多くのママやパパは、子どもに怒るのではなく、優しく明るく接しながら育てたいと思っているのではないでしょうか。
しかし、子育ては思い通りにいかないことも多いもの。つい感情的になったり子どもにきつく当たったりして、後悔や反省をした経験があるママやパパはたくさんいるでしょう。
逆に「叱り方がわからない」「叱ったほうがよいのだろうか」と悩んでいるママやパパもいるかもしれません。
今回は、プロフェッショナル心理カウンセラーの浮世満理子さん監修のもと、「叱る」と「怒る」の違いや叱り方のポイントを紹介します。
子どもの健やかな成長と、良好な親子関係を築くためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事のもくじ
この記事を監修いただいたのは…
メンタルトレーナー/プロフェッショナル心理カウンセラー・アイディア高等学院学院長 浮世満理子さん
トップアスリートから経営者まで幅広い分野のメンタルトレーニング、カウンセリングを行うかたわら、心のケアの専門家の育成を目指し、アイディアヒューマンサポートアカデミーを設立。
また、子どもの可能性を引き出し、生きる力を育てる、アイディアメンタルトレーニング個別塾、アイディア高等学院も開設。著書、講演、マスコミ出演など多数。
「叱る」と「怒る」の違い
「叱る」と「怒る」の2つはよく似た言葉ですが、意味はまったく違うことをご存じでしょうか。
子育てをする中で、2つの言葉の違いを認識することはとても大切です。
「叱る」とは
「叱る」とは、相手の成長を願って行う「理性的な伝え方」です。
感情をそのままぶつける「怒る」に対し、「叱る」は論理的に、かつ落ち着いて接することを指します。「怒る」との大きな違いは、以下の2つ。
感情的ではない
- 自分のイライラを解消するためではなく、冷静に伝えている。
- 自分の都合ではなく、子どもの成長を第一に考えている。
相手のため
子育てにおいては、一時の感情をぐっと抑え、「子どものため」を意識した関わり方を心がけましょう。
「怒る」とは
「怒る」とは、感情を直接ぶつける行為です。日々の生活で怒りの感情が湧くのは自然なこと。
しかし、湧き上がったイライラをそのまま子どもに投げるのは相手のためではなく、感情の発散を優先した行為といえます。
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子どもに効果的な叱り方
「感情的に怒るのではなく、論理的に叱る」と頭ではわかっていても、いざその場になると難しいものですよね。
そこで、すぐに実践しやすいように「効果的な叱り方」のポイントを4つ紹介します。
その場ですぐ叱る
叱るべき場面では、後回しにせずその場ですぐ伝えます。
時間が経ってから蒸し返されると、大人でも子どもでも嫌な気持ちになって、素直に聞き入れにくくなるでしょう。
また、子どもは時間に対する認知がまだ発達中のため、過去のことを言われても、うまく思い出せないことがあります。
その場ですぐに伝えることで、子どもは何がいけなかったのかを正しく理解し、納得しやすくなるのです。
短くわかりやすく伝える
子どもにしっかりと理解してほしい気持ちが強いと、お説教のように長々と話してしまいがちです。
しかし、子どもは長く話をされても集中力が続かなかったり、結局何を言われているのかよく理解できなかったりします。
子どもが理解しやすいようにするためには、簡潔に短く伝えることがポイントです。
子どもの目を見て、真剣な表情で話す
命に関わる危険な行為や、誰かを傷つけるようなことをしたときは、子どもの目をじっと見て、真剣な表情で「ダメ」だと伝えましょう。
親の真剣なまなざしは、言葉以上に重みを持ち、「これは大変なことなんだ」と子どもに実感させます。
厳しく伝えたあとは、子どもを優しく抱きしめるなどのコミュニケーションをとり、気持ちを切り替えられるようフォローをしましょう。
子どもの意見も聞く
親が一方的に話すのではなく、子どもの意見を聞くことも意識しましょう。
自分の考えを言葉にすることで、子ども自身が「なぜいけなかったのか」を深く考え、納得感を持って親の言葉を受け入れられるようになります。
また、一見悪い行動に見えても、子どもなりの理由があるかもしれません。
「どうしたの?」と耳を傾けることで、決めつけによるすれ違いを防ぎ、お互いの信頼関係を深めることにもつながります。
子どもに避けるべき叱り方
感情的にならないと意識していても、自分の姿を客観的に捉えるのは難しいものです。
まずは、無意識にしてしまいがちな「避けるべき叱り方」を理解しましょう。ご自身の言動と照らし合わせながら確認してみてください。
怒鳴ったり、大きな声で叱ったりしない
感情を抑えているつもりでも、つい大きな声で怒鳴ってしまうのは、怒りがあふれ出ている証拠です。
子どもは怒鳴られると怖くなり、心が萎縮してしまいます。恐怖を感じている状態では、親の言葉を正しく理解できず、ただ「親の顔色をうかがう」だけの行動になりがちです。
大切なのは、伝えたいことがしっかり届くよう、子どもに不必要な恐怖感を与えない配慮をすることです。
叱るときは1回にひとつ
叱っている最中に、つい過去の失敗まで思い出して話が脱線してしまった経験はないでしょうか。
大切なのは「今起きたこと」だけに絞って伝えることです。あれこれと内容を増やしてしまうと、子どもは何に対して叱られているのか混乱し、肝心なメッセージが届かなくなります。
「その場ですぐ」「手短に」の基本を意識し、論点をひとつに絞ることで、子どもも自分の非を素直に認め、理解しやすくなります。
人間性を否定しない
叱るときに大切なのは、子どもの人格ではなく「そのときの行為」に焦点を当てることです。
「悪い子」「ダメな子」といった人格を否定する言葉は、絶対に使わないよう心がけましょう。子どもの心に深い傷を負わせ、自己肯定感を大きく低下させる可能性があります。
きょうだいや他の子と比べない
子どもへの期待が大きいと、つい「なぜできないの?」とがっかりしてしまうこともあるかもしれません。
しかし、他の子やきょうだいとの比較は、子どもの自尊心を深く傷つける可能性があるので、やめましょう。
もし「比べる」なら、ほかの誰かとではなく、その子自身の「過去」です。以前よりできるようになった小さな成長に目を向けて認めることで、子どもは安心して前へ進めます。
その子だけの個性を尊重し、見守る姿勢を忘れないようにしましょう。
叱る前に知っておきたい親の心得
子どもを叱る前に覚えておきたい大事な心得があります。
ここで紹介する3つのポイントを、しっかり押さえておきましょう。
叱る基準を夫婦で話し合う
ママとパパで叱る基準が異なると子どもは混乱するため、叱る基準をしっかりと決めておく必要があります。
叱りすぎたときはきちんと謝る
ママやパパも常に完璧な対応ができるわけではありません。子どもの叱り方に気をつけていても、ときには言いすぎたり、感情的になったりしてしまうこともあるでしょう。
もし、叱りすぎたときは、子どもに素直に謝りましょう。ママやパパがきちんと謝れば、子どもは安心します。
そしてママやパパも完璧ではないと知り、謝ることの大切さを学ぶ機会にもなるでしょう。
褒めることも大切
日頃から子どものよいところに目を向けて、些細なことでもきちんと言葉にして褒めることも大切です。
ママやパパから褒められると、子どもの自信となります。また、良好な親子関係も築きやすくなるでしょう。
心理学の「認知行動療法」によると、日常生活の中で褒めることと叱ることの割合は「褒める」が8割、「叱る」が2割がよいとされています。
子どものよい行動を認め、具体的に伝える褒め上手になりましょう。
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叱るときは子どもに伝わる方法で
発達心理学の観点では、親との関係において「心理的安全性」が保たれることが何より大切です。心理的安全性があれば、叱られても親を信頼し、子どもなりに考えて成長していくものです。
そして、いつも子どもに「大丈夫、できるよ」というメッセージを送り続けることで、信頼に応えようと前向きに頑張ろうとします。そのプロセスが、子どもの自立や自己肯定感を育んでくれます。
子育ては、親と子どもが共に成長していく共同作業のようなものです。叱る際は、今回紹介したポイントを参考に、子どもの個性や状況に合わせて工夫してみてください。
試行錯誤を繰り返しながら、親子で笑顔あふれる毎日を過ごせるよう応援しています。

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