お風呂に入れようとしても「お風呂イヤ」と泣いて嫌がり、なかなか言うことを聞いてくれない子ども。
なぜ嫌がるのか理由が分からず困り果ててしまいますよね。こんなとき、どう対応したらよいのでしょうか。
「お風呂イヤ!」に困惑。早くしないと寝る時間が遅くなってしまう……
1~2歳頃の子どもが「お風呂イヤ!」と駄々をこねることは珍しくありません。
けれど、ベッドに入る時間を考えて行動しているママやパパは「早くお風呂に入れないと遅くなってしまう」と焦ったり、ただでさえ忙しいのにとイライラしたりしてしまいますよね。
逃げ回る子どもを追いかけてつかまえたり、泣いて嫌がる子どもに「お風呂に入ろうよ」と言ってきかせたり、無理やりに入れようとしてヘトヘトになることもありますよね。
まだ小さな子どもにとって、大きなお風呂や水は怖いもの?
子どもがお風呂を嫌いという理由は様々です。
ある子にはお風呂はとても大きく、顔に水がかかったり、ときには目や耳に水が入ったりする怖い場所。
また、着替えるのが面倒でお風呂が嫌だと感じる子、お風呂に入るために自分の遊びを中断されるのが嫌だと感じる子などもいるでしょう。
急に「お風呂イヤ!」と言うようになったのなら、それは自分の気持ちを表現できるようになったからではないでしょうか。
子どもの成長過程の大事なひとつなのです。
お風呂は嫌がっても、水遊びは大好きという子もいます。
それは、顔に水がかかるという同じ状況でも、自分でやると楽しいからです。
逆に無理やり入浴させられると、さらにお風呂嫌いになってしまうこともあります。
まずはパパやママが「お風呂は気持ちいい」とアピールする
大切なのは、まずは子どもの「イヤ!」という気持ちを受け止めてあげることです。
お風呂を嫌がる日には、濡れたタオルで身体を拭いて、きれいにしてあげるだけでも大丈夫。
丁寧に身体を拭いてあげることは、返って親子のスキンシップにもなりますよ。
子どもが「お風呂は身体がキレイになって気持ちよいもの」と理解できるように、ママやパパがお風呂に一緒に入るときに、気持ちよさそうにしているところを見せるのも効果的です。
1~2歳頃は「何でも自分でやりたい」という主体性が育つ時期です。
ですから、自分で体を洗わせたり、自分でシャンプーさせたりするようにしましょう。
きちんと洗えなくても、笑顔で足りないところに手を貸すくらいがちょうどいいのです。
また、お風呂場に子どもの喜ぶおもちゃを用意するのもよいでしょう。
「遊びたい!」という気持ちが湧き上がり、お風呂が楽しみになることもあります。
濡れてもよい絵本や水鉄砲、音の鳴るおもちゃを置いてみてはいかがでしょうか。
子ども自身が「楽しく、気持ちよいからお風呂に入りたい」と思うように導いてあげましょう。
そしてお風呂上りがとても大切。
パパだってお風呂上りにはビールや清涼飲料を飲みたいですよね。
それと同じで、子どもも大人と一緒にスッキリしたいのです。
飲み物をごほうびの習慣づけにしてはいかがでしょうか。
子どもの好きなキャラクターなどが描かれたパジャマを用意するのもひとつの方法です。
「お風呂から出たら、これを着ようね」と伝えることで、お風呂後の着替えが楽しみになることもあります。
1~2歳頃に嫌だと自己主張することは、子どもが成長している証です。
お風呂を嫌がること自体を「悪いこと」だと思わず、子どもの成長だと受け止めて、お風呂を気持ちいい、楽しいと感じて入りたくなるように工夫してみましょう。
親子で楽しくお風呂に入れるようになるとよいですね。
監修:榎本可世子
第37期認定子育てアドバイザー(保育士、幼稚園教諭・元保育園園長、子育てアドバイザー養成講座講師)
文:おおすかさとみ
イラスト:Ryoko Ishiyama