子どもが小学校入学を迎えるときに、放課後の預け先となる「学童保育」。
共働きをはじめ、子どもの入学を機にパート勤務を始める予定の家庭は、学童の利用を考えていると思います。
しかし、学童保育の種類や利用料金など、学童保育についてわからないことが多く悩んでいるママやパパもいるでしょう。
今回は、学童保育の基本について解説します。
学童保育を初めて利用する方や、子どもを預け安心して働きたい方はぜひ参考にしてください。
この記事のもくじ
学童保育には種類がある
学童保育は、下記3つの種類に分けられます。
- 放課後児童クラブ
- 放課後子ども教室
- 民間学童
それぞれの特徴を見て、学童保育を選ぶときの基準にしてください。
放課後児童クラブ(公立学童)
放課後児童クラブの管轄はこども家庭庁であり、設置は市区町村、運営は市区町村(公設公営)か保護者会やNPOなどが行っています。
親が働き、日中の子どもの保育が難しい家庭が利用できます。
放課後子ども教室
放課後子ども教室の管轄は文部科学省であり、地域のボランティアの協力で運営しています。
安全・安心な子どもの居場所をつくり、学習やスポーツ・文化活動、地域住民との交流活動などを推進する目的で設立されました。
共働き家庭だけでなくすべての小学生が利用でき、下記のような活動をします。
- 学習支援
- 体験活動
- スポーツ体験
ただし、開設時間が短かく、月に数回しか実施されない自治体もあります。
フルタイムで働く家庭は利用が難しいかもしれません。
民間学童
民間学童は、民間企業が運営する学童保育です。
利用条件はなく、空きがあればすべての小学生が利用できます。
運営する企業による、特色あるサービスが特徴です。
放課後児童クラブ(公立学童)の利用料金は?
学童保育のひとつである放課後児童クラブ。
宿題をしたり、おやつを食べたりして自由に過ごします。
ここでは、利用料金や長期休みの利用などを詳しく解説します。
公立学童|通常時の利用料金
厚生労働省の調査によると、公立学童の利用料金は月額4,000円〜6,000円が相場です。
なかには、おやつ代のみを徴収する場合や月額16,000円以上かかる場合があるなど、自治体により利用料金の差が大きいです。
また、以下に当てはまる場合は、利用料金の減免の対象となるかもしれません。
- 生活保護受給世帯
- 市町村民税非課税世帯
- ひとり親世帯
- 兄弟姉妹利用世帯
利用料金が気になる方は一度、お住まいの自治体に確認しましょう。
公立学童|長期休みの利用や延長料金
長期休み中や延長の保育に、多くの場合対応しています。
長期休み中は、だいたい午前8時から午後6時まで開いています。
延長を希望する場合は、午後7時まで利用可能なところもあります。
ただし、先述した資料によると、午後7時以降も開いているところは全体の6.7%です。
帰宅が遅くなる方は、事前に閉所時間を確認しましょう。
延長料金も自治体によって異なります。
新宿区の場合、延長料金は1回あたり200円(月の上限は2,000円)または、1ヶ月あたり2,000円です。
公立学童の利用には条件がある場合も
新宿区の場合、公立学童の対象は、以下の通りです。
- 市町村内に在住もしくは市町村内の学校に在籍している
- 親が働いており、月曜日から土曜日の間で週3日以上、通勤時間を含み4時間以上不在となる
ただし、利用の条件は地域によって異なります。
また、どの地域も保護者の病気、介護などでも対象となります。
公立学童は希望しても、施設の定員があるため必ず入れるとは限りません。
施設の面積やスタッフ数などにより、受け入れられる人数が決まっています。
近年、公立学童を利用する小学生は増加傾向です。
利用を検討している方は、早めに申請しましょう。
放課後子ども教室の利用料金は?
次に、放課後子ども教室をみていきましょう。
公立学童との違いを確認してください。
放課後子ども教室|通常時の利用料金
原則、月額料金がかかりません。
ただし、教室のプログラムの内容などにより、保険料や工作費などの実費が必要となる場合もあります。
放課後子ども教室|長期休みの利用や延長料金
放課後子ども教室は、事前に登録済で教室が開いていれば好きなときに参加できます。
新宿区の場合は、平日の放課後から、長期休み期間中は午前10時から最長で午後6時まで開いています。
利用料は無料であり、延長料金もかかりません。
ただし、自治体によっては週に1日から3日程度しか教室が開いていないところや、長期休みに対応していないケースもあります。
土日は開いていない場合も多いです。
そのため、共働きの家庭は、放課後子ども教室のみに頼るのは難しいといえます。
民間学童の利用料金は?
さらに、民間学童をみていきましょう。
民間学童の独自プログラムも紹介するので参考にしてください。
民間学童|通常時の利用料金
利用料金は、月額40,000円から80,000円が一般的です。
公立学童や放課後子ども教室と比べ、高額になります。
というのも、運営する企業が独自のサービスを提供するためです。
民間学童では、ほかの学童保育にはないプログラムを選べるでしょう。
民間学童|長期休みの利用や延長料金
おおむね長期休みや延長の保育に対応しています。
なかには、早朝の保育を実施したり、午後8時から午後10時台と夜遅くまで対応したりするところがあります。
延長料金は民間学童により異なります。
大手民間学童を見てみると、30分毎に600円から800円程度かかるケースが多いようです。
民間学童では、施設によって多彩なプログラムが用意されている
民間学童では、以下のような多彩なプログラムがあります。
- 英会話
- ピアノ
- バレエ
- サッカー
施設ごとに特色あるプログラムを実施しています。
学童保育の時間で、さまざまな学びの体験を通して子どもの能力を伸ばせるメリットがあります。
ただし、サービス内容は運営する企業が決めるため、運営元によりサービスの質に差があるのが現状です。
学童選びで後悔しないために、入会前に見学しましょう。
学童保育に送迎はあるの?
「公立学童ではみんなどうしているの?」「民間学童を利用したいけど、一人で行かせるのは不安」など疑問や不安を感じる方もいるでしょう。
ここでは、学童保育の送迎について紹介します。
公立学童は基本的に送迎なし
公立学童は、基本的に送迎はありません。
放課後、子どもは一人で学童に行きます。
中・高学年になると一人で帰宅する場合もありますが、低学年のうちは、多くの親が迎えに行きます。
民間学童の場合は送迎がある施設も
民間学童の場合は、多くの施設で送迎サービスを用意しています。
子どもが一人になる時間を減らせるので、働いているママやパパは安心できますね。
子どもが通う学校が送迎の対象であるか確認しましょう。
生活スタイルに合った学童を利用しましょう!
学童保育は、小学生の子どもにとって安心して過ごせる生活の場です。
子どもたちに、家庭では学べない多くの経験を与えてくれます。
学童保育は3つの種類があり、それぞれで特徴が異なります。
親や子どもの生活スタイルに合った学童を利用しましょう。
ライター:西川正太
大学を卒業後、大学病院の看護師として勤務。
心臓血管外科や集中治療室などの領域を経験。
子育て中であり、専門的に子育てをしたいと一念発起し保育士の資格を取得。
医療や保育に関連するコンテンツ作成にも従事。