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ITの知識だけではない、子どもたちのプログラミング的思考を育む「これからKIDS」

小中学校で必修化され、2022年には高校でも授業がスタートするプログラミング教育。
親が家で教えることがしにくい教科だけに、子どもたちの習い事としてプログラミング教室が注目されています。
様々な教室が台頭してきている中で、IT会社が母体となっている「これからKIDS」に話を伺いました。

この記事のもくじ

キッズアライズ編集部が気になるベビー・キッズ関連サービスをご紹介。
今回は、プログラミング教室「これからKIDS」です。

独自のコンセプトで授業を展開する同教室は、プログラミングそのものだけではなく、これからの子どもたちに必要とされるプログラミング的思考を育成するための場でした。

「これからKIDS」とは


四谷や勝どきなど都内に4校を展開する、IT会社が母体となっているプログラミング教室。
メンターと呼ばれる講師役1名に対し生徒は最大4名までの少人数制を採用し、ゲームクリエイトコース、ロボットコース、マインクラフトコース、WEBサイト制作コース、動画制作コースから選べます。2022年春からはオンライン校を開校予定。


「これからKIDS」についてお聞きしました!


お聞きした方:これからKIDS KIDS事業部長 有川 紘記さん

これからの時代に求められるのは論理的な思考と創造力


子どもたちの発想、成長速度にはいつも驚かされていると語る有川さん。

-「これからKIDS」は母体がIT会社ですが、プログラミング教室をスタートさせたのは何故でしょうか
有川さん:「株式会社これから」の代表と日本の将来や教育、人材について語り合ったときに、「このままでいいのか」という話になりました。2人とも子どもがいるため、日本の人材不足やIT教育の弱さに危機感を持っていたのです。

AIやロボットが台頭してくるこれからの時代、仕事で必要とされる能力は変化し、子どもたちには論理的な考え方や発想力・創造力などが求められます。そしてそれらはプログラミング的な思考で培うことができると考えたことから、自分たちで人材育成につながる教育に着手しようと2019年に立ち上げました。
 


プログラミング的な3つの思考法を育む授業


教室では最大で生徒4名に対しメンター1名が付き、1人ひとりに対応。

-プログラミングを学ぶことで育まれる思考とはなんでしょうか
有川さん:当教室では、講義形式でプログラミングを学ぶのではなく、オリジナルの作品作りをしていきます。

その中で、何を作るのかを自分で考える「クリエイティブ・シンキング」。それを実現するためにどういうプログラムが必要か、どういうルールが必要かなどを組み立てて考える「ロジカル・シンキング」。
さらに、その方法より効率的な方法はないかなど常に疑問を持って課題に取り組む「クリティカル・シンキング」の3つの思考法が育まれるようにします。
 


自分で考え、予測して、結果を検証するサイクルをくり返す


視覚的にプログラミングが理解しやすいビジュアルプログラミング言語「スクラッチ」でゲームをしながら学びます。

-具体的にはどのようなことをするのでしょうか
有川さん:例えば、ゲームクリエイトコースやロボットコースでは、子どもが扱いやすいプログラミング言語「スクラッチ」を使用します。このとき、コマンドの解説から入るのではなく、最初からゲーム作りをします。

最初はゲームをやってみて、次にそのゲームがどういうゲームかを観察。コマンドと動きの関連性から、コマンドをどこに置くとどう動くのかのルールをロジカルな考え方で見つけます。そしてクリエイティブな発想でコマンドの入れ替えや差し替えをして、作品を作ります。メンターの助言を受け、時に疑問や改善案を話し合うことで育まれるのが、クリティカルな思考です。
 


-意識しないうちに、思考法が育まれていくんですね
有川さん:無意識に繰り返すことも大切ですが、意識的に思考していくことで癖づいていきます。そこで、生徒たちには授業前にミッションシートを書いてもらいます。自分自身で「今日は何をする」かを考えてもらい、授業後にできたかどうか、仮説があっていたかなどを検証。それらをシートに書き込むことで、生徒自身も成長が目に見えて実感できます。
 


保護者へのレポートも好評


保護者からは、家で何かをお願いしたり、話をしたりするときに「自分はこういう風に思ったからこうしたい」など、根拠を示すようになったなどの声があるとのこと。

-ミッションシート以外の、独自の工夫点はありますか?
有川さん:保護者にレポートを提出しています。その日の授業内容で担当したメンターが気付いた、3つの思考法に関わる成長ぶりをそれぞれに分けて、写真付きで報告します。プログラミング教室は親世代が学習してきたものではないため、ほかの習い事に比べて内容がわかりにくいうえ、当教室では保護者の見学ができないのでとても好評です。
 

-そのほか、プレゼン大会があるとお聞きしました
有川さん:年に1回、全コースの中から、希望者が参加できます。2021年は7月から準備を始め、10月に開催しました。大会には本社のエンジニアなども参加し、プロの視点でプレゼンを見ていくので、子どもたちにはいい刺激になるようです。
 


プログラミング的思考は実践を重ねていくことで育まれる


プログラミングでは失敗も大切な経験。「動かない」ことを経験させて、次にどうすればいいかを自分で考えてもらいます。

-学校教育でも2020年から小学校で、2021年からは中学校でプログラミング教育が必修化され、2022年からは高校でスタートします
有川さん:IT関連の就業人口やプログラミング教室の参加状況を見ると、女子よりも男子が多い傾向があります。必修化されることで、男女の垣根なく、みんながプログラミングに触れることができるのはいい機会だと思います。

しかし、学校の授業のような集団講義形式では、私たちが期待しているようなプログラミング的思考は身に付かないと思っています。なぜなら「思考法」は、自分で考え、実践する工程がなければ身に付かないからです。数十人もの生徒に対し、先生1人だけで、しかも短い時間では難しいと思います。

プログラミング教室は講義形式であっても生徒数が少なく、実践的なものが多いので、繰り返すことでプログラミング的思考の育成の手助けにはなると思います。どういった形式が子どもの性格に合うか、体験教室などで試してみていただきたいです。
 


家庭でも遊びの視点を変えることでできる論理的思考


授業の最後に出される問題に正解したらスタンプ1つなど、スタンプをもらえる機会が色々あり、個数に応じておもちゃなどがもらえます。

-家庭でもできる、プログラミング的思考の訓練のようなものはありますか?
有川さん:ゲームで遊ぶときに視点を変えさせてみるといいかもしれません。そのひとつがゲームのルールの紐解きです。
例えばBボタンを押しながら十字キーを押すとキャラクターの動くスピードが2倍になる、画面の右30%に行ったら画面がスクロールするなど、裏でどういうプログラムが動いているのか。
そういう視点を持たせてみると、ゲームを分解して理解しようとすることにつながるので、ロジカル・シンキングの育成になります。
 

-子どもにコツなどを聞いてみるのもよさそうですね。ただ、テレビゲームなどをあまりさせたくない場合はどうすればいいでしょうか
有川さん:画像検索ゲームがおもしろいですよ。ある写真を見せて、それを「検索」でどこの写真、何の写真かを探して当てる遊びです。写真の中の何に着目して、どんな言葉で検索するのか。そのためには写真の中身の要素を分解しなくてはならないので、こちらもロジカル・シンキングの訓練になります。
 

-キッズアライズを見ているママやパパにメッセージをお願いします
有川さん:小中学校ではすでにプログラミング教育がスタート。高校では2022年度から「情報科目」として必須化し、2024年からは大学入学共通テストでもプログラミングが出題されます。また、私たちが考えるプログラミング的思考は、数学を学習するうえでも重要な要素だと思っています。

それらが指し示すのは、子どもの未来の可能性を広げていくためにも、プログラミングはマストであるということ。
IT関連の職に就きたいといったことに関わらず、プログラミング的思考は必ず子どもの未来を広げるためのものになると考え、教室を運営しています。まずは、子どもたちがプログラミングに接する機会を意識していただけると嬉しいですね。
 


「これからKIDS」卒業生が、母体である「株式会社これから」に入社してくれたら嬉しいと語る有川さん。


キッズアライズのまとめ


将来、今ある仕事の多くがロボットにとって代わられると言われています。そこで必要とされるのは論理的な考え方や、人だからこそ生まれるアイデア。
プログラミング教室は、単にプログラミング言語を学ぶだけではなく、そんなプログラミング的思考に触れる機会でもありました。
 

取材協力

これからKIDS
これからKIDS公式サイト


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