朝、子どもが「幼稚園に行きたくない」と言い出したらドキッとしますよね。
子どもが登園をしぶるときはどうしたらよいのでしょうか。
幼稚園を嫌がるのはなぜ? できれば元気に登園してほしい
子どもに「幼稚園に行きたくない」と言われたら、体調が悪いのか、園で嫌なことがあったのかなど心配がよぎります。
さらにそれが何日も続くと、今度は「このままずっと登園できなかったらどうしよう」と不安になりますよね。
長く休んでしまうと、お友達ができなかったり周りから遅れたりして、後々子ども自身が大変な思いをすることになるのではという心配もあります。
そのため理由を聞き出してできるだけ早く解決したいと焦るママやパパも多いでしょう。
幼稚園に行きたがらないのには大きな理由がないことも
大人は子どもの登園拒否を大ごとに捉えがちですが、必ずしも大きな理由が隠れているとは限りません。
例えば「ママと一緒にいたい」「家でだらだらしていたい」など、少し憂鬱だっただけのケースも多いのです。
大人にもそんな日はありますよね。
特に3~6歳頃の「ママと一緒にいたいから幼稚園に行きたくない」という感情はごく自然なもので、心配はいりません。
ただ気持ちを受け止めてもらいたいだけの場合も多いでしょう。
もちろん、「友達に会いたくない」「給食がイヤ」など、子どもにとって大きな理由があるケースもあります。
子どもが幼稚園に行きたがらなくても慌てず騒がず
子どもが「行きたくない」と言ったときにママやパパにしてほしいのは、子どもの言葉をオウム返しすること。
「今日は行きたくないんだね」と言い、子どもの気持ちを受け止めてあげましょう。
そうすることで、子どもが「〇〇ちゃんがイヤなことするから」「給食がイヤだから」と理由を話してくれることもあります。
思いつくまま話しているうちに、気が済んで「やっぱり行こうかな」と気が向くケースも。
理由を聞きだそうと「どうして?」「友達に何かされた?」などと矢継ぎ早に質問することは避けましょう。
親の必死な表情を見て、子ども自身が「幼稚園に行かないこと」を深刻に捉えてしまう可能性があります。
大切なのは、ママやパパが慌てたりオロオロしたりせずに「行きたくない日もあるよね」と共感することです。
親に共感してもらえると、子どもも気持ちが軽くなります。
体調に問題がなさそうなのに「お腹(頭)が痛い」と言うときは、嘘をついているのではと疑わず、ただ手をあててお腹や頭をさすってあげましょう。
その子のあるがままを信じてあげることで、子どもの心は安定します。
「痛くなくなってきた」と笑顔を見せてくれるかもしれませんよ。
ママと一緒にいたいのが理由だった場合は、「ママも一緒にいたいけど、あなたが幼稚園で楽しく過ごしてくれるのもうれしいんだ」と、子どもに幼稚園で楽しく過ごしてほしい気持ちを伝えると、気持ちが落ち着くこともあるでしょう。
友達とのトラブルなど幼稚園内のことに原因があるときは、先生に相談してみてください。
また、しばらく「親子登園」ができるか聞いてみるのもよいでしょう。
一緒に園に行ってしばらく子どもの様子を見て帰るのです。
それを何日か続けると、一人で過ごせるようになることもあります。
子どもに「幼稚園に行きたくない」と言われるとママやパパは心配になりますよね。
それでも心配や焦りを顔に出さず、先ずは子どもの気持ちを受け止めてあげましょう。
ママやパパの笑顔と共感が、子どもを前に進ませるための処方箋になるはずです。
監修:信野 操
第8期認定子育てアドバイザー(看護師・千葉市幕張本郷子育てリラックス館リーダー)
文:あまね
イラスト:Ryoko Ishiyama