化、疾病が理由の食の制限、地球環境の変化による食料不足問題、サステナブルな食の実現などに応えたい思いからです。
2017年から企画し、2019年に開発に着手。
卵の食感や色味、風味にこだわり2年かけて、ようやく2021年に完成しました。
いつものドレッシングやパスタをプラントベースフードで味わう
――GREEN KEWPIEには、どんなものがあるのでしょうか
綿貫さん:HOBOTAMAのほか、ごまとシーザーサラダのドレッシングがあります。
2024年2月にはマヨネーズ(タイプ)と、カルボナーラとボロネーゼのパスタソースも新しくラインナップに加わりました。
食生活の選択肢が広がる
――キッズアライズを見ているママやパパにメッセージをお願いします
平位さん:HOBOTAMAなら、とっても効率的に料理ができる点を推したいですね。
手を抜ける時は抜いていただいて、生まれた時間で子どもたちと一緒の食卓を囲める時間が持てるなら、そっちのほうがすごく良いんじゃないかと思います。
綿貫さん:今、小学校では持続可能な社会についての学びを多く行っています。
子どもたちはSDGsや食品ロス問題について、とても詳しいんです。
プラントベースフードは、未来を担う子どもたちへの、ひとつの答えを提案できているのではと思います。
そして、子どもたちが大人になった頃には、食の選択肢が広がっている世の中になっているでしょう。
そのためにGREEN KEWPIEを大切に育て、子育て中の方々に寄り添っていきたいので、こんなものがほしいといった声を寄せていただきたいです。
食の選択肢を広げるHOBOTAMA
HOBOTAMAを使ってみると、本物の卵よりも調理がしやすく驚く人も多いのだとか。
アレルギー対応できる点や、食の多様性も大切ですが、もっと単純に「簡単だから」「おいしいから」で選ぶことができるものでした。