小さな子どもと一緒の買い物は、いつも大変。
会計を済ます前の商品をペタペタさわったり、買う予定のないものを持ってきたり……。
かといって留守番をさせるわけにもいかず、スーパーに行く度にヘトヘトになっているママやパパも多いのではないでしょうか。
買い取らなければいけないものも……。買い物が大変!
個別に包装されていない果物やパンなどを子どもがさわってしまうと、買わなくてはいけなくなることも。
1回きりならまだしも、毎回では困ってしまいます。
また、衛生面を考えると、魚や肉のパックにもさわってほしくないですよね。
子どもが端から端まで商品をさわっていれば、周りから白い目で見られることもあるでしょう。
買いたいものを買えなかったり、買い物に行くのが憂鬱に感じたりするママやパパもいるかもしれません。
また、商品にさわるのをやめさせようとして癇癪を起こされれば、余計に疲れてしまいます。
スーパーには好奇心を刺激するものがあふれている
スーパーにはたくさんの商品が並んでいるため、好奇心旺盛な子どもにとってはパラダイス!
気になるものを端からさわってみたくなるのも無理はありません。
子どもは、赤ちゃんの頃から買い物をするママやパパのことをよく見ています。
歩けるようになり、これまでずっと見ていたものが手の届くところにあれば、さわりたくなるものです。
ママやパパと同じことをやってみたいと思うのは自然なことですよね。
出かける前に約束をして社会性を育てよう
3~6歳頃の子どもは、約束ができるようになる時期です。
- 買うものしかさわってはいけない
- 買う予定のないものは取ってこない
- 自分が欲しいものを勝手に取ってこない
- ママやパパと手をつなぐ
などの約束をして、守れなければスーパーには行けないと伝えましょう。
そのとき、なぜさわってはいけないのか、理由も併せて伝えてくださいね。
「他の人がべたべたさわったもの、食べたい?」のように聞きながら、少しずつ理解してもらいましょう。
買い物に限らず、普段から約束を取り入れることが大切です。
簡単にできる約束から積み重ねれば、やがては「約束を守る」心地よさを学ぶはず。
他人に白い目で見られたり注意されたりすると、ママやパパはつらいですよね。
ですが、子どもが正しい買い物の仕方を学ぶチャンスです。
ママやパパが選んだ商品だけを取ってもらい、お手伝いしてもらいましょう。
もちろん、子どもは自分の好きなものを手に取りたいに決まっていますから、上手くいかないこともあります。
もしその行動を誰かに注意されて、子どもが商品を棚に戻せたときは、すかさずほめてあげましょう。
注意してくれた人にお礼を言うことも忘れずに。
今は見知らぬ人と助け合うことがなかなか難しい世の中ですが、本来はそれこそが社会で子どもを育てるということなのではないでしょうか。
ママやパパが対処するのが理想とはいえ、他人から注意されたら、それを好意的に受け取るという考え方もあると思います。
また、子ども用の財布に小銭を入れて持たせ、その金額で買えるものを選べる特権をあげると喜びますよ。
ママやパパのお手伝いができて、ご褒美ももらえるなんてうれしいですよね。
ただし、子どもの発達には個人差があります。
同じ年齢でも、約束を守れる子もいれば守れない子もいます。
その子の状況を見て我慢できないと思ったら、ネットスーパーの利用も検討してみてください。
一緒にネットスーパーの画面を見ながら「買わない商品はタッチしない」と約束させ、守れるようになったら短時間から外での買い物を始めてみてはいかがでしょうか。
約束を守る練習から始めてみて
大人にとっては日常の場であるスーパーも、子どもにとっては好奇心をかきたてるパラダイスのような場所です。
落ち着いて買い物ができるようになるまで、小さな約束を少しずつ守る練習を重ねてくださいね。
監修:榎本可世子
第37期認定子育てアドバイザー(保育士、幼稚園教諭・元保育園園長、子育てアドバイザー養成講座講師)
文:あまね
イラスト:Ryoko Ishiyama