寒い時期に手足にできる「しもやけ」。
しもやけになると、かゆみが出たり赤く腫れたりします。
「子どもがしもやけにならないか心配」と思うママやパパも多いのではないでしょうか。
そこで、子どもがしもやけにならないための対策や、なったときの対処法をご紹介します。
この記事のもくじ
しもやけの症状は?
しもやけは手足の先や耳たぶ、頬などにできやすく、腫れ、かゆみ、痛みなどが現れます。
ひどくなると、水ぶくれや潰瘍(かいよう)になります。
まずは、しもやけには、どのような症状があるのか知ることが大切です。
そもそも「しもやけ(凍瘡)」ってなに?
「しもやけ」とは、寒い時期に血行が悪くなり炎症をきたす疾患です。
医学的には「凍瘡(とうそう)」と呼ばれます。
「しもやけ=真冬の肌トラブル」のイメージがあるかもしれませんが、寒暖差が引き金になるため、真冬よりも冬の初めや冬の終わりから春先にかけて症状が出やすくなります。
気温が4~5度で、1日の気温差が10度以上ある季節の変わり目に症状が出やすいので注意しましょう。
しもやけのタイプは2つ
しもやけは、患部の状態により2つのタイプにわけられます。
- 樽柿型(たるがきがた)
- 多形紅斑型(たけいこうはんがた)
樽柿型は子どもによくみられ、手足全体が腫れます。
多形紅斑型は大人によくみられ、ところどころに赤い発疹が現れるのが特徴です。
どちらのタイプもかゆみや痛みをともないます。
指先や耳たぶにできやすい
しもやけは、冷えにさらされる部分にできやすく、手足の指先や耳たぶのほか、頬、鼻などの部位にできます。
子どもは身体が小さく冷えの影響を受けやすいため、しもやけになりやすいです。
遺伝も関係するため、ママやパパがしもやけになりやすい体質の場合、子どももなりやすいかもしれません。
しもやけの原因を解説
しもやけの原因を把握して、対策を立てましょう。
しもやけの原因は血行の悪さ
しもやけの原因は、血行が悪くなることです。
「寒い」「暖かい」の刺激を繰り返すと、血管が収縮したり拡張したりします。この繰り返しが血行を悪くします。
そのため、血液が届きにくい手足の指先や耳たぶなど身体の末端に症状が現れます。
しもやけができたときの対処法
子どもの肌はデリケートだからこそ注意したいところ。
しかし、どのように対策しても、しもやけができる可能性があります。
適切な対処法を知っておくと、子どもがしもやけになったときに役立つでしょう。
即効性のある治し方はあるの?
しもやけを治すためには、身体の末端を冷やさず血行を改善することが大切です。
残念ながら、子どものしもやけに即効性のある治し方はありません。
身体の小さい子どもはしもやけになりやすく、さらに寒い時期に時間を忘れて遊びまわったり、汗をかいてもそのままにしたりして、血行が悪く治りにくい状態が続くからです。
そのため、適切なケアと日ごろの対処が重要です。
しもやけに効果があるクリームを塗ろう
腫れやかゆみが現れたら、しもやけに有効なクリームや軟膏を塗りましょう。
血行を改善する「ビタミンE成分入り」のクリームを選ぶと、血行を促進する作用があるため、症状の改善が期待できます。ほかにも、しもやけに効果的とされる市販の塗り薬や漢方などがありますが、効果は薬により異なるため使用には十分注意してください。
1日数回、お風呂上りや学校に行く前にこまめに塗りこむと効果的です。
ただし、肌に合わない場合は使用を中止しましょう。
しっかり保温しよう
保温できなければ、しもやけは治りにくいです。
しかし、子どもは、しもやけができても手袋をせずに自転車に乗ったり、雪を触ったりなど手足を保温できないこともあります。
そのため、帰宅後すぐに手足をお湯につけたり、血行を良くするためにもんだりして対処しましょう。
その時に患部を直接こすらないように注意してください。
改善しない場合は皮膚科を受診
一般的にしもやけは、1~3週間で治癒します。
しかし、適切なケアでも改善しない場合があります。
さらに、症状が長引く場合、以下のような思わぬ疾患が潜んでいる可能性があります。
- 小児性全身性エリテマトーデス
- レイノー病
若い女性に多い疾患ですが、子どもがなる可能性があります。
腎炎を発症する可能性があるため早めの治療が必要です。
しもやけの症状が続く場合は、皮膚科医に相談してください。
子どもがしもやけにならないための対策
子どもが「かゆい」といい、真っ赤に腫れあがった手足は、痛々しく見ていられませんよね。
しもやけには早めの対策が必要です。6つの対策でしもやけを防ぎましょう。
防寒対策グッズで手足の指先や耳の冷えを予防しよう
しもやけは、手足の指先や耳の冷えの予防が大切です。
寒くなり始めた時期から靴下や手袋、耳当てなどの防寒対策グッズを利用すると良いでしょう。
手袋や耳当てを嫌う子どもは多いため、「手袋をして手が痛くならないようにしようね」などと説明しつつ、子ども一人ひとりに合う方法を検討しましょう。
手袋や靴下がぬれたらすぐに取り換えよう
子どもは大人に比べ、体温や基礎代謝が高いため汗をかきやすく、湿気がしもやけの要因となります。
大人が暑さを感じていなくても汗をかく場合があり、汗が蒸発して身体が冷えると血行が悪くなります。
手袋や靴下などがぬれたままだと、皮膚の温度が下がるため、すぐに取り換えましょう。
また、手を洗ったあとも、しっかりふき取ってください。
汗のこもる・締め付ける靴は履かないようにしよう
汗がこもる靴、締め付ける靴、つま先が細い靴は、足先の冷えや血行が悪くなる要因になりやすいため、おすすめできません。
子どもは成長が早く靴がきつくなっている可能性があるため、外出時にはサイズが合っているか確認しましょう。
ビタミンEが含まれる食事を摂ろう
ビタミンEは、末梢の血管を拡張させ血行を良くします。
ビタミンEが含まれる食事は、しもやけの対策におすすめです。
秋ごろからビタミンEを含む食材を積極的に摂取したり、温かい飲み物で身体を内側から温めたりするのも良いでしょう。
冷たい飲み物は控えたほうが無難です。
お風呂に入って身体を温めよう
お風呂に入り、身体が温まると血行が良くなるため、シャワーで済ませず、湯船につかり身体を温めましょう。
ただし、しっかりと拭かなければ身体が冷え、しもやけができるため要注意です。
しもやけになりやすいところの血行を促そう
入浴中や入浴後にしもやけになりやすいところを、もんだりさすったりしてケアすると血行が良くなります。
しかし、すでに子どもが何らかの症状を訴えている場合は悪化するため控えてください。
子どもがしもやけにならないように対策して、快適な冬を過ごそう!
しもやけは血行の悪さで起きるため暖かくすることが大事です。
しもやけができたら、血行を改善するクリームを塗り保温しましょう。
しもやけは、真冬に起きやすいと思っているママやパパも多いかもしれません。
しかし、冬の初めや冬の終わりから春先に起きやすいため、秋ごろから春先までの対策が大切です。
子どものしもやけ対策をして、快適な冬を過ごしましょう。
看護師・ライター:西川正太
大学を卒業後、大学病院の看護師として勤務。心臓血管外科や集中治療室などの領域を経験。子育て中であり、専門的に子育てをしたいと一念発起し保育士の資格を取得。医療や保育に関連するコンテンツ作成にも従事。