
大切なわが子が入園するときは、信頼できる保育園を選びたいと思うママやパパがほとんどでしょう。納得して園を選ぶためには、実際に保育園を見学することが大切です。しかし、保育園に初めて子どもを入園させるママやパパは、見学の際に見るべきポイントや質問すべき内容がわからないことも多いでしょう。
今回は保育園見学の目的や時期、質問内容のリストや見るべきポイントなどについて解説します。ぜひ保育園選びの参考にしてください。
この記事のもくじ
保育園見学は何のためにする?
保育園の情報や口コミなどは、今どきネットで簡単に見られるなか、わざわざ園まで足を運び、時間をかけて見学したほうがよいと言える理由があります。ここでは、見学をする目的やメリット、時期などについて解説します。
保育園見学の目的
保育園を見学する目的は、イメージとの食い違いなどで入園後に後悔することがないようにするためです。保育時間、所在地、保育目標、行事予定などの基本的な情報や園舎、保育の様子などはホームページやSNSなどで見ることが可能です。しかし、保育士の様子まではわかりません。
実際に足を運んで自分の目で見てみないと、子どもを安心して預けられるかどうか見極めることは難しいです。そして「思ったより狭い」「新しそうに見えたけれど古かった」など、イメージと違うこともあります。
反対に思っていた以上によい印象を受けるケースもあり、実際に見てみないとわからないものです。可能であれば複数の園を見学し、比較検討できるとよいですね。
保育園見学はいつ行くのがよい?
新年度の4月から入園する場合は、秋ごろから入園申し込みが始まるため、秋を迎える前に見学に行きましょう。途中入園の場合は、入園直前ではなく、できる限り早い段階で余裕を持って見学できるとベストです。
ほとんどの保育園では、通年で見学できます。なかには、決まった日程で見学会を行う園もありますが、その日程で都合がつかない人に対しても別日で見学対応をするケースが大半です。ただし、行事など園の都合で見学ができない日もあるため、事前に問い合わせや申し込みをしておくようにしましょう。
▼保育園見学について詳しく解説中!
保育園見学の申し込み方法
今はホームページやSNSのアカウントを作っている園が多いため、公式ページに園舎見学の案内や申し込みフォームがないかチェックしてみましょう。また、一般的には電話での問い合わせや申し込みも可能なので、不明な点や質問があれば電話で問い合わせをするのもおすすめです。
保育園見学の質問リスト
見学に行った際に漠然と見ているだけではわからないことがたくさんあるため、積極的に質問をして確実な情報を得ましょう。ここでは、保育園見学の際に聞いておきたい質問内容を紹介します。
保育園見学質問リスト【入園準備編】
わが子が初めて保育園に入園するときは、準備しなければならない備品などわからないことだらけでしょう。園によって入園準備の内容は異なるため、しっかりと質問をしましょう。
慣らし保育の期間とスケジュールを教えてください
- 慣らし保育の期間やスケジュールは園によって異なります。
保護者自身の仕事復帰の時期や勤務時間と比較して対応可能かどうか、事前に把握できると安心です。 - 園生活では持ち物や備品など新たに準備が必要なものがいくつかあります。なかには家庭では必要なかったものが園生活では必要になるものもあるでしょう。
物のほかに、年齢によっては食事(食材)や生活習慣など、入園するまでに家庭で体験したり改善したりすることが求められる場合もあります。 - 毎日の持ち物や用意する備品、制服の有無なども園によって異なります。
また、同じ持ち物や備品でも市販のものが使える園もあれば、手作りのものを用意しなければならない場合もあるでしょう。予算にもかかわるため、園選びの重要なポイントです。
入園準備はどのようなものが必要ですか?
サイズや手作りなどの指定はありますか?
保育園見学質問リスト【生活編】
保育園は子どもにとって1日の大半を過ごす場所です。そのため、園のスケジュールは気になるところでもあり、園を選ぶ際の基準になります。しっかりと質問をしましょう。
保育園での1日のスケジュールを教えてください。
- 「園でのびのびと遊んでほしい」「知的な活動を経験して学んでほしい」など、園に期待する内容はママやパパによって異なります。
希望に合った保育園か知るうえでも、園で子どもが1日をどのように過ごすのか確認するのは重要です。 - 行事の内容やスケジュールは、1日のスケジュール以上に園独自の特色が出やすい部分です。
「行事は子どもの成長の様子が確認できるのでたくさんやってほしい」「行事に追われず日々の遊びを大切にしてほしい」などのママやパパの意向に合うかチェックしてみるとよいでしょう。 - 毎日の園生活で必要な子どもの持ち物についても把握して、早めに準備しておくことが必要です。
連絡帳やおしぼり、よだれかけなど毎日持って行くものと、着替えや紙オムツなど園に置いておくものなどを質問するとよいでしょう。また、家庭で準備するもの、園で注文が必要なもの、園に用意されているものなども保育園によって違います。 - 「保護者の勤務時間に合わせて朝と帰りの送迎が可能か」「延長保育は何時まで預かってもらえるか」など、保育時間も非常に重要です。
園は気に入っても保育時間が合わなければ、通園は難しいケースもあるためしっかりと確認しましょう。また、延長保育料は園によって異なるため、事前に聞いておくことをおすすめします。 - 自治体の栄養士が考えた献立を採用している園、食材やメニューにこだわって独自の献立を提供している園など、給食も各園の特色があります。
アレルギーはほとんどの園がきちんと対応していますが、子どもにアレルギーがある場合は改めて園に確認し、信頼できるかどうか判断することが大切です。
行事などのスケジュールはどのようになっていますか?
保育園生活では、持ち物はどのくらいありますか?
通常の保育時間と延長保育・早朝保育について教えてください
給食の内容やアレルギー等への対応を教えてください
保育園見学質問リスト【病気・ケガ編】
保育園は子どもの命を預ける場所でもあるため、病気の対応や安全対策がしっかりされているかどうかも重要です。また、保育中に急に体調を崩して職場に連絡がくることもあるため、園が保護者に連絡する基準も気になる人が多いでしょう。ここでは、病気やケガに関する具体的な質問内容をまとめました。
子どもの体調不良時に保護者を呼ぶ基準を教えてください
- 発熱や嘔吐、下痢など子どもが体調を崩したときに保護者に連絡をする基準は園によって異なります。
子どもが体調不良のときはすぐに迎えに行けることが望ましいですが、職場によってはすぐに迎えに行くのが難しい場合もあるでしょう。そのため、あらかじめ連絡が来る基準を確認しておくことが有効です。 - 各感染症の出席停止の日数は「学校保健安全法施行規則第 19 条」で定められており、各保育園では感染症に対して、厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」をもとにした対応がとられています。
ガイドラインに則ったうえで独自の基準を設けている園もあるため、確認しておくとよいでしょう。質問したときに、すぐに答えられるかどうかも判断基準になります。 - ときどき園で痛ましい事故が起きたニュースを目にすることがあり、大切な子どもを園に預けるママやパパは不安に思うでしょう。
各園の安全や防犯の対策方法はそれぞれ。具体的にどのような対策を行っているのかを確認し、安心してわが子を預けられるかどうかを見極めましょう。
保育園を休まなければならない基準はありますか?
安全対策や防犯対策について教えてください
保育園見学質問リスト【その他】
上記のほかに、園に確認しておきたいことをご紹介します。
お散歩のルートや遊びに行く公園はどこですか?
- 保育園では晴れた日や気候のよい時季には園外での保育も行います。園外での保育は子どもたちにとって大切な体験ですが、危険も伴います。
よく散歩に行くルートや行き先を確認し、安全なルートや行き先が選ばれているかどうか把握することも必要です。 - 各園では保育方針が掲げられています。保育方針がママやパパの考え方や希望に合っているか、共感できるかどうかも園を選ぶうえでの大切な指標です。
- 認可保育園であれば保護者の所得に応じた金額になりますが、認可外保育園は各園で保育料が設定されています。
保育料以外の経費が徴収されることもあるため、細かい金額や内訳について聞いておきましょう。(3歳児からは保育の無償化の対象となります。)
保育方針を教えてください
保育料について教えてください
保育園見学で見るべきポイント
保育園見学に行ったら、実際に訪れなければわからない環境面を見ることも欠かせません。しっかりと見ておくべき3つのポイントを解説します。
保育園の場所やアクセス
毎日送迎する保育園の場所やアクセスは重要です。家や実家、職場からの距離や交通事情などを確認しましょう。また、園の周囲の環境も重要です。「園の周りの交通量が多くて危なくないか」「家までの経路に買い物に立ち寄れるスーパーがあるか」など、周囲の環境も確認しましょう。
保育室・園庭などの保育環境
園舎や保育室の広さなどは厚生労働省に定められた基準がありますが、園庭の広さや施設の年数は園ごとに異なります。施設は新しくても隅々まで掃除が行き届いていない園もあれば、古くても掃除が行き届いている園もあるため、衛生面や清潔面をよく確認しましょう。また、子どもたちが毎日を過ごす環境として危険な箇所や死角がないかなど、意識して見て回ることが大切です。
駐車場・ベビーカー置き場などの有無
毎日の送迎や行事、懇談会などで園に出向いた際に、駐車場や駐輪場、ベビーカーを置くスペースがあるかも重要です。駐車場から園舎まで距離があると、赤ちゃんの送迎や荷物が多い場合、悪天候の日などは負担になるので、いろいろな場面を想定して考えましょう。
質問内容をまとめてから保育園見学に行きましょう
保育園見学は限られた時間のなかで見て回るので、帰ってから「聞き忘れた」「よく見てこなかった」ということにならないように、事前に聞いておきたいことや見ておきたいポイントをリストアップしましょう。
園で設定した見学会の場合はほかの保護者と一緒に見て回るため、質問しづらいこともあります。見学会ではなく個別で案内してもらうことが可能であれば、じっくりと質問したり細かい点まで見たりすることができるのでおすすめです。
ライター:西須洋文
勤務経験30年以上の元男性保育士です。
現在はWebライターとして、保育士や子育ての経験を活かして子育てや保育記事を中心に、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。
そのほか、音楽教育であるリトミック講師などフリーランスとして活動中。