小学生になり自分のことは自分でできるようになってきたのに、片付けだけは苦手で、学校の道具やおもちゃなどで部屋はちらかり放題。
何度注意してもまったくききめなし。
一体どうしたらよいのでしょうか。
これってうちの子だけ? もしかして発達障害かも?
7~10歳頃になると、学校の持ち物などの準備が一人でできるようになり、ママとパパの手助けが必要なシーンは減ってきます。
そのため、家で片付けができないと「学校の準備はできるのに、どうして片付けができないの?」と疑問を抱くことでしょう。
何度注意しても片付けられない状況が続くと、次第に「片付けられないのはうちの子だけ?」「もしかして発達障害かも?」と感じてしまうかもしれません。
「小学生だし、片付けくらいできなくちゃ」という気持ちはあっても、子どもに任せたり、教えながら一緒に片付けたりすると、余計に時間がかかって大変なのも事実。
そのため、つい自分で片付けてしまうことも多いのではないでしょうか。
「元の場所に戻す」は難しい。怒られて片付け意欲が削がれていることも
7~10歳頃の子どもは、「自分でやれる!」と、率先して行動するシーンも増えます。
集団生活の中では片付けができても、家ではできないといったことはよくあるのです。
「片付けなさい!」という声掛けは、実は子どもにとって漠然とし過ぎて「何をどう片付けたらよいのか分からない」と感じています。
せっかく片付け始めたのに「まだ終わらないの?」などと叱られたり、「これはここじゃないでしょ」と片付けた物の位置まで否定されると、片付ける意欲がなくなってしまったり、子どものプライドを傷つける結果にもつながりかねません。
また、ブロック遊びなどで「かっこいい作品ができたから、崩して元に戻したくない」という気持ちを持っている場合もあります。
この年齢で片付けられないのはよくあること、完璧は求めずに環境を整えて
7~10歳頃に片付けられないのはよくあることです。
片付けが苦手という一面だけで発達障害に結び付けないで、すこし時間をおいて、この子にはどんなやり方が効果的なのかを考えるとよいでしょう。
おもちゃが多くて散らかる場合は、「いつも遊ぶ一軍」「たまに遊ぶ二軍」「棚上げする三軍」と、それぞれの箱を用意するのもひとつのアイデアです。
急いで片付けたいとき、散らかっている物を一旦避難させる「とりあえず箱」を用意するのもおすすめです。
子どもがどこに何をしまうか覚えられない場合は、箱にラベルを貼るなど、絵や文字のシールで視覚的に示すのも効果的です。
子どもが具体的な指示を欲しているときは、「いつ」「何を」「どこに」片付けるかを示してあげましょう。
片付けを促すときは、10~15分前に「◯時になったら片付けしようね」と声をかけ予告しましょう。
猶予を設けることで、子どもが自分で遊びに区切りをつけ、片付けに取り掛かりやすくなります。
ママとパパの言葉は子どもにとって影響力が抜群。
上手にできたかどうかに関係なく、片付けたら、やった努力を認め、褒めてあげましょう。
子どもが頑張って作ったおもちゃの作品を飾っておくことも、子どもの気持ちに共感する意味で大切です。
子どもの片付けに完璧を求めたりせず、声掛けや片付けやすい環境を工夫し、親子で無理のない片付け習慣を作りましょう。
監修:信野 操
第8期認定子育てアドバイザー(看護師・千葉市幕張本郷子育てリラックス館リーダー)
文:Tomomi
イラスト:Ryoko Ishiyama